銃と魔法のスマホFPS『ディザーテッド2』。RPG風の成長要素&アクションが苦手でも楽しめる簡単操作

アクション,インディーゲーム,スマホゲーム

今回は、スマートフォンで遊べる和製オープンワールドFPS『ディザーテッド2』を紹介する。本作は、2014年10月にkickstarterにて立ち上げた製作支援のプロジェクトを成功させ、今年5月にver1.0をリリースした個人開発のインディーゲームだ。現在はiOS版、Android版が公開されており、今後はPC版も展開される予定だという。なお前作であるフリーゲームFPS『ディザーテッド』は、「第10回 ふりーむ!ゲームