終了迫るニンテンドー3DS/Wii U「ニンテンドーeショップ」で優先的な購入をおススメするインディーゲーム10選+おまけ

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2023年3月28日午前9時をもって、ニンテンドー3DSシリーズ(以下、3DS)および、Wii Uのオンラインストア「ニンテンドーeショップ」がサービス終了となる。

3DSとWii Uでは、パッケージの新作ゲームソフトと並行する形でダウンロード専用の新作ゲームソフトも多数発売された。

その中には、個人のクリエイターや小規模なチームによって作られたインディーゲームも存在。3DS、Wii Uの現役当時は、インディーゲームの存在が少しずつ認知され始めていた”黎明期”に当たる。その後のNintendo Switchに比べると、本数は多くなかったが、その分、他のパッケージの新作ゲームソフトとは異なる存在感を放っていた。

そんな当時のインディーゲーム界隈を象徴する作品の多くが3月28日以降、新規に購入できなくなる。

ただ、今回のサービス終了の影響をほとんど受けないインディーゲームもある。一例で3DSとWii Uで発売されたアクションゲーム『ショベルナイト』は、オリジナルたるPC(Steam)版が2023年現在も発売中に加え、Nintendo Switchを始めとする後継のゲーム機でも展開済みとなっている。

なので、今回のサービス終了で遊べなくなることはない。
また、3DSで発売されたRPG『ブレイブダンジョン』のように、オリジナルにはなかった要素を追加したパワーアップ版(ブレイブダンジョン+魔神少女COMBAT)を後継機で出している作品もいくつか存在している。

逆を言えば、そうした対策を取っていないインディーゲームも割とある。また、3DSとWii Uのゲーム機としての特徴をフル活用したインディーゲームのように、今後、移植される可能性が絶望的なものも少なからず存在する。

そんな今後移植されるか不透明で、優先的な購入が推奨されるインディーゲーム10本を本記事ではピックアップした。
一部、他機種版が展開済みのものも含むが、いずれも「3DSとWii U特有の遊びが楽しめる」「唯一の日本語版」という特徴がある。特に前者に関しては今後、3DSとWii Uのような特徴を持つゲーム機が誕生しない限り、(誇張抜きに)二度と遊べなくなる代物だ。

2023年3月28日午前9時まで、多少ながら時間は残っているが、そのカウントダウンは終盤に突入しつつある。終了前までに何か、インディーゲームを購入しておきたいと考えている人に本記事が参考になれば幸いである。

なお、個人・小規模チームではない、企業開発のダウンロードソフトから優先的な購入をお薦めしたい3本も、おまけとして記事末にピックアップした。3本とも筆者の独断と偏見で選んだものとなる。あらかじめご容赦のほどを。

目次

0. 2023年3月現在のダウンロードソフト購入方法について

◇優先購入推奨タイトル:ニンテンドー3DSシリーズ編
1. 『TRUE REMEMBRANCE ~記憶のかけら~』
2. 『ドウクツジマ』
3. 『Back in 199564』(※New3DS・New2DS専用)
4. 『BIT.TRIP SAGA』
5. 『魔神少女 エピソード3 -勇者と愚者-』

◇優先購入推奨タイトル:Wii U編
6. 『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』
7. 『Year Walk 最後の啓示』
8. 『アミーロ・ザ・アルマジロ』
9. 『クニットアンダーグラウンド』

◇優先購入推奨タイトル:3DS/Wii U共通
10. 『6180 the moon』(※New3DS・New2DS専用/Wii U)

◇スペシャルピックアップ
1. 『脱出アドベンチャーシリーズ』
2. 『異史戦国伝 宿業(さだめ)』
3. 『ピンチ50連発!!』

2023年3月現在のダウンロードソフト購入方法について

10タイトルの紹介に入る前に、2023年現在の3DS、Wii Uのダウンロードソフト購入にまつわる注意事項を取り上げておきたい。

基本的に3DS、Wii Uのダウンロードソフトは、それぞれのゲーム機本体に内蔵された「ニンテンドーeショップ」のアプリ、もしくは任天堂公式サイトの各タイトルの商品情報ページを介して購入する形となっている。

各タイトル購入時の支払いは、3DSとWii U本体の「ニンテンドーeショップ」経由なら、本体および「ニンテンドーネットワークID」に登録されている残高から差し引かれる形になる。残高の追加はこれまで、店頭などで販売されている「ニンテンドープリペイドカード」、もしくはクレジットカード、交通系電子マネー(「Suica」など)から行うことができた。

しかし、2022年1月18日をもって、3DSとWii U本体を経由したクレジットカード、交通系電子マネーからの残高追加は終了した。さらに同年8月30日には「ニンテンドープリペイドカード」からも、3DSとWii U本体を経由した残高追加ができなくなっている。

