「誰でも、どこでもできる」自分の街で Oculus Rift の体験会をー Ocufes in 豊橋レポート

Oculus Rift DK2,VR(バーチャル・リアリティ),イベントレポート

6月1日、愛知県豊橋でVRデバイスOculus Riftの体験会、通称Ocufesが開催された。

Ocufesは、Oculusのソフトの開発者が自分の作品を展示する体験会だ。VRの世界は体験しなければわからない、ということでこれまでも様々な場で開催されてきた。

100万人に Oculus Riftを被せたい~ニコニコ超会議で話題になった超Ocufes にインタビューしてみた – もぐらゲームス

実は僕、Oculusを持っていないんですよ

今回のOcufesの主催者で『VR手筒花火』を展示していたたかね(@takane69)さんの口からはびっくりする話が飛び出した。

実は僕、Oculus持ってないんですよ」。PCでソフトを作って、Oculusは貸してもらったという。「東京、大阪の開発者が注目されがちですけど、豊橋でやるよと言ったら、実は1人で作ってる開発者がひょっこり出てきて掘り出せるんじゃないかと思ったんです。実際に、開催の直前に名乗りを上げて、急遽参加することになった開発者もいましたし、この辺りに住んでいる人たちを中心にこれだけの数の開発者に集まってもらえました。Oculusの体験会は誰でも、どこでもできるイベントだと思います」

そんなたかねさんが豊橋でOcufesを開催したのはなぜか。

豊橋は愛知県南東部に位置する地方都市だ。たかねさんは豊橋在住。3月に大阪で開催されたOcufesに参加して、Oculus Riftに感激した。「自分でも開催できないか」と思ったそうだ。「地方都市にありがちな活気のない豊橋の街。ここでOcufesを開催したら少しでも多くの人が街に出てくるのはないかと。場所も、宣伝に貢献できそう、ということでコワーキングスペースを貸していただきました。自分が出展するコンテンツも豊橋っぽくしたいと思い、手筒花火とちくわを使ってみました」

※『VR手筒花火』

f:id:moguragames:20140608183303j:plain

今回のOcufesの主催者たかねさんが作ったコンテンツ。豊橋の名物である手筒花火の打上げを体験できる。ってことは手筒もVR?いやいや、手筒は本物だ。重い。

f:id:moguragames:20140608183316j:plain

wiiリモコンを先端につないで角度を検知。手筒を伝統的な持ち方で上に構えると、YAMAHAの大きなアンプから鳴る轟音と共に花火が打ち上がる。轟音がポイントで、臨場感満点。

f:id:moguragames:20140608183331j:plain

ドーン

この日、会場となった「コワーキングスペース トライアルビレッジ」の前の歩行者天国では「ぽぷかる歩行者天国」というイベントが開催されていた。普段はシャッターを閉じていることも多いという街がコスプレ姿の若者で溢れかえり、賑わっていた。あえて、こうした大きなイベントの開催に合わせてOcufesを開催することで、色々なお客さんに来てもらえるのではないかという狙いだった。

f:id:moguragames:20140608183351j:plain

歩行者天国のどまんなかのテントではJOBAを使った『Hashilus』の体験コーナー

f:id:moguragames:20140608183412j:plain

来場者数は250名近くにのぼり、会場には、親子連れも多く訪れていた。

豊橋で展示されていたVRコンテンツはこれだ!

今回、展示されていたコンテンツを紹介していこう。(文字数の関係で、全ては紹介しきれていないが、機会があれば気になったゲームをぜひ体験してもらいたい)

『公園彼女』(@minoaimino

f:id:moguragames:20140608183649j:plain

ニコニコ超会議の超Ocufesでも出展されていたコンテンツが豊橋にも登場。ノベルゲームを目指しているという。公園のベンチに座って、うなずいたり首を振って女の子とコミュニケーションが進んでいく。例えば「もう帰る…?」と聞かれて、頷くか首を振るかで女の子が話す内容が変わっていく。YESかNOだけでも自分の行動に反応してくれるだけで可愛さは倍増する。

『見習い空賊と天空の少女』(@udasan_koubou

f:id:moguragames:20140608183700j:plain

こちらも超Ocufesで出展されていたコンテンツ。塔のてっぺんにいる女の子を助けにいくストーリー仕立てになっている。ちゃんと女の子を救出できるように姿勢を変えて屈んだりしなくてはいけないので迫力がある。救出後に女の子からちょっとしたご褒美をもらえるところで、ほっぺたがむず痒くなる。

