スマホ探索ADV『OPUS 魂の架け橋』 「希望」を失った男と、託された少女の物語
人は死ぬとどこへ行くのだろうか。魂として生き続けるのか、それとも、新たな命として現世に再び誕生するのだろうか、それは人類の永遠のテーマでもある。
今回紹介するインディーゲームデベロッパー「SIGONO」が開発した『OPUS 魂の架け橋』は、大災害後の世界にて、肉体から離れた「彷徨う霊魂」をロケットに乗せて宇宙へ還す男と少女の物語である。iOS/Androidで配信されており、途中まで無料でプレイが可能となっている。
希望を「失った」男と、希望を「託された」少女
本作の舞台となる世界では「巫女」と呼ばれる人々によって、亡くなった人たちの魂をロケットに乗せ天に還す「宇宙葬」という儀式が行われている。彼女たちは貴重な存在であり、人々から崇められている。
幼き少年「ヨハン」は、父の肩に乗り空高く飛び立つロケットを目の前に胸を高ならせていた。いつか自分も「宇宙葬」に参加したいと。
しかし、突如として発生した疫病によって、その思いも打ち砕かれることになってしまう。疫病の魔の手は拡大し、人類はたった1年間でわずか10,000分の1にまで減少してしまった。
そして月日は流れる……。
ーー疫病の発生から25年後。そこには大人になったヨハンの姿があった。
顔の輝きは失われており、無邪気な少年であったかつての面影は残っていなかった。大地の姿も変わり果ててしまい一面雪で覆われている。
この地の環境変化が彼の25年間の心境を物語っているようにも見える。
また、ヨハンの体にはある変化が現れていた。彼の耳には、天へ昇れなかった彷徨う霊魂たちの「声」が届いてしまうのだ。
ヨハンは霊魂を天に昇らせれば声を消せると信じ、各地に散らばった部品を集めている。
本作のもう1人の主人公である少女「フェイ」。彼女は20年という長き眠りから覚めた巫女の子孫である。彼女は「ある使命」を果たすために日々を過ごしている。
フェイの性格は明るく前向きだ。ヨハンのネガティブな発言に対してもポジティブに振る舞う姿が見受けられる。フェイの明るさが2人だけの世界の支えになっているのかもしれない。
静かな町での探索
ヨハンたちが住む町はとても冷たく静まり返っている。寒さと雪のせいか早く歩くことはできないようだ。本作には時間の概念が存在しているため、行動は計画的に行わければならない。
辺りを物色したり、アクションを起こす際には時間が消費されるため、右上の時間は常に注意しておきたい。昼間は問題無いが、夜は暗く行動が制限されてしまうので明るい内に工場へ帰る必要がある。
パーツはロケット制作に必要な物や、住人の思いが詰まったアイテムも
ヨハンが物資を回収しにいっている間、フェイは工場でロケットを制作している。町にいる時もレシーバーを使うことで彼女からアドバイスをもらうことも可能である。
2人の思想は違えど目的は同じ
ヨハンはどうしてこの地に残ったのか、フェイの使命とはなにか。プレイヤーは物語を通して2人の過去や町の歴史に触れていくことになる。
性格や思想は違うが目的は一致している2人。彼らの願いは叶うのだろうか。続きは本編をプレイして是非確かめてもらいたい。また本作で流れる音楽は、より物語の世界へと引き込んでくれるため、イヤホンやヘッドホンを使用してプレイしてみることをお勧めしたい。
なお、前作「OPUS: The Day We Found Earth(OPUS 地球計画)」は、孤独な宇宙で幼きロボットが博士と誓った約束を果たすため、神話となった「地球」を目指す物語である。
『OPUS 地球計画』のレビューはコチラ
幼きロボットと博士が交わした”約束”の物語『OPUS: The Day We Found Earth』
[作品情報]
タイトル:OPUS 魂の架け橋
開発元:SIGONO
価格:240円(途中まで無料)
ダウンロード:iOS版ダウンロード/Android版ダウンロード