2023年現在、残高を追加する方法はNintendo Switch内蔵の「ニンテンドーeショップ」、もしくは任天堂の公式オンラインストア「My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)」から「ニンテンドープリペイドカード」に記載された番号を記入する形になる。いずれも追加された残高は、Nintendo Switchなどで使用される「ニンテンドーアカウント」に登録される仕組みだ。

つまるところ、3DSとWii Uで用いた「ニンテンドーネットワークID」を現行の「ニンテンドーアカウント」と連携させていれば、残高の追加はこれまでと変わらず行える。逆に連携が完了していないと、追加は一切できないのだ。

前述の通り、3DSとWii Uのゲーム機本体から、直接残高を追加する機能はすべて使えなくなった。よって2023年現在、3DSとWii Uのダウンロードソフトを購入するには、「ニンテンドーアカウント」との連携が必須となる。
仮に3DS、Wii U共に残高がゲーム機本体の情報として登録されていて、「ニンテンドーネットワークID」に登録していないとなれば、「ニンテンドーネットワークID」に登録し、そこからさらに「ニンテンドーアカウント」を作成・連携しなければならない。

非常にややこしいが、ひとまずは2023年3月現在、3DSとWii U本体から直接購入するには(残高を追加するには)、Nintendo Switchなどで使われる「ニンテンドーアカウント」がなくてはならない、とだけ認識しておけばいい。

仮に3DS、Wii Uに残高が残ったままで、「ニンテンドーネットワークID」と「ニンテンドーアカウント」との連携が済んでいないなら、ただちに済ませておくことを推奨する。連携させれば、「ニンテンドーネットワークID」の残高は「ニンテンドーアカウント」へと引き継がれる。もし、「ニンテンドーネットワークID」未作成の場合は面倒だが、そちらを作ってまとめよう。

詳しい手順に関しては、以下の任天堂公式WEBサイトを参照いただきたい。

▼ニンテンドーネットワークIDの登録方法(ニンテンドー3DS)
https://www.nintendo.co.jp/support/nintendo_network/account/3ds.html

▼ニンテンドーアカウントとニンテンドーネットワークIDの残高をまとめる
https://www.nintendo.co.jp/support/switch/eshop/balance_unification.html

▼【ニンテンドーアカウント】作成済みのニンテンドーアカウントに、ニンテンドーネットワークIDを連携させる手順を知りたい。
https://support.nintendo.co.jp/app/answers/detail/a_id/34485

優先購入推奨タイトル:ニンテンドー3DSシリーズ編

購入に関する注意事項はこの辺りにして、本題に入る。
まず、最初にピックアップするのは、ニンテンドー3DSシリーズのインディーゲームである。
とりわけ優先される作品としては、以下の5本になるだろう。

『TRUE REMEMBRANCE ~記憶のかけら~』


(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000009124

悲しい記憶に心を縛られてしまう「セツナ病」の人々が増え続けている世界で、記憶を封じる力を持つ「記憶封士」の主人公「クロメ」と、彼のもとへとやってきた患者の少女「ラ」の交流を描いたビジュアルノベルゲーム。原作は2006年にWindows PC用フリーゲームとして公開された『TRUE REMEMBRANCE』で、それを対戦格闘ゲーム『GUILTY GEAR(ギルティギア)』シリーズで知られるアークシステムワークスがニンテンドー3DS向けにアレンジ移植した作品である。


(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000009124

基本の内容は原作のフリーゲーム版と変わりない。ただ、画面構成は3DSの特徴を踏まえて2画面分割形式に刷新。上画面にキャラクターを始めとするビジュアル、下画面にテキスト全般が表示されるようになっている。また、キャラクターのイラストは台湾のイラストレーターVOFAN氏によって新たに描き起こされたものに変更。さらにクリア後特典で、ディフォルメされたキャラクターたちが織りなす追加シナリオが用意されている。これは原作のフリーゲーム版にもない、3DS版独自のものだ。
細かい所でも音楽全般の一新、キャラクター名の表記変更(原作「黒目」→3DS版「クロメ」)といったアレンジが加えられている。なお、3DSの立体視機能には対応していない。

前半に日常生活を描きつつ、後半に大きな展開と伏線回収で畳みかけてくるストーリーが大きな売り。大体2~3時間ほどで終えられる短編だが、練られた構成と登場キャラクターたちの個性の強さもあり、確かな満足感(読了感)が得られる。原作のフリーゲーム版は現在もダウンロード可能だが、3DS版は前述の追加要素とアレンジによって独自の価値を持つ作品に完成されている。2画面のレイアウト、原作とは異なるイラストと共に楽しめる点でも唯一無二なので、未購入であれば急いで押さえることをお薦めしたい。

[基本情報]
タイトル:『TRUE REMEMBRANCE ~記憶のかけら~』
販売:アークシステムワークス
作者:里美しば
クリア時間:2~3時間(※本編)
価格(税込):¥519

