abc男氏のオススメ脱出ゲーム5作品紹介&攻略のポイント
物語性・難易度・プレイ時間で比較する、abc男氏の脱出ゲーム
さて、前回abc男氏の作品の特徴を紹介しましたが、今回はabc男氏の作品のなかでおすすめの作品を紹介していきたいと思います。
発想力、洞察力への挑戦―謎解きマニアに捧ぐ、abc男氏の脱出ゲームの紹介
前回述べた通りabc男氏の作品は何作品もあり、また公式の作品説明も非常に簡素かつ作品の一覧はアイコンで表されているので、今まで氏の作品に触れた事がない人にとってはどれから手をつけて良いか悩むところでしょう。また作品によってはかなり難易度が高いものもあり、何も知らずにいきなりプレイすると挫折してしまうというような事も考えられます。
そこで、ここでは氏の脱出ゲーム系作品の中でも比較的遊びやすいと思われる、あるいはオススメの作品を筆者の独断と偏見で5作品選び、物語性、難易度、プレイ時間等の比較とともに紹介していきたいと思います。
『WISE?』
物語性 :☆☆
難易度 :★★
プレイ時間:@(約2時間~4時間程度)
□概要
「恋人を生き返らせたければ、屋敷に隠された鍵を探すがいい…」恋人を無くした男は、死神と取引をし、恋人の魂を閉じ込めた棺を開くため、鍵を屋敷から探し出すことになる。abc男氏の作品の中では個人的にはかなり遊びやすいと感じる作品であり、謎解きも「暗号解読」よりは、どちらかというと「アイテムの使い方を考える」ことが中心となります(結構いろんなモノを破壊していくような使い方が多い)。
エンディングは通常エンドと真エンドの2種類ありますが、特に気にせずに、まずは通常エンドを目指すのが良いと思います。
□謎解きのポイント
恐らくは途中の扉に入力する6桁の暗証番号が最大の難関で、それ以外は屋敷をくまなく探索し、頭をひねればなんとか進められると思います。壁に目立つように書いてある謎の模様は別のヒントなので、扉の暗証番号とは一切関係がありません。他にできることを全て終えた上で、まずは落ち着いて、壁の模様以外に「6桁の数字」のヒント、あるいは答えを示すものがないか探してみましょう。
アイテムをどう使いこなすかがカギ。ちなみにmap画面では行きたい部屋を選ぶと瞬間移動できる。
『Orb.』
物語性 :☆☆☆☆
難易度 :★★★
プレイ時間:@@@(約5時間~9時間程度)
□概要
不治の病で昏睡状態に陥った恋人を救うため、「どんな願いでも叶えるオーブ」を求めて、“一度足を踏み入れた者は2度と外に出る事が出来ない”とされる遺跡に挑む男の物語。
本作は遺跡探索モノということで、他の「閉じ込められた建物から脱出する」ゲームとは少し毛色が異なり、砕けた言い方をすれば、よりゲームゲームしています。
また特徴として、本作には即死要素があります。いわずもがなのお約束として「遺跡」には宝を求める冒険者を待ち受ける謎とトラップが満載であり、選択を間違え、不用意な行動をすればそれはすなわち即死を意味します。これに付随して流血表現もありますので、苦手な人は注意を。エンディングは4種類あり、一概にどれがベストエンディングとは言い切れない絶妙な後味があります。エンディングの後味と難易度のちょうど良さから、筆者個人としてはabc男氏の作品の謎とき作品の中では、この「Orb.」が一番好きです。
どんな願いでも叶えるという「神の宝珠」を探しに、男は遺跡に向かう。
□謎解きのポイント
本作では連打や長押しによって引ける、あるいは押せる物体が数多くあります。本当に意外なものが動いたりするので、これが「動かせる」ということに気がつかないと、いつまでたっても先に進めない、という自体にもなりかねません。まずはこれをマスターしましょう。
本作は文字による謎解きはかなり少なめで、どちらかというと手探りや図形的な謎解きが多い印象です。唯一の文字として重要なヒントは遺跡の入り口にある石碑のみであり、ここに頻繁に登場する言葉が何を意味しているのか理解できれば、このゲームの50%は攻略できたと言っても過言ではないでしょう。
最後にもう一つ注意点として、本作には一定時間「待つ」ことで解ける謎があります(もちろんヒントがあります)が、これは体感として結構長めに操作をしないで待つ必要があるので、せっかちな方は要注意を。
詰まった時は、簡易ミニマップで遺跡の立体構造を確認することも時には重要。
『Treasure hunter LANDY』
物語性 :☆☆☆☆
難易度 :★★★
プレイ時間:@@@@(約6時間~12時間程度)
□概要
伝説のトレジャーハンター、ランディとレイラが「神の遺産」を求めて遺跡に挑むお話。本作はおそらく、abc男氏のゲームの中では最も一般的な「ゲーム」と近い感覚でプレイできる作品だと思います。各所に設けられたセーブポイントではOPの続きのストーリーを見ることができ、OPで登場したマッドは何故倒れていたのか、何故2人で入ったはずの遺跡を1人で探索しているのか、などのバックストーリーが徐々に語られていきます。また遺跡には侵入者を待ち受ける危険な罠があり、魔物が徘徊し、そして最後にはなんと遺跡の守護者との、真正面からのラストバトルが待ち受けています。遺跡のマップは長大で初見殺し的な罠が多く、プレイ中は頻繁に即死することになりますが、各所にセーブポイントがあるおかげで(序盤は)1問1答の感覚で遊ぶことができ、かなり遊びやすい作品であると言えます。