『電脳フィギュア』(@izm

f:id:moguragames:20140608183715j:plain

ARマーカーとOvrvisionを使って、桜ミクさんを触ったり踊らせたりできる。ミクさんが近い!とにかく近い!そして触れる!マーカーを書かれた板を傾けると転んだりとかなりリアルに出来ている。現実世界にキャラがいてそれに触れることができる感覚はかなりのもの。

参考:OculusRiftを使った電脳フィギュアを作った – izm_11’s blog

『MikuCoro』(@Somelu01

f:id:moguragames:20140608183726j:plain

主婦ゆに!の@Somelu01さんも参戦。頭を傾けてミクさんを転がし、ボードの上の音符を集めていくゲームになんと豊橋仕様でちくわも出現。ちくわは点数が高く、高得点になると桜吹雪とともにちくわが降ってきたり、花火が打ち上がったりと完全に豊橋バージョンになっていた。

『うんコースター』(@ena.wktk

f:id:moguragames:20140608183745j:plain

うん○になって消化器の中を進んでいく。ネーミングがシュールだが、至って真面目な教育系コンテンツ。ただのコースターではなく、速度を自分で調整できるようにしており、各消化器を通る度に音声で解説してくれる。非常にリアルだったし、何より勉強になる。

『マリオっぽいUnityちゃん』(@ta28jp

f:id:moguragames:20140608183757j:plain

マリオブラザーズの世界を3Dにして再現し、Unityちゃんを操作してゴールまで行くゲーム。何より衝撃だったのは開発した@ts28jpさんがノンプログラマーで、まだUnityを触り始めて1ヶ月だということ。「2月の大阪Ocufesで自分も作ってみたくなり、今回は展示側に回ってしまいました。バグを直す作業で前日は全然寝ていないけど、作ってみたソフトを色々な人が楽しんでくれるとその反応が嬉しいです」

『つんつんTuneちゃん』(@kirurobo

f:id:moguragames:20140608183808j:plain

G-Tuneの公式キャラTuneちゃんをつんつんできるAR×VRコンテンツ。電子ペンの先でTuneちゃんを召喚し、ツンツンするとその感覚がペンを伝って感じられる。強くツンツンしすぎると吹っ飛ばしてしまって消えちゃうので気をつけて。

※写真は召喚に失敗してちくわが召喚された図です。

参考:キルロボブログ: つんつんTuneちゃん – 豊橋Ocufes出展

『TuneTuneOppai』(@RyutoSouma
○っぱいマウスパッドを使った変態コンテンツ。
マウスパッドを触る指の動きをLEAPMOTIONでトラックし、Tuneちゃんが反応するというもの。来場した男性の顔を次々とにやけさせていた。

日本各地で体験会を

今回のイベントの感想で、「自分もコンテンツを作ってみたい」という声もあったようだ。
そして、Oculus Riftのイベントに来るたびに思うのは、展示している側(開発者)も体験する側(お客さん)もみんな楽しそうにしているということだ。

Oculus Riftを体験してみたいという声は色々なところで聞く。

確かに体験会は大都市圏で開催されることが多いが、やりたくなった人が開催することもできるイベントだ。前回インタビューをした金魚草(@kingyo_sou)さんも個人で体験会を開催している。

個人で開発することのできるOculusRiftのソフトは持ち寄りやすい。何人か集まったら体験会が実現してしまう。開催したいが、やり方が分からないという人はぜひOcufes公式にコンタクトをとってみたら助けになってくれるだろう。

Oculus Festival in Japan – into VR

これからも日本のどんなところで開催されるのか、楽しみにしたい。

※次回のOcufesは6月24日(火)に東京・六本木での開催が決定している。豊橋で出展されたコンテンツもいくつか出展される。

キラキラ☆六本木OcuFes – Oculus Festival in Japan

VRにまつわるニュース・ソフトの紹介はMoguraVRにて更新中!
http://www.moguravr.com/

  • すんくぼ(@tyranusii

    学生時代、MMORPG「リネージュ」で朝から晩まで飽くことなきレベル上げと戦争に没頭する毎日を送る。本業では廃人卒業後、国家公務員を経て、再びゲームの世界へ。「もぐらゲームス」を立ち上げました。ハマったゲームはライブアライブ、ファイアーエムブレム 聖戦の系譜、デモンズソウルなど。
    個人ブログもやってます:もぐらかペンギンか