◇購入はこちら
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000009124

『ドウクツジマ』

3DSダウンロードソフト『プチコン3号 SmileBASIC』でゲーム作りにハマった個人開発者のPUSH氏(ぷわっとX)とその御子息が作り上げた、探索型の横スクロールアクションゲーム。大きな海にひっそりと浮かぶ「ドウクツジマ」に眠る秘宝「ダヒヤモンド」を手に入れるため、次世代の勇者「マサヨシ」となって洞窟の探索に挑むという内容。


(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000042595

本編は拠点と洞窟を交互に行き来し、探索を繰り広げていく構成になっている。システム周りも特殊アイテム獲得によるアクションの拡張、それに伴う行動範囲の拡大といった探索型アクションゲームの定番を押さえた仕上がり。ただ、洞窟内には途中経過を記録できるセーブポイントがない。セーブができるのは拠点だけで、探索中に力尽きれば最後にセーブした時点からやり直しになる。なので、どこまで探索を進め、どこで退くかを見極めつつ進めていくのが攻略のカギ。そんな”素潜り感”のあるゲームプレイと、それによって演出されたスリリングなゲームバランスが魅力である。

全体的に高難易度の探索型アクションゲームである『LA-MULANA(ラ・ムラーナ)』シリーズと、その原点『魔城伝説II ガリウスの迷宮』を意識したと思しき部分も見られる。1画面内に収まるよう設計された各フロアはその象徴だ。

ただ、難易度は優しすぎず難しすぎずの塩梅で、過度にプレイヤーを選んだりはしない。クリアに要する時間も2~3時間ほどで気軽に遊べるほか、探索型アクションお馴染みのタイムアタックのやり込みにも対応している。ジャンルの入門編にも最適なので、興味があればぜひプレイいただきたい良作だ。本作の制作に用いられた『プチコン3号 SmileBASIC』も3月28日午前9時に配信終了となるため、セットで買うのも一興である。

[基本情報]
タイトル:『ドウクツジマ』
販売:スマイルブーム
作者:ぷわっとX
クリア時間:2~3時間
価格(税込):¥300

◇購入はこちら
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000042595

◇関連商品『プチコン3号 SmileBASIC』
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000027755

『Back in 199564』(※New3DS・New2DS専用)


(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000045335

怪物がはびこる世界で主人公「ケント」が”過去を清算する”ため、「タワー」を目指すという謎めいたストーリーが展開されるアドベンチャーゲーム。旧3DS(LL、2DS含む)では動作しない『Newニンテンドー3DS/2DS』専用タイトルである。
1995年から発売された3Dアクションアドベンチャーゲームをオマージュした作品でもある。システム周りもラジコン仕様の操作、固定カメラといったものが踏襲されているほか、グラフィックも当時らしいローポリゴンで描写されている。

本作は2016年にSteamでPC(Windows、macOS)版が発売済みで、2023年現在ではNintendo Switchを始め、現行のゲーム機にも展開され、購入して遊べるようになっている。既に「ニンテンドーeショップ」のサービス終了による対策が取られていながら、なぜピックアップしたのか?その理由はこの3DS版でのみタイトルに冠された『64』である。


(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000045335

3DS版には下画面に「仮想ゲーム機」なる独自の仕掛けが追加されており、テレビケーブルの緩み、ROMカートリッジの差し直しといった、1995年当時のゲーム機にあった動作トラブルへの対処に取り組む遊びが楽しめるのである。
これに伴って、ゲーム本編を映し出した上画面にも下画面の状況に応じたエラー現象が起きるように。それを解消するために下画面の仮想ゲーム機をいじったりと、まさに2画面の3DSならではのもどかしさが味わえるようになっている。


(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000045335

基本的な内容はPC版を始めとする他機種版と共通だが、謎多きストーリーと終盤での怒涛の展開、不便な仕様の数々が演出する熱中度の高さなどは色あせない魅力を放っている。その尖りぶりから好みを分ける作風でもあるが、遊べばほぼ確実に何かが残る怪作。3DS版の仕掛けは今後、復活する可能性は極めて怪しいため、未体験であればすぐにでも押さえることを推奨する。

[基本情報]
タイトル:『Back in 199564』
販売:メディアスケープ
開発:ヘッドハイ
クリア時間:2~3時間
価格(税込):¥1,000
備考:Newニンテンドー3DS/2DS専用(※旧3DS/2DSではプレイ不可)

◇購入はこちら
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000045335

『BIT.TRIP SAGA』

「コマンダービデオ」こと「リズム星人」が様々な空間を舞台に活躍するゲーム『BIT.TRIP(ビットトリップ)』シリーズ6作を1本にまとめたコレクションタイトル。収録6作のうち、4作は「Wiiウェア」で過去に単品販売されたことがある。残る2作、シューティングゲームの『BIT.TRIP FATE』、リズムテニスゲームの『BIT.TRIP FLUX』は初の日本語版となる。

6作はすべてゲームジャンルが異なるが、上手に操作するとグラフィックと音楽が豪華になり、逆に失敗すると盛り下がる、ゲームプレイと連動した演出を共通の売りとしている。また、グラフィックはドット感を押し出した作風で、1980年代よりも前のゲームを強く意識している。


(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000014942

特にお薦めは『BIT.TRIP RUNNER』、『BIT.TRIP FATE』。前者はWiiウェアでも発売されたタイトルで、自走するリズム星人を操作し、アイテムを取りつつ、トラップを回避しながらゴールを目指すラン&ジャンプ系のアクションゲーム。単純な内容だが、前述の演出もあってミスなく動けた時の高揚感が格別なものになっている。
後者は日本初登場の作品で、横スクロール型のシューティングゲーム。照準とリズム星人の双方を動かしながら、敵を撃退していくツインスティックスタイルの作りになっている。面白いのがリズム星人の移動範囲がワイヤー上に限定されていること。これにより、ワイヤーがどんな形になるのかを見定めながら、適切な行動を取っていくという戦略的な展開が楽しめる。少し変わったシューティングゲームを求めている人には要注目のゲームだ。

他の4作も少し癖はあるものの、やり込むたびにクセになってくる面白さとやり込み甲斐がある。『BIT.TRIP』は日本では一部シリーズのみ展開されている程度で、本作のような6作まとめられた作品は希少。今後、復刻があっても日本で展開されるかは怪しい節があるので、この機会に押さえておくことをお薦めしたい。

本稿ではピックアップしていないが、Wii Uで発売中の『BIT.TRIP RUNNER』の続編、『Bit Trip Presents… Runner 2 リズム星人の爆走』もセットでの購入を強く推奨する。

[基本情報]
タイトル:『BIT.TRIP SAGA』
販売:アークシステムワークス
開発:Gaijin Games
クリア時間:8~12時間
価格(税込):¥1,569

◇購入はこちら
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000014942

◇関連作品『Bit Trip Presents… Runner 2 リズム星人の爆走』(Wii U)
https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000018507

『魔神少女 エピソード3 -勇者と愚者-』

横スクロールアクションゲーム『魔神少女』シリーズの3作目。同じくニンテンドー3DSで発売された前2作はPC(Steam)とNintendo Switch(※1作目のみ)などにも展開されたが、この3作目は2023年現在も3DS版以外が存在しない唯一の作品となっている。

開発はこれまでと同じINSIDE SYSTEMに加え、セガ 3D復刻プロジェクト』などを代表作とするM2(エムツー)が参加。M2側のディレクターは『レイディアントシルバーガン』、『斑鳩 IKARUGA』などで知られる井内ひろし氏が務めている。


(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000043081

基本の内容は前2作と同じ、横スクロールのステージクリア型アクションゲームで、システム周りもステージセレクト、強化スロットといったものを継承。前作で初めて追加された「キャパシティ」も続投されている。
反面、ボスを倒すと得られる「テクニカルスキル」と強力な魔法「リベンジマジック」が廃止(後者はボス専用に)。さらに「強化スロット」が5つから3つに減少、「マジックアイテム」の所持数が1つに絞られるというように一部仕様も改められ、純粋なアクションゲームへと寄ったゲームデザインに改められている。ステージも広くなり、上下方向のスクロール、中ボス戦といった新たな展開を導入。また、地上と空中で突進攻撃を繰り出す「ロードアタック」が基本アクションのひとつになり、その活用を促す場面もいくつか設けられて、より躍動的な展開が繰り広げられるようになっている。

前2作とは別物感が強く、とりわけ「テクニカルスキル」廃止で攻略法の幅が狭まったのは賛否が分かれやすい。ただ、基本の出来は悪くなく、起伏の増したステージと手ごたえのある難易度で楽しませてくれる。
もしかすると、今後移植される可能性もあるが、前述の通り開発体制が前2作と異なる関係で、読みにくいところがある。不安があるなら、早めに押さえておくのがお薦めだ。

[基本情報]
タイトル:『魔神少女 エピソード3 -勇者と愚者-』
販売:フライハイワークス
開発:INSIDE SYSTEM、M2
クリア時間:3~4時間
価格(税込):¥1,000
備考:立体視対応(※Newニンテンドー3DSでのプレイ時のみ)

◇購入はこちら
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000043081

優先購入推奨タイトル:Wii U編

続いて取り上げるのが、Wii Uで発売されたインディーゲームだ。
優先的に押さえる必要のあるタイトルは、以下の4本になるだろう。

『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』

最初に言っておく。本作は今回ピックアップした10本のインディーゲームの中でも超最優先で押さえるべき作品だ。単純にWii U以外のゲーム機に移植される可能性はゼロに等しい。万が一、移植が実現しても、別のゲームになるのは確実。それほどWii Uというゲーム機の特徴を最大限使い切ったインディーゲームとなっている。

