連休中に遊んでおきたい、おすすめフリーゲーム 10 選
さて、唐突だが連休といえばフリーゲームである。最近は非常にフリーゲームでも名作と呼べるゲームが多くなってきている。教養と言える程度まで遊ばれているゲームも多く、その界隈(?)では非常に語られる回数の多いゲームを集めてみた。
連休に家にいるならば(もちろん、 連休でなくても)、是非フリーゲームを遊んでみては如何だろうか。
フリーゲームとは?
“フリーゲームとは、インターネット上にて無償で配布されているコンテンツの一種。
フリーウェア(無料のソフトウェア)のゲームのこと。
単にフリー(無料)のゲームとも訳される。略語は「フリゲ」「フリゲー」
多くのフリーゲームは個人もしくは少人数のフリーウェアゲームサークルによって制作されている。”
フリーゲームはその名の通り、基本的には完全無料のゲームが殆どだ(「フリー」=「無料」ではなく、「自由」という説もある)。しかし、無料と侮るなかれ。ストーリーや世界観の作り込みがなされており、引き込まれるゲームが非常に多く存在する。
近年では、こうしたストーリー・世界観だけではなく、ゲームシステムなど、コンセプトがキラリと光るゲームも多く存在する。「 RPG ツクール」以外にも「 WOLFEditor 」など、制作ツールも充実してきており、ゲーム制作の自由度が高くなってきていることがその背景として挙げられる。
特に最近、ニコニコ動画でのゲーム実況でもフリーゲームを題材としたものをよく見かけ、かなりメジャーなジャンルへと成長している。
中には 1 つの動画で 100 万回以上再生されているフリーゲーム実況動画もある。何を隠そう、もぐらゲームスのライターの1人・ Noah も、ゲーム実況動画の大ファン。ここ 5 , 6年ぐらいは、ニコニコ動画でのランキングに載ってくるゲーム実況動画は時間のある限り視聴しているが、直近 2 ~ 3 年でフリーゲーム実況の存在感が大きくなってきている印象がある。
フリーゲーム・オススメ 10 タイトルを一挙紹介
今回は、そんなフリーゲームの中でも、もぐらゲームスのレビュアーがオススメする「名作」「定番」と呼べるようなタイトルについて、改めてご紹介したい。中には、もはやある種の「常識」、フリーゲームにおける「教養」となっているような作品もある。知らないタイトルがあれば是非連休中にプレイしてみては如何だろうか。
Pixiv タグ 4 万件超、世界観で魅せる『 lb 』
作者サイト
プレイ時間: 3 ~ 4 時間程度
人気ゲーム実況者レトルト氏のゲーム実況動画において、Part 1 だけで195万回超(2014年4月現在)の再生数を誇る、超人気フリーゲーム「Ib」。
両親とともに「ゲルテナ展」を見るために美術館を訪れた9歳の少女イヴが、美術館の奥深くに迷い込み不思議な体験をする…というストーリー。途中で出会う登場人物や、架空の美術家ゲルテナの怪しくも美しい作品が全体を彩る名作。
その世界観に引き込まれたファンが多いのが特徴で、二次創作は非常に盛り上がっており、Pixivの「Ib」タグは4万件超という巨大コンテンツとなっている。
コミック化もした伝奇系ホラゲ『霧雨の降る森』
作者サイト
プレイ時間:2-3時間程度
2014 年 3 月からコミック化もされている人気フリーホラーゲーム。
主人公の女子大生詩織は、両親が亡くなり、書斎を探している時に自分の地元について書かれた祖父の資料を見つける。彼女には幼いころの記憶がなく、そこには「ことりおばけ」と入ってはいけない森の”約束”が…。話が進むに連れて主人公の詩織と滞在先の管理人ながらも口の利けない須賀の2人の関係が明らかになっていく。少ないながらも個性の強いキャラクターとテンポの良いストーリー展開に引き込まれる。
マルチエンディングなのだが、どうしても2人に幸せになってほしくてグッドエンディングを目指し何度もプレイしてしまう。
ド派手な連携が魅せる大作 RPG 『帽子世界』
作者サイト
プレイ時間:10-15時間
