幻想的な雰囲気なのに死にまくる。ゆるふわ死にゲー『Elemant4l』
もぐらゲームスでは、いくつかの死にゲーを取り上げてきた。
Steamで高評価の死にゲー『VVVVVV』がスマホに移植されてた
スマホ死にゲー『Sometimes You Die』で5秒に1回死んで見えてきたもの
死にゲーとは「楽しく死ねるゲーム」だと思っている。筆者は、昔からアクションゲームが上手ではない。穴をジャンプで飛び越えようとしてもタイミングが掴めず落ちまくるのは今も昔も同じ。死にゲーはそんな「失敗」を楽しく感じさせてくれる存在だ。
そして再び楽しく死ねる死にゲーと出会ってしまった。
今回紹介するのは、ベルギーのインディゲームデベロッパーI-ILLUSIONSが制作したパズルアドベンチャーゲーム『Element4l』だ。
幻想的な世界観と十字キーしか使わない超シンプルな操作
このゲームの何が面白いか。一言で言ってしまうと、雰囲気とゲームの難易度があまりにかけ離れていることだ。
まずはタイトル画面をご覧いただきたい。
さすがヨーロッパで作られたゲームだと訳知り顔で頷いてしまいたくなるほど、画面がおしゃれで美しい。色彩は決してビビッドな色を使わず、グラデーションを存分に効かせて幻想的な雰囲気を醸し出している。
また、BGMも疾走感のある電子音ではなく、やわらかな音が中心の緩急のついた幻想的な曲になっている。購入するとサウンドトラックもおまけでついてくるので、曲だけでも楽しめる。
とにかく画面も音楽も、息を呑んでしまう綺麗なゲームなのだ。
さて、プレイヤーが操作することになるのは4つのエレメンタル(元素)が合体した不思議な存在。
名前はない。が、なんともかわいらしい風貌だ。
この主人公をゴールまで導くとステージクリアになる。
どうやって前に進んでいくかというと、十字キーを使って空気、氷、岩、火という4つに姿を変える。
姿の切換は、十字キーの上下左右だけ。
上を押すと空気に、左を押すと氷に、下を押すと岩に、右を押すと火に、それぞれ姿を変えることができる。
空気は、上方向に飛ぶことができる。加速はできないので勢いがついているときに飛ぶのが基本。壁にぶつかると死ぬ。
氷は、地面を滑っていく、坂道だと加速するので地面を滑っているときは大体氷の姿だ。
岩は、重いので落下速度が早くなる。そして色々とその重さを使ってステージに影響を与えることができる。
火は、少し取り扱いが難しい。やや右上方向に爆発的に加速する。直線ではなくて弧を描くような軌道。何かに触れるだけで死ぬ。
操作は十字キー以外使わない。とてもシンプルなので覚えようとしなくても、すぐに慣れてしまう。
予想を超える高難度なステージ
主人公が旅をしていくというストーリー。用意されているステージは16ある。
どのステージもかなり作りこまれており、池や溶岩があったり、触れると即死する毒沼があったりと様々な地形がプレイヤーを待ち構えている。
溶岩にある姿で触れると「溶ける」。死なないのがミソ。右にあるのが毒沼だ。
このゲームが死にやすい理由。それは、プレイヤーは方向を決めることがほとんどできないからだ。特に空中を飛ぶ空気と火になっているときは物に触れると基本的に即死するので少し変形のタイミングを間違えると激突する。初見殺しのオンパレード。
各ステージをクリアすると死亡数が表示される。なかなかの死にゲーだ。
このゲームで楽しく死ねる理由は、やはりその雰囲気に尽きる。死ぬ瞬間に弾ける元素の輝きと太鼓のようなドンッという音は、背景の美しさもBGMのリズムも一切崩さない。
森の中で自分が大自然の一部だと感じることがあるように、死すら雰囲気の中に溶けこんでしまう一体感。ぜひ体験してみてほしい。
[基本情報]
タイトル Element4l
制作者 I-ILLUSION
クリア時間 4~5時間
対応OS Win XP以降(必要スペックは購入ページで要確認)
価格 1008円
ダウンロードはPlayismから
http://www.playism.jp/games/element4l/