ジャンルとしてはステージクリア型のステルスアクションゲーム。小型宇宙船「スモールクラフト」を操縦しながら、未知の惑星「スペクタクロン」の地を巡りつつ、救難信号の発信を目指すという内容だ。最大の特徴は『Wii Uゲームパッド』をフル活用した操作システム。「エンジン」「着陸機能」といった多彩なデバイス群を『Wii Uゲームパッド』に表示された「コントロールパネル」上から直接タッチし、起動させたり、停止させたりしながら宇宙船を操縦していくユニーク極まりないものになっている。


(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000020173

このようなシステムのため、テレビとパッドの2つの画面を交互に確かめながら進めていく場面も多数。パッド側に意識を向けすぎた結果、テレビ側で罠に引っかかってしまったり、逆にテレビ側に集中しすぎてデバイスのオーバーヒートを見落としてミスしてしまったりと、まさにこの操作システムだからこそ可能な体験が得られるようになっている。ゲームの進行に応じて使えるデバイスも増えていくほか、それと共に常軌を逸した仕掛けが立ちはだかったりと、プレイヤーを退屈させない工夫も満載。プレイヤーの神経を(いい意味で)逆なでする演出満載のストーリーも必見だ。

2023年現在は、任天堂が運営していたSNS「Miiverse」と連動したイベントが体験不能になったという残念な変化も生じているのだが、それでも遊ぶ価値は十二分にある。誇張抜きにWii Uの歴史に名を刻むレベルの力作なので、未プレイなら、すぐにでも事故率0%の安心安全な宇宙旅行に出てみよう!改めて言おう。本作は超最優先で押さえろ!意地でも!這ってでも!

◆紹介記事:「WiiUゲームパッドの真価」を堪能できる『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』は結末まで見てほしいステルスアクション

[基本情報]
タイトル:『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』
販売:レイニーフロッグ
開発:KnapNok Games、Nifflas’ Games
クリア時間:8~9時間
価格(税込):¥1,700

◇購入はこちら
https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000020173

『Year Walk 最後の啓示』

20世紀初頭まで、実際にスウェーデンで行われていたとされる儀式「Year Walk(イヤーウォーク)」を題材にしたホラーアドベンチャーゲーム。プレイヤーは儀式を通して未来の自分を知りたい主人公の青年になって、雪に覆われた村を探索していく。原作は2013年、iOS向けゲームアプリ。その後、PC(Windows、macOS)版が展開され、2015年にWii U版が発売された。Wii U版のローカライズと販売は任天堂が担当している。


(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000016447

舞台となる村のあちこちに仕込まれたパズルを解き、ストーリーを進めていくのが主な流れ。探索パートは青年の目から見た1人称スタイルを採用し、移動要素もあるが、動けるのはほとんど左右に限定されている。
基本のストーリーなどは先行したiOS、PC版と共通だが、Wii U版は『Wii Uゲームパッド』を用いた独自の操作系を採用。物を動かす時に内蔵されたジャイロセンサーを用いたり、タッチペンでメモに手書きで情報を書き込むなど、このデバイスゆえに実現した独特の操作で謎解きを楽しめる。さらにストーリーの演出でも『Wii Uゲームパッド』はフル活用。詳細は実際に遊んでのお楽しみだが、このデバイスならではの”恐怖”を思い知らされるだろう。

難易度はそれほど高くなく、ヒントが充実しているので詰まることはほとんどない。また、日本語ローカライズは任天堂が担当しているだけあって盤石の仕上がりだ。
本作はWii U以外に家庭用ゲーム機版が存在せず、iOS、PC版は日本語に対応していない。さらにWii Uゲームパッドの機能を活かしている関係から、全く同じ作りのものが今後、復刻される可能性はゼロに等しい。
その意味では、本作も確保の優先順位は高い。ホラーゆえに人を選ぶところもあるが、Wii Uをお持ちでこの操作と演出を体験していないならぜひ。

[基本情報]
タイトル:『Year Walk 最後の啓示』
販売:任天堂
開発:Simogo
クリア時間:2~2時間半
価格(税込):815円

◇購入はこちら
https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000016447

『アミーロ・ザ・アルマジロ』

パラレルワールドより飛来した「ダークボット一味」に誘拐された兄を助けるため、アルマジロの主人公「アミーロ」が宇宙をまたにかけた大冒険を繰り広げる3Dアクションゲーム。ステージクリア型で、アミーロを操作して様々な敵や仕掛けを突破しながら、ゴールへの到達を目指すという流れで本編が進行する。

3Dアクションを名乗っているが、視点は上空から見下ろした感じの俯瞰型(トップビュー)。地形も球体状で、スクロールもアミーロの動きに合わせて地形が回りながら動くという既視感のあるものになっている。アクション周りも主人公がアルマジロであるのにちなんで、回転しながらの高速移動を得意としていたりと、見た目を裏切らない個性付けが図られている。


(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000010086

全体的に突き抜けた独自性はないものの、ステージ構成と難易度、操作感といった基本部分の出来が盤石で、安心して楽しめるアクションゲームに仕上げられている。特にステージは総数こそ少ないが、個性付けが徹底されていて、固有の仕掛けや敵が決まって登場しては、プレイヤーを悩ませてくるので退屈することがない。また、意外なところではストーリーもプレイヤーを強烈にひきつける。具体的には触れないが、中盤以降の”まさかの展開”には、ほぼ確実にくぎ付けになってしまうだろう。

ステージ内に隠されたアイテムの回収、「虚数空間ステージ」なる横スクロールの特別なステージの攻略など、やり込み要素も豊富。可愛い世界観とは裏腹に音楽もカッコイイ楽曲が揃っていて、とりわけチップチューンで統一された「虚数空間ステージ」はどれも要チェックだ。実は2020年7月から、PC(Steam)版がフリーゲームとして配信中なのだが、日本語には対応していない。今後、アップデートでPC版に追加される可能性も考えられるが、実現するか不安なら、Wii U版の確保をお薦めする。

[基本情報]
タイトル:『アミーロ・ザ・アルマジロ』
販売:フライハイワークス
開発:Fuzzy Wuzzy Games
クリア時間:4~5時間
価格(税込):¥800

◇購入はこちら
https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000010086

『クニットアンダーグラウンド』

超が付くほど広大な地下空間を探索していく「地底探索摩訶不思議アクションゲーム」。スウェーデンの個人開発者で、前述の『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』にも携わったニクラス・ニグレン氏の代表作『Knytt』シリーズの3作目になる。ただ、作品としては独立しているため、前2作を遊んでいなくても問題なく楽しめる。


(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000009031

公式ジャンル名が仰々しいが、要は探索型のアクションゲームである。ただ、戦闘要素はなく、謎解きと探索に振り切ったゲームデザインになっている。また、本編は章仕立てのストーリーに沿って進むが、第1章と第2章は遊び方やゲームの世界観の紹介に焦点を当てたプロローグ。本番は第3章からで、世界を崩壊の危機から救うため、6つの鐘を探し出して鳴らす冒険をこなしていくことになる。
特徴は誇張抜きに超が付くほど広大なマップ。全容を暴くだけでも20時間以上を要する密度となっている。それでいて探索周りに冗長さはなく、多彩な仕掛けとそれによって構築されたアスレチックエリアで、程よくプレイヤーに刺激を提供する。アクション周りの難易度も意外に歯ごたえあり。移動とジャンプ、壁への張り付き(&よじ登り)と数は少ないが、人間とボールの異なる形態を使い分け、そのジャンプ力を見計らって困難を乗り越える展開の数々には侮りがたいスリルと快感を覚えること請け合いである。

様々なテーマが込められたストーリーと世界観の完成度も高く、日本語翻訳もその特色を逃さないものにまとめられている。PC(Steam)でも販売中なのだが、日本語には未対応で、さらにWii U版には「Wii Uゲームパッド」に常時、マップ画面を表示させたまま探索を楽しめる売りがある。実は結構な長編なのだが、探索型アクションゲームと雰囲気を味わう作品が好きな人なら要チェックの1本だ。

[基本情報]
タイトル:『クニットアンダーグラウンド』
販売:フライハイワークス
開発:Nifflas’ Games
クリア時間:15~25時間
価格(税込):¥1,200

◇購入はこちら
https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000009031

優先購入推奨タイトル:3DS/Wii U共通

さらに3DSとWii Uの2つで発売されたインディーゲームを1本ピックアップする。

『6180 the moon』(※New3DS・New2DS専用/Wii U)

突然姿を消してしまった「太陽」を探すため、主人公の「月」が太陽系の惑星を冒険していく横スクロールのステージクリア型アクションゲーム。基本動作は移動とジャンプのみで、アクションゲームとしては非常にシンプルな作り。特徴としては全ステージの上下が連動した設計になっていて、上に大ジャンプすれば下から月が現れ、下に落ちれば上から月が落ちてくる仕組みになっている。この特徴を踏まえながら、様々な仕掛けに富んだステージを攻略していくのが醍醐味となっている。

実のところ、PC(Steam)版のほか、Xbox One、Nintendo Switch版も発売中のサービス終了に伴う影響を受けないタイトルでもある。だが、3DSとWii U版には他機種版が真似できない大きな強みがある。それが2画面。本作の特徴でもある上下に連動したステージが、3DSとWii Uのゲーム機としての独自性により、ユニークな展開と開放感を生み出すのだ。

特に画面がそれぞれ分離した状態でのプレイが基本となるWii U版は、距離のあるテレビを見て、時に手元のゲームパッドの画面を見るという目を積極的に動かすことも求められる、大変個性的な遊びが楽しめる。距離の取り方によっては、目の運動として応用することもできる……かどうかは実際にプレイしてのお楽しみである。3DS版は上と下とで繋がっていることから、連動したステージが自然に表現されているほか、この表現ならではのアレンジが加えられている見所もある。