投票型のフリーゲームコンテスト「フリゲ2013」にて1位に輝いた大作 RPG 。制作期間は5年ほどとされ、かわいらしいキャラクターとは裏腹に展開されるシリアスなストーリーが魅力だ。隠しボスなどのやりこみ要素もあり、ライトなユーザから RPG を極めたプレイヤーも楽しめる作品となっている。6人の主人公から好きなキャラを選び、ゲーム進行の順番をプレイヤーに任せるフリーシナリオ形式という、スクウェア・エニックスの名作サガシリーズを髣髴とさせる本作。コンシューマゲームが好きだったプレイヤーの皆様もプレイしてみてはいかがだろうか。
劇のようなテンポで進む謎解きとストーリー『デンシャ』
作者サイト
プレイ時間:2-3時間
田舎に向かう電車の中で少年が目を覚ましたら車両の中が畳の部屋になっていた。
デンシャはそんな出だしから始まる探索謎解きアドベンチャーゲームだ。謎解きの肝になるのは、今いる車両を示しているパネル。プレイヤーが何両目にいるかデジタル時計のような字体で書いてある。例えば「21」を回転させて「15」にすると車両の中の場面がガラッと変わって…。
何が起きるんだろう、どんなゲームなんだろうという期待と、最後に全てがわかったときの達成感、これらをまるで走馬灯のように一気に楽しめる。そんな最高のエンターテイメントだ。
美麗なフィールドの探索 RPG 『遺跡島と7つのまほう』
作者サイト
プレイ時間:15-20時間
発表は2010年だが、2013年に Adobe AIR 版『遺跡島と7つのまほう つよくてニャーゲーム』が発表され、再び話題となった RPG 作品。上記のコンテスト、フリゲ2013でも多くの票を獲得した。美麗なフィールドマップは見事の一言で、プレイ中にじっくりと細部まで見て欲しい。作者の方が自ら「人を選ぶゲーム」と書いているように、少し癖のある部分もあるが、それだけにこだわりが強く見える。その作風にマッチするプレイヤーはハマることだろう。
「結末」を探す RPG 『魔王物語物語』
作者サイト
プレイ時間:10時間程
フリゲ2008にて1位を獲得した中編RPG。その物語性の高さから、多くのプレイヤーに感動を焼き付けたと思われる名作。
未完の小説「魔王物語」の結末を見つけるため、とある島を探索する主人公「ヒマリ」。仲間たちとの交友や冒険を経て、徐々に明らかになっていく「魔王物語」の謎。その先に待つ結末とは…。RPGとしての面白さもさることながら、物語としても非常に質が高いものとなっている。シナリオとシステムの両面からゲームを味わいたい人にオススメの作品だ。
エンディングまで、怖がるんじゃない。『魔女の家』
作者サイト
プレイ時間:2-3時間程度
タイトル通り、深い森の中にある魔女の家で、主人公が不思議な現象に見まわれながら謎解きを行うフリーホラーゲーム。
詳しく語るとネタバレになってしまうので控えるが、魔女にまつわる隠された物語が次第に明らかになっていく様子は必見。エンディングの衝撃は是非一度味わってみていただきたい(ホラー表現が極端に苦手な方にはオススメできないが)。
また、作者のふみー氏が本作の前日譚を描いた「魔女の家 エレンの日記」という小説も好評だ。
- 作者: ふみー
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2013/10/31
- メディア: 単行本
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フリゲコンテスト金賞の名作『シルフェイド幻想譚』
作者サイト
プレイ時間:6-8時間程度(1周)
PLAYISM においても公開されており、これまで累計15万回以上ダウンロードされたという『片道勇者』で有名なゲームサークル「 Silver Second 」の名作。フリーゲームのコンテストである「コンテストパーク」にて金賞を受賞している。
本作は、空に浮かぶ幻想の大陸が舞台のファンタジー RPG だ。15日間で滅びてしまうという世界を救うため、旅をする主人公。個性豊かな仲間達との出会い、そして待ち受ける「災い」の秘密とは…。テンポの良い戦闘も爽快で、サブイベントの豊富さから何週も繰り返し楽しめるゲームとなっている。刻一刻と滅びのタイムリミットが近づくシステムも、プレイヤーに時間を意識させる緊張感がある。
(poroLogue)
「 Silver Second 」のもう一つの名作、「片道勇者」はもぐらゲームスでもレビューを書いているので、こちらも是非参照していただきたい。
行きて帰らぬ物語―いやプレイヤー的な意味で。 SilverSecond『片道勇者』レビュー – もぐらゲームス
驚異的なボリュームと中毒性『らんだむダンジョン』
DLサイト(Vector)
プレイ時間:その気になればいくらでも(筆者の場合:アイテムコンプ率99%で80時間)
「お勧めのフリゲ教えて!」的な話になれば、必ずと言っていいほど名前の挙がる本作。Vectorの2010年人気投票で二位を獲得していることからも、その人気がうかがえる。
『らんだむダンジョン』は RPG で生じがちなストレスを徹底的に排除しており、ゲームに不慣れでもサクサク進めることができる。それゆえ中毒性も高く、ユーザー層を問わず「気がついたら日曜日が消滅していた」なんて話も珍しくはない。
それに加わるのは、鮮やかな伏線回収と奥行きを備えたストーリー・収集要素である膨大な種類のアイテムとそれに付随する気合いの入った説明文・多種多様なボス敵ども・個性豊かなキャラクターたち……と本作の魅力は非常に多く、限られた字数ではとてもではないが伝えきれない。というわけで、ゴールデンウィークを『らんだむダンジョン』につぎ込んでみてはいかがだろうか?
RPG のエッセンスを凝縮した『ふしぎの城のヘレン』
作者サイト
プレイ時間:4-6時間
本作『ふしぎの城のヘレン』はストーリー、演出、戦闘と総じてテンポが良い。「ここぞ!」というタイミングを見逃さない構成になっており、プレイヤーを決して飽きさせることなく終わりまで導いてくれる。
特筆すべきはランダム要素を排除したタクティカルかつ明快な戦闘システム。考える楽しみや敵を出し抜いた時の「やってやったぜ!」という喜びを与えてくれる。(ちなみに筆者はカウントの減る音が大好きだ)
また、これでもかと言わんばかりに動くドット絵も魅力。ヘレンの走るモーションはぜひとも見ていただきたい。目をつぶっている。カワイイ。
そんなこんなで、『ふしぎの城のヘレン』はとても濃密な一作に仕上がっている。短い時間でぎゅっと凝縮された体験をしたいあなたにオススメ。
もちろん、それ以外の人にもオススメ。
面白いフリーゲームを探すには
字数の関係でここには紹介しきれなかったが、2004年に公開されて以降、その解釈で今も話題となる『ゆめにっき』や、最近AKB入山杏奈さん主演で実写映画化が発表された『青鬼』ほか、他にも沢山の名作と呼ばれるフリーゲームタイトルが存在する。また、『洞窟物語』など、日本だけではなく世界中で受け入れられているゲームもある。
こうしたフリーゲームタイトルを探すには、いわゆるまとめサイト系の記事を見る方法や、「ふりーむ!」などの DL サイトでランキングをチェックする方法などがある。
さらに、新しくリリースされたフリーゲームからいち早く自分だけのお気に入りを見つけたいならば、定期的に各所で開催されているフリーゲームコンテストや投票企画などをチェックしておきたい。
例えば、先に述べた「フリゲ2013」は、昨年開催された投票企画で、2013年にリリースされたフリーゲームの中からコレ!というタイトルを選んで投票するものだ。
年に一度のフリーゲームの祭典「フリゲ2013」開催!今年注目のフリーゲーム作品を紹介 – Power Of Games
上位に入っているゲームは、流石にうならせるものが多い。
他にも、「ウディコン」という、WOLFEditorを使用して作られたフリーゲームがノミネートされるコンテストも開催されているし、最近ではニコニコ動画で行われている「ニコニコ自作ゲームフェス」も有名だ。
ニコニコ自作ゲームフェス3受賞作品 一挙公開!!‐ニコニコインフォ
今回、本記事でオススメしたゲームに加え、リンク先のゲームも併せて、自分だけのお気に入りを見つけてみては如何だろうか?
なお、もぐらゲームスでは今後も定期的にフリーゲームの紹介をしていきたいと思っている。興味があれば、また是非チェックしてみて頂きたい。
他にも、もぐらゲームスで紹介したフリーゲーム
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