「プレイステーション・アワード2016」受賞作のインディゲーム5選が発表

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ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、プレイステーション用タイトルの中から選ばれたヒット作品を表彰する祭典「PlayStation Awards」を12月13日(火) 17:00より開催している。本アワードは、1995年に始まり、今年で22回目の開催となるとのこと。

アワードの賞には、インディゲームを表彰する「インディーズ特別賞」も設置されている。今回、その5タイトルが発表されたので、紹介したい。

Downwell

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『Downwell』は、タイトルのとおり井戸を下っていく下スクロール型のアクションゲームだ。制作者は、現在インディーゲーム制作者として活動しているもっぴん氏。ゲームの特徴としては、「下方向に進むゲームである」という点と「真下にショットを撃つ武器・ガンブーツの存在」という2点だ

操作は、左右ボタンで移動、ジャンプボタンでジャンプ。そして、ジャンプ中に再度ジャンプボタンを押すと、主人公が履いている「ガンブーツ」で、ホバリングしながら真下にショットを撃つことができる。ガンブーツで落下速度を制御しつつ敵を蹴散らし、井戸の中を下へ下へと降りていくゲームだ。

ガンブーツには弾数の概念があり、一回のジャンプで撃てる回数に制限がある。着地することでリロードできるので、残弾数に気をつけつつ、こまめに着地しながら進めていくのが基本となるだろう。しかし、着地せずに敵を連続で倒すことで報酬が得られる「コンボ」のシステムがある。リロードは敵を踏んだ際にも行われるため、ショットで落下を制御しつつ、敵を次々と踏みながら降りていくことで着地せずに敵を倒していくことが可能だ。非常にテクニカルで最初は難しいが、コンボを上手く決められたときのスピード感と達成感はぜひ体験して頂きたい。

パワーアップアイテムを選んで強化していく要素や、ジェムを集めて買い物をする要素はあるが、ゲームをやり直すたびにリセットされる「ローグライク系」の仕組みとなっている(マップも自動生成だ)。蓄積によってオマケ要素がアンロックされるが、長くプレイしたからといってだんだんゲームが有利になっていく仕組みはない。自分の腕が全ての、純粋なアクションゲームだ。

Goat Simulator

公開時に大きな話題となった、既に体験しているユーザーも多いと思われる、愛すべき名作バカゲー。そのバカゲーっぷりは開発者も「こいつを買うための10ドルでレンガの山でも買った方がいいよ!」というジョークを飛ばすほど。

しかしバカゲーの類と侮るなかれ、本作はの『ヤギを操作する物理シミュレーションゲーム』としても手が込んでいる。不死身のヤギを操り、ゲーム内世界でただただ破壊と暴走の限りを尽くすのだ。オブジェクトを破壊したり人をふっ飛ばしたり、ジェットパックででたらめに空へ打ち上げられたりするのは案外爽快なもので、気がつくと大量に並んだ店の商品や建設資材を頭突きでなぎ倒していくような楽しみが味わえる。

また条件を満たすとUFOに連れ去られたり、人間を生贄に捧げることで悪魔の力を手に入れたり、ガケから岩を落としてバーベキュー会場を吹き飛ばしたり、ヤギの宮殿を訪れたり……と遊び心には事欠かない。現在ではプレイ済みという方も多いだろうが、未プレイの方は今回を機会に遊んでみてはいかがだろうか。

東方紅輝心

本作は、同人ゲーム制作サークル「あんかけスパ」の制作した作品。上海アリス幻樂団様の東方Projectを原作とする二次創作同人ゲームとなる。 プレイヤーは吸血鬼のレミリアとメイドの咲夜の2人のどちらかを選択し、3DCGのフィールドを駆け回り、ステージを踏破していく。 美しいグラフィックや成長システムなどを楽しむことができる。

ロケットリーグ

『ロケットリーグ』は海外でも人気の作品であり、レースゲームとサッカーゲームが融合したスポーツ風ゲームとなる。

ゲームシステムとしては、プレイヤーはロケットカーを操作して、ブーストを使ったダッシュやジャンプを駆使しながらボールにアタック。相手チームのゴールにボールを叩き込むことで点数が加算される。より多く得点を獲得したチームが勝利だ。

サッカーに近いルールだが、パスやシュートといった操作やオフサイドやファウルといった禁則事項は存在せず、クルマを動かしてボールに体当たりしていく直感的な操作となる。初心者から上級者まで楽しめる作品だ。

Salt and Sanctuary

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『ソルト アンド サンクチュアリ』は、Ska Studioの制作による2DアクションRPGのインディゲーム。

乗っていた船が難破し、どこかの島に流れ着いた主人公。島は霧に包まれており、死体がうろついている。そして崩れそうな建築物の下には、悪魔の領域へと至る地下道が続いている…。さまざまなアイテムなどを収集して攻略していくことがポイントとなる作品だ。

以上、5作品が受賞作品となる。今回はじめて知ったゲームがある人は、遊んでみてはいかがだろうか。

  • poroLogue(@poroLogue

    もぐらゲームス編集長。大学在学中にフリーゲームをテーマとした論文を執筆。日本デジタルゲーム学会・若手発表会にて「語りとしてのビデオゲーム(Videogame as Narrative)」を発表。NHKのゲーム紹介コーナーへの作品推薦、株式会社KADOKAWA主催のニコニコ自作ゲームフェス協賛企業賞「窓の杜賞」の選考委員として参加、週刊ファミ通誌のインディーゲームコーナーの作品選出、株式会社インプレス・窓の杜「週末ゲーム」にて連載など。

    フリーゲーム作者さんへのインタビュー・レビューなど多数。フリーゲーム歴は10年半ばほど。思い出に残っているゲームは『SeraphicBlue』『Berwick Saga』。