(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000022868

そうした特徴から、2つとも押さえておく価値がある作品。3DSとWii U版の特徴を除いた単体のゲームとしても、シンプルながらも連動ステージによって演出される意外性のある展開と多彩な仕掛け、絵本のような温かみのあるストーリーといった見所がある。既に他機種版でプレイ済みの人もいるかもしれないが、もし、こちらのバージョンは未プレイであるなら、ぜひ3DSとWii Uならではの独特の表現を確かめていただきたい。なお、3DS版は『Newニンテンドー3DS/2DS』専用のため、旧3DSではプレイ不可能なのでご注意を。

[基本情報]
タイトル:『6180 the moon』
販売:レイニーフロッグ
開発:Turtle Cream
クリア時間:2~4時間
価格(税込):¥400

◇購入はこちら(Wii U)
https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000022868

◇購入はこちら(New3DS/2DS)
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000042369

スペシャルピックアップ

最後におまけで、筆者の独断と偏見で選んだ企業開発によるダウンロードソフトのおすすめ3本をピックアップする。すべてニンテンドー3DSタイトルとなる。

『脱出アドベンチャーシリーズ』

好奇心旺盛な女子高生「時野 若留(ときの わかる)」とその友人たちが、オカルトや怪談にまつわる様々な謎に挑んでいくストーリーを描く、脱出ゲーム+アドベンチャーゲーム。ストーリーを読み進める「アドベンチャーパート」、謎を解いたり、閉じ込められた場所からの脱出を目指す「探索パート」の2つで構成された本編が特徴。また「探索パート」では、若留が持つ万能時計「クロノテクト」を用い、対象となるアイテムや仕掛けを分解・修理しながら活路を見出すパズルも用意されている。


▲『脱出アドベンチャー 呪いの数列』
(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000032555

2012年8月発売の『旧校舎の少女』から、2016年発売の『第七の予言』まで8作に渡って展開された、3DSダウンロードソフトの人気タイトルのひとつ。ストーリーは連作形式で、『旧校舎の少女』から『終焉の黒い霧』までの5作が第1シリーズ、『呪いの数列』から『第七の予言』の3作が第2シリーズと位置付けられている。キャラクターデザインは『魔導物語』、『ぷよぷよ』(初期シリーズ)などで知られる壱氏が担当。第3作『悪夢の死神列車』では、ライトノベル「神楽坂愛里の実験ノート」などの挿絵を代表作とするフカヒレ氏が担当している。そのため、この作品だけ外伝っぽさがにじみ出ているが、紛うことなき本編である。遊べばその理由が分かる。


▲『脱出アドベンチャー 魔女の住む館』
(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000012775

今回の「ニンテンドーeショップ」終了の中でも購入できなくなるのが最も惜しまれる作品だろう。手ごたえのある謎解きとパズル、謎が謎を呼ぶストーリーと個性の強いキャラクターたちは、今なお色あせぬ魅力がある。シリーズを重ねるたびに豪華になっていくイベントも見所で、特に『シアワセの赤い石』以降のアドベンチャーゲームの枠を超えた体験の数々は必見だ。
残念ながら移植の機運はなく、消えゆく運命のようだが、もし、まだ1作も遊んだことがないならこの機会に『旧校舎の少女』からプレイし、好奇心を刺激する謎解きとパズル、ストーリーを味わっていただきたい。

[基本情報]
タイトル:『脱出アドベンチャーシリーズ』
販売:アークシステムワークス
開発:インテンス
クリア時間:平均4~8時間(※各作品)
価格(税込):※各作品の商品ページ参照
公式ポータルサイト:https://www.arcsystemworks.jp/mnd_p/

◇購入はこちら(第1シリーズ)
・旧校舎の少女
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000011366
・魔女の住む館
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000012775
・悪夢の死神列車
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000018313
・シアワセの赤い石
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000021653
・終焉の黒い霧
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000024876

◇購入はこちら(第2シリーズ)
・呪いの数列
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000032555
・神降しの占い盤
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000038816
・第七の予言
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000041380

『異史戦国伝 宿業(さだめ)』

応仁の乱(1467年~1477年)から百余年後の戦国時代を舞台にしたアクションRPG。章ごとに用意された戦場を順に攻略していく、ステージクリア形式を採用した内容となっている。プレイヤーは4つある職業の中から1つを選択。妖怪を始めとする化け物たちを狩り、装備を充実させたり、能力を強化させたりしながら果てなき戦いを繰り広げていく。


(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000028635

ステージクリア形式での進行を始め、全体的に90年代初頭にありそうな懐かしい手触りのアクションRPGになっているのが特徴。操作も簡単で、各ステージの最終的な目的もボスを倒すことに絞り切っているため、気軽に遊べる。
ただ、キャラクターの育成周りは強化ステータスが膨大で、見た瞬間、(冗談抜きに)ドン引きしてしまうほど複雑。逆を言えば、数が膨大なだけにプレイヤー好みの性能を持ったキャラクターが作れる魅力があり、非常にやり込み甲斐がある。
装備品も基本的にはステージ中に敵を倒したり、宝箱を開けて回収する形となるが、ランダム仕様ゆえに何が手に入るのかは分からず。加えてレア度も設定されているので、よりよい装備を求めるなら相当な時間を費やす必要が出てくる。

そんな入口は広いが、極めようとすると何時間必要か分からなくなる程度に出口が行方不明という極端さが色んな意味で強い印象を残す作品。細部まで描き込まれたグラフィックといった映像周りの完成度も高い。「すれちがい通信」にも対応していて、他のプレイヤーが育てたキャラクターを相棒こと「余力」として扱えるユニークな救済措置もある。

いわゆる”ハック&スラッシュ”系の作品が好きな人なら必見の1本。ステージクリア型ゆえ、空き時間にちょっとだけ遊ぶスタイルにも対応しているので、そうしたゲームをお探しの人にもお薦めだ。なお、4つの職業のうち「武士(サムライ)」以外の3つは有料ダウンロードコンテンツ(DLC)で、別途購入が必須になる。あらかじめご注意を。

[基本情報]
タイトル:『異史戦国伝 宿業(さだめ)』
販売:オーイズミ・アミュージオ
開発:メビウス
クリア時間:5~6時間半(※エンディングまで)
価格(税込):¥800(※追加コンテンツ3種:各500円)

◇購入はこちら
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000028635

『ピンチ50連発!!』

その名の通りのピンチが50連発で襲いかかってくるゲーム。公式ジャンル名は「シネマティックピンチ切り抜けアクション」。謎の島に不時着したトレジャーハンターになり、地続きで構成されたステージを進んでいくという内容だ。最終的に島からの脱出に成功すればエンディングとなる。操作は十字キー、ABボタンを中心に使用。走る、ジャンプする、泳ぐ、登るといった単純なアクションを駆使し、ピンチ尽くしの局面を超えていくのが醍醐味となっている。当然、ピンチに巻き込まれれば即刻ミスである。


(引用元:https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000025818

ゲームデザインの方向性としては、2011年に発売された『LIMBO』に若干近い。地続き構成のステージ、1ミスのルールはほとんどそれである。ただ、作風は完全にギャグで、シリアス成分は皆無。襲い来るピンチも「そんなのアリか!」と言いたくなるものばかりになっている。それでいて、アクションゲームとしてはガチガチ。安易な力押しは一切通用しない硬派な難易度でまとめられている。それだけに無事、ピンチを切り抜けられた時の達成感も相応。また、一部隠しアクションもあって、何度かプレイを重ねると、それを活用した高度な立ち回りが可能になるという、やり込み意欲を刺激する仕掛けも凝らされている。

50連発のピンチが襲い来るとは言え、クリアに要する時間はじっくり進めても2時間ほどと短い。ただ、ツッコミどころ満載のピンチの数々、手ごわくも適切に調整された難易度、そして無駄に壮大なオーケストラサウンドと共に紡がれるエンディングで謎めいた感動を提供するアクションゲームに完成されている。短編とは言え、高難易度ゆえに人を選ぶところもあるが、アクションゲーム、ギャグ系の作品が好きなら存分に絶体絶命の危機を味わっていただきたい小粒な良作。挑めば最後。もうピンチからは逃れられない……。

[基本情報]
タイトル:『ピンチ50連発!!』
販売・開発:ゲームスタジオ
クリア時間:2~2時間半
価格(税込):¥500

◇購入はこちら
https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000025818

以上、他にもおまけとして『ポケットモンスター』シリーズで知られるゲームフリークが開発した中毒性抜群のソリティア競馬ゲームソリティ馬、謎の生物「タコりん」の冒険を描いた放置型育成ゲームおでかけタコりん ちょいがえ、そしてローグライク入門編に最適な不思議の国のラビリンスの3本も取り上げたかったが、割愛する。

繰り返しになるが、3DSとWii Uの「ニンテンドーeショップ」と、双方のゲーム機で販売されたダウンロードソフトの販売は3月28日午前9時をもって終了。また、時期不明だが、購入済みソフト、追加コンテンツの再ダウンロードも将来的に終了することが予告されている。

後のNintendo Switchでインディーゲームが隆盛を極める前に展開された、黎明期とも称せる時代に誕生した作品たち。ぜひ、この機会にまだ遊んでいなかったタイトルを購入して、3月28日を後悔ないように迎えよう。

  • シェループ(@shelloop

    様々なゲームに手を伸ばしたがる人。2D、3Dのアクションと手強めの戦略シミュレーションを与えると喜びます。

    Webサイト:box sentence