フリーゲーム『幻想列車アポトーシス』。全てが選択肢による行動で進む、ゲームブック風RPG

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今回は、紅白RPG合戦4にて公開されているフリーゲームRPG『幻想列車アポトーシス』を紹介する。本作はフィールドマップがなく、選択肢による探索と移動、そして戦闘で構成され、行動選択式のゲームブック風・ノンフィールドRPGだ。本作の製作者である時雨屋氏は、配られたカードで「役」を作り攻撃する「ポーカー形式のバトル」という一風変わった戦闘システムを持つRPG「母なる湖は城を抱き」など、特徴的なシステムを持った作品を制作している。そんな本作は、ホラーゲームのような若干の不気味な要素がありつつも、ゲーム開始時の選択肢によって変わる戦闘スタイル、限られたアイテムをやりくりしての戦闘が特徴だ。また、作り込まれていながら1時間でサクッとクリアできるボリュームも見事。早速紹介していこう。

身体の全てを失った「あなた」。走り続ける「幻想列車」の中を進む

目が覚めると「あなた」は、灯りすら見えない真っ暗な窓の外、そして乗客の誰もいない謎の列車の中にいた。耳に聞こえるのは車輪の音と、目の前に見える、次の列車に続く扉だけ…そしてふと自分の身体をみると、なんと手も、足も、胴体すらもなくなっていた

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身体を失い、とつぜん謎の列車の中に放り出されてしまった「あなた」。

身体を失った不思議な状態の「あなた」は、とつぜん謎の怪物に襲われる、なんとか撃退すると、「車掌」と名乗る謎の女性に出会う。車掌によると、この「幻想列車アポトーシス」には、列車の進行に良くない影響を与える「影」という存在が巣くっているという。そこで車掌はあなたに「影」の討伐を依頼するのだが…。

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あなたの前に現れた謎の女性「車掌」

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「車掌」の突然の依頼。これにどう答えるか…

プレイヤーの「選択」が重要な、ゲームブック風RPG

本作は記事冒頭に描いたように、フィールドマップのない、行動選択式のゲームブック風RPGだ。プレイヤーが列車の中で取れる行動は「車両を調べる」、「座席に座る」、「車両を移動する」の3つだ。「車両を調べる」を選択すると、車両ごとにアイテムを入手することが出来る。アイテムはゲームクリアまでに入手できる回数が限られているため、使いどころが重要となってくる。また「座席に座る」と、車両の中の「影」が形になったものが目の前に現れ、敵との戦いとなる。そして「車両を移動する」を選ぶと、前方か後方の車両に移動することが出来る。ゲームは24号車からスタートする。アイテムを回収し、そして敵を倒してレベルを上げながら、列車の最前列である1号車を目指そう。

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ゲーム開始時に、車掌から失われた「自分の身体」についての質問を投げかけられる「あなた」。この質問にどう答えるかで、例えば回復技であれば「使用したときにHPを半分回復する」、「5ターンの間、HPが自動的に回復する状態になる」…といったように、使用できる技の特徴が変わってくる。

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「座席に座る」と、意味深な言葉と共に「影」が現れる。

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そして姿を持った「影」と戦うことになる。座席に座るか座らないかは自由であるため、戦闘を避け続けることもできるのだが、戦わなければレベルが上がらない…。ここにプレイヤーの選択が生まれる。

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アイテムは、列車内での入手回数が限られている。どういった状況で、どのアイテムを使うか?もしくは、節約のために取っておくか?選択はプレイヤー次第だ。

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ゲーム開始時に習得する技はどれも強力だが、技を使うために必要なMPを回復するアイテムは限られている。そのため、ここぞというときに温存したMPで集中的に技を使う…というのも戦法のひとつだ。

立ちふさがる強力なボスを倒せ!そして、幻想列車の謎とは…

列車を進んでいくうちに、巨大なボスと対峙することもある。ボスは、列車の中で現れる通常の「影」とは異なり、強い力を持っている。そのため列車内で手に入れることが出来るアイテムを、可能なかぎりボスのために温存しておくのが重要となってくる。

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ボスは強力な技を放ってくる。手持ちのアイテムやスキルを組み合わせ、上手く対策をすることが鍵だ。

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列車を進むうちに何度も現れる車掌。彼女は何を知っているのか…

今回紹介した『幻想列車アポトーシス』は、プレイヤーによる選択の繰り返しを楽しみつつも、1時間でクリアできるというコンパクトな作品となっている。まるでゲームブックのようなRPGをプレイしたい人はぜひプレイしてはいかがだろうか。

[基本情報]
タイトル 幻想列車アポトーシス
制作者 時雨屋 様(製作者様サイトはこちら)
クリア時間 1時間
対応OS等 Windows XP/VISTA/7/8
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/8021

  • poroLogue(@poroLogue

    もぐらゲームス編集長。大学在学中にフリーゲームをテーマとした論文を執筆。日本デジタルゲーム学会・若手発表会にて「語りとしてのビデオゲーム(Videogame as Narrative)」を発表。NHKのゲーム紹介コーナーへの作品推薦、株式会社KADOKAWA主催のニコニコ自作ゲームフェス協賛企業賞「窓の杜賞」の選考委員として参加、週刊ファミ通誌のインディーゲームコーナーの作品選出、株式会社インプレス・窓の杜「週末ゲーム」にて連載など。

    フリーゲーム作者さんへのインタビュー・レビューなど多数。フリーゲーム歴は10年半ばほど。思い出に残っているゲームは『SeraphicBlue』『Berwick Saga』。