ゲーマーこそ遊ぶべき。工夫と攻略の楽しさを味わえる放置ゲー『オジナユタ』

スマホゲーム,放置ゲーム

オジナユタ
 
「放置型ゲーム」というジャンルがある。2011年に大ブームとなった『おさわり探偵 なめこ栽培キット』が火付け役であろう。また2013年には、壮大な数字のインフレを楽しめる『クッキークリッカー』が流行した。

この2作品を起点として次々と類似作が作られていき、いつのまにか「放置系ゲーム」がジャンルとして定着した。後続作品の中にも新しいチャレンジのあるタイトルが多くあり、現在も進化を続けているジャンルだ。

今回紹介するiOS用ゲーム『オジナユタ』は、そんな放置ゲームに一石を投じる、新しいタイプの放置ゲームだ。その特徴や面白さについて語らせて頂きたい。

数値を上げてゴリ押すだけのゲームではない

基本的なゲームの流れは単純明快だ。フィールド上に敵がいる。プレイヤーがユニットを配置すると自動的に敵と戦い始める。敵を倒すとエネルギーが生まれるので、指でなぞって回収する。エネルギーを溜めてユニットを購入&強化しつつ、ステージを進んでいく。

オジナユタ
 
オジナユタ
 
ユニットはエネルギーが尽きるまで繰り返し戦い続けるので、ユニットを配置したらあとは放置しておけば自動的に戦ってくれる。ときおりエネルギーを回収してユニットの活動エネルギーを確保してやる必要はあるが、それ以外は放置するだけで大丈夫だ。連打する必要もない。

他の放置型ゲームと同じく、放置して稼ぎ、ユニットを強化して強敵を突破するのが基本的な流れではある。しかし、『オジナユタ』はレベルを上げてステータスでゴリ押しするだけのゲームでは決してない。

高層ビルのように立ちはだかるボスをどう攻略する?

多くのゲームでは定期的にボスが登場し、プレイヤーの前に立ちはだかる。イメージとしては「階段を1段ずつ登っていたら壁があるので、何らかの努力でヨッコイショと乗り越える」といった感覚だろう。適度なメリハリを生み、ゲームをより楽しくする存在だ。

が、『オジナユタ』のボスはそれらとは一線を画する。「階段を1段ずつ登っていたら目の前に60階建ての超高層ビルがそびえ立っている」ようなイメージだ。(※筆者の個人的な感想です) 実際、筆者はステージ50のボスで大きな絶望を味わった。しっかり攻撃は当たっているのに1割すら削れず、一方でこちらは一撃でやられてしまう。

このゲームには追加課金要素は存在しないため、お金の力で解決することはできない。地道に稼いでステータスで押して突破することも不可能ではないだろうが、それには途方もない時間がかかるだろう。そこで、「どうすれば撃破できるか、攻略法を考える」ターンの開始だ。

地道に稼ぐのはもちろん必要だ。しかしそれだけではない。近接型・射撃型・防御型・サポート型など様々に特徴がある手持ちのユニットを眺めながら、「どうすればダメージを最大化できるか?」「敵の攻撃はどうやって受けるべきか?」「少数精鋭か人海戦術か?」などを考えつつ、「誰を重点的に育てるべきか?」を決定する。「ボスを撃破する計画を考える」という「攻略」の楽しさがここにある。

また、筆者がプレイしていて、「一見全く使えないと思っていたユニットが、後々になってかなり有用だと気づく」という事が何度かあった。攻撃用ではなく防御用として使ってみると輝くユニットや、レベルを上げていくと輝き出すユニット、他ユニットとの組み合わせで真価を発揮する場合もある。

筆者がこれまで使いづらいと感じていた「威力は高いが、ショットが単発で弾速も遅いユニット」がある。

オジナユタ

こいつに「同時発射数を増やす」サポートユニットを取り付けてみた。ショットが横に3つ並んで発射されるようになり、かなり当てやすくなった。また、「連射数を増やす」ユニットも追加してみた。3つ並んだショットを3連射するようになった。

オジナユタ
 
つまり1回の攻撃力が3×3=9倍に跳ね上がったいうことだ。「これなら硬いボスも削れるかも!」攻略の糸口が見えた気がした。このユニットを重点的に強化してみることにした。

「起動したまま置いておき適宜観察する」という新しいスタイルの放置

放置型ゲームの多くは「アプリを終了させて放置し、ある程度時間が経過したら起動する」という遊び方が基本だ。

が、『オジナユタ』の放置は「アプリを起動させっぱなしで置いておく」が前提となっている。(※設定で「自動ロック」をOFFにする必要アリ)起動しっぱなしだとバッテリーは食うし、起動させっぱなしだと他のアプリも使えず不便だが、その必然性があり、だからこその面白さがある。

『オジナユタ』では、ユニットが撃破されるとエネルギーを一定量失ってしまう。また、全滅してしまうと前のステージに戻されてしまう。かといって弱い敵を倒しても得られるエネルギー量は少ない。さらに、ユニットは攻撃の際にもエネルギーを消費するため、燃費の悪いユニットで稼ぎを行わせると収支がマイナスになってしまう事もある。

このため、エネルギー稼ぎも一筋縄ではいかない。「十分に獲得エネルギー量が高い相手に対して、ミスせず確実に勝てる燃費の良いユニット構成を考える」必要があるのだ。稼ぎ作業にも「効率の良い稼ぎを考える」という「攻略」の楽しさがあるというわけだ。

オジナユタ
 
稼ぎ用のユニット構成を考えて試しに少し回してみる。スムーズに倒せていないようであれば前のステージでの周回に変えてみる。簡単に倒せすぎているのならユニットを1体減らしてコストを削減してみる。テストと改良を繰り返して効率を上げていく。

稼ぎの準備に手間がかかるが、一度構成が固まったらあとはほぼ見ているだけでオーケーだ。滞りなく仕事を続けるユニットたちをぼーっと眺めつつ悦に入る。とても心地が良い瞬間だ。

買い切り型だからこその強い達成感

このような感じで、「ボスを撃破するための工夫」「稼ぎの効率化のための工夫」を頑張った筆者は、ステージ50のボスを撃破することができた。倒した瞬間、あまりの嬉しさに思わず「…っしゃ!」と声が漏れてしまったくらいだ。

オジナユタ
 
このゲームはボスが異常に強いが、ボスを乗り越えられた後のステージで得られるエネルギーの量も文字通り「桁違い」だ。今まで何時間もかけて稼いでいた量を一瞬で稼げるようになるのだ。努力の成果が実った「収穫期」。お気に入りのユニットの「鍛錬」ボタンを連打しまくる快感を是非味わって頂きたい。

『オジナユタ』は追加課金要素のない、買い切り型のアプリだ。攻略に詰まっても己の工夫で突破するしかない。しかしだからこその達成感がそこにある。余計な演出はなく、広告も一切ナシ。攻略に没頭できる、まさに「ゲーマーのための放置ゲーム」だ。

ちなみに筆者は今、ステージ60のボスでさらなる絶望を感じている所だ…。

[基本情報]
タイトル: 『オジナユタ』
制作者: ELECTROBOT’S(@ELECTROBOTS2013
対応OS: iOS
価格: 240円(無料体験できるLite版あり)

ダウンロードはこちらから
オジナユタLite

オジナユタ

  • ニカイドウレンジ(@R_Nikaido

    Twitterでゲームのこと語ってたら人生が変わった人。Twitterやってただけで文章力と思考力が身について、Twitterやってただけでライターやゲーム制作の仕事を頂きました。個人でゲームも作ってます。詳しいプロフィールや活動内容はプロフィールサイト