もはや家庭用ゲームと同クオリティ。衝撃と興奮のスマホアクションゲーム『インプロージョン』
スマートフォン自体の性能向上に伴い、遊べるゲームのグラフィックやエフェクトも進化を続けている。
今回紹介する『インプロージョン』は、台湾のインディゲームデベロッパーRayerkが4月9日に公開したばかりのスマホ向け2.5Dアクションゲームだ。もはやスマホのゲームとは思えない、超本格的なスタイリッシュ・アクションゲームだ。
筆者は、スマートフォンのアクションゲームと聴くと、動きがもっさりとしていたり、敵の数が少なかったりしていることも多く、本格的にスタイリッシュなアクションゲームを遊ぶならやはり家庭用かPCだろうと高を括っていた。だが、その気持ちは見事にいい意味で裏切られることになる。
このゲームはガチだ。値段も1,200円と売り切りのスマホゲームとしては高めに強気の値段で設定されている。しかし、スマホで操作するアクションゲームがここまで洗練されたものに仕上がっていることに、度肝を抜かれてしまった。かつて、家庭用ゲーム機でプレイした『デビルメイクライ』シリーズや『ベヨネッタ』シリーズをプレイしたときと同じ、敵をバサバサとなぎ倒していく爽快なアクションゲームに仕上がっていたのだ。
とにもかくにもカッコイイ
まずは、オープニングムービーを見ていただきたい。
まるでSF映画の予告編のようなこのクオリティである。カッコイイ
このオープニングムービーはゲームの発売前にも公開されていたが、ゲームをダウンロードして起動すると同じものが流れてタイトル画面が表示される。
本作の舞台は、異星人の襲来を受けてから20年が経過した地球。異星人襲来時に宇宙に逃げて生き延びていた人類が、隠れていた星から地球に戻ってきたという設定だ。主人公のジェイクはそんな生き残りの一人。宇宙船にいるジェイクと地球に降下させたバトルスーツは神経接続されており、ジェイクはバトルスーツ「アヴァロン」になりきって、廃墟となった地球の捜索を開始するが地球では…。というストーリー。
自分ではないバトルスーツに憑依し自分の分身のように動かすというこの設定も、厨二病、いやSF心をくすぐってたまらない。
なお、本作品では、アクションゲーム部分以外のストーリーを描くシーンは漫画のようなカット絵で表現される。PSP向け『メタルギア・ソリッド ピースウォーカー』を彷彿とさせる、味わい深い絵だ。
爽快感を徹底したスタイリッシュ・アクション
ゲームは、5~10分程度でクリアできるミッションを順番に進んでいくという流れ。一度クリアしたミッションも何度も繰り返すことができる。8ミッションでチャプターとしてまとまっており、ストーリーが大きく展開する。
肝心のアクションだが、左指をグリグリ動かして移動。右指は表示されているボタンをタップして攻撃やスキルを起動する。とはいえ、遠距離攻撃もあったり、コンボの派生が豊富だ。
キャラの動きはサクサクしすぎるほど。非常に速くめまぐるしく動く。また方向キーの入力やタイミングの違いで強力な攻撃に派生したりと、コンボの幅がとにかく広い。スキルも複数種類ある中から、いくつかを選択して使うことになるが、直線攻撃をするものや自分の周囲の敵の動きを遅くするものなど様々。まさにスタイリッシュ!
連続して攻撃すると表示されるHit数が増えていくのが気持ち良い。とにかく攻撃はド派手で高速だ。
コンボ中に左指(方向キー)を滑らせることで、コンボが変化していく。斬撃から一瞬間を置いて攻撃すると威力の高い「重撃」に派生する
スキルは、装備に応じて変化する(左下)。装備としての強さとスキルのバランスが難しい。
遠距離武器は、初期装備の銃以外にも、ロケットランチャーや電撃銃、SSのように設置型の攻撃ができるものも。
難易度も結構ガチ。やりこみ要素も
さて、ここまで本作のカッコよさを伝えてきたが、難易度についても触れておきたい。本作の難易度はそこそこ高い。無双シリーズのように敵をなぎ倒すことだけが重視されているのではなく、やりごたえのあるアクションに仕上がっている。各ミッションに登場する敵キャラは中盤以降は中ボスのみならず、ザコ敵でもそこそこの強さだ。そして、各チャプターの最終ミッションに待ち受けている巨大なボスはかなり強い。筆者の体感だと、まさにイントロで比較した『デビルメイクライ』シリーズや『ベヨネッタ』より難しい。とはいえ、『NINJA GAIDEN』シリーズほどの難しさはなく、アクションゲームが得意な人にとっては普通レベルではないだろうか。
なお、回数制限はあるものの、死んだらその場でコンティニューも可能だ。
中ボスクラスの敵は、RXシールドと呼ばれるシールドを展開しているので倒しにくく、厄介だ。
中盤以降は、備わっているシールドもすぐにきれてしまう。ガン攻めではなく、的確なタイミングでの回避が重要になってくる。
8ミッションでストーリーが展開する1チャプターとなっており、各チャプターの最後には巨大なボスとの戦いが待ち受けている。
行き詰まってしまったら、レベルを上げることをオススメしたい。レベルが上がるとより強力な装備を使えるようになるため、一気に楽になるからだ。
装備は「ARK」と呼ばれるパーツ(右に表示されている7種類のアイコンをつけかえていく。レベル制限が厳しい。
また、本作はボリュームもそれなりにある。各ミッションはEASYモードだけでなく、HARDモードが遊べるようになっているほか、特殊な条件を満たすと手に入るバッジによって、様々なアイテムがもらえる。
もう一つのバトルスーツ「クリムゾン」はバッジを集めていくと手に入る。バッジは42個必要だが、各ミッション2~5個しか手に入らない。HARDモードでしか手に入らないバッジもあるため、少し長い道のりだ。
本作を開発したのは、台湾のインディ・ゲームデベロッパーRayerkだ。これまではスマホ向けに『Deemo』、『Cytus』といった超人気の音楽ゲームを開発していた。今回の『インプロージョン』は3年の開発期間を経てついに公開された意欲作だ。それだけガチなのも頷ける出来栄えだ。
幻想的な雰囲気と、国内外のアーティストとコラボした楽曲が人気の『Deemo』
この『インプロージョン』は、遠距離攻撃が操作しにくい部分があるなど、やや課題もあるが、家庭用ゲーム機で遊ぶようなゲームがスマホで遊べてしまうということがとにかく衝撃な1作だった。どこでもスタイリッシュ・アクションが楽しめる本作、1200円という金額に見合うガチな出来だ。ぜひオススメしたい。
[基本情報]
タイトル インプロージョン(日本語対応)
制作者 Rayerk
クリア時間 最低でも1時間くらい
対応OS iOS
価格 1,200円
購入・ダウンロードはこちらから