□謎解きのポイント
前段ではまるで本作がRPGであるかのような紹介をしましたが、本作も立派な謎解きゲームです。
特徴としては、あらかじめ「調べる」「押す・引く」「しゃがむ」などのアクションを決めてから調べることで対象の反応が変わることがあり、いくら調べても反応のなかったタダの柱が、「押す・引く」を試してみると簡単に動く(そして裏に何かがある)、というようなことなどはザラにあります。
ちなみに、筆者個人的には本作で一番詰まった謎は「穴のあいた箱に水を入れて長距離を運ぶ」方法です。これは例のごとく発想が試される場面なので、是非一度ゲーム的な思考錯誤から頭を切り替えて、方法を考えてみてください。
またラストバトルは運が絡む戦いのように見えますが、本作ではこれすらも謎解きの一貫です。ベストエンディングを見るならば、途中で無視したヒントがないかどうかを、よく思い出してみると良いかもしれません。
『ignorance is bliss』
物語性 :☆
難易度 :★★★★
プレイ時間:@(約2時間~4時間程度)
□概要
夢の中で気がつくと子供の姿になっていたおじいさんが、迷い込んだ屋敷から脱出するお話。ストーリーらしきものはオープニングとエンディング程度で、今回紹介する5作品のなかではWISE?の次にコンパクトなボリュームであり、かつ最も純粋に謎解きに特化された作品です。前述したWISE?などと比べると暗号解読、暗証番号入力が非常に多いものの序盤は個々の謎はそれほど難しくはなく、ある程度サクサク進めると思います。ただし、後半はかなり難易度が高い謎がいくつか登場します。
□謎解きのポイント
今意味のわからないヒントについては、後にとっておきましょう。
一番の難関は、終盤に必要となる「色と数字との対応」です。色がヒントとなる暗証番号は2回登場しますが、2回目では1回目と少し違った考え方が必要になります。終盤の難易度は非常に高いと思いますが、頑張ってください。
アイテムの使い方を考える場面もそれなりにあるが、暗証番号の推理が非常に多い。ちなみにメニュー画面が作品ごとに工夫されているのもabc男氏のゲームの特徴。
『蜜柑の夢』
物語性 :☆☆☆
難易度 :★★★★
プレイ時間:@@(約3時間~6時間程度)
□概要
夢の世界(?)の中の、謎の学校を探索する謎解きゲーム。氏の他の作品と比べると、会話シーンや謎解きと直接関係ないテキストは少し多めです。また氏のゲームでは探索中は基本的に無音である事が多いですが、この作品では主人公がもっている「PDA」という携帯機から好きなBGMを選び、それを聴きながら校舎を探索することができます。また、なんとこの携帯機上でミニゲームを遊ぶことすらできます!(もちろんこれらの中には、謎解きと関係のあるものも含まれています)
本作は本編中にとった行動に応じてエンディングが分岐しますが、バッドエンドはグッドエンドのヒントになっているので、初回プレイではまずは気にせず進めると良いと思います。ちなみに真エンド(というよりそのスタッフロール)はかなりカオスで楽しいので、このゲームをプレイされた際には、是非そこまで辿りついて見て欲しいと思います。
本作ではメニューが携帯音楽プレイヤー風になっており、セーブやアイテムの使用のほか、実際に音楽を聴いたりミニゲームが遊べたりする。
□謎解きのポイント
本作では手持ちの「IDカード」に各教室を開く為のパスコードを入力していくことで行ける教室が増えていく、というような少し変わった進行の仕方をします。次の教室に行く為のパスコードは必ずその前の教室の中に隠されているので、その場で出来る事はいろいろ試してみると良いと思います。意外と簡単な方法で手に入るものもあるかもしれません。
また、本作で恐らくもっとも難しい謎は「パスワードマニアの村田先生」が考えたPCのパスワードでしょう。ヒント材料の特定までは難しくないと思いますが、その解読は困難を極めると思います。ここは一度ゲーム画面から離れて気分転換をしてみると、いい考えが思いつくかもしれません。
謎めいた校舎に現れる、これまた謎めいた女子生徒。彼女からは、かつて屋上で生徒が自殺した噂についての話を聴ける。
まとめ
以上、abc男氏の脱出ゲームから5作品を選んで紹介致しました。物語性、難易度、プレイ時間という3つの指標は主観に過ぎませんが、遊ぶゲームを選ぶ際の参考となれば幸いです。abc男氏は他にも多数の脱出ゲーム、あるいはミニゲームを公開しています。ここで紹介した以外の作品にもバリエーションに富んだ謎解きが揃っていますので、是非遊んでみてください。
配信サイト:「えびふろ」
http://ef.abc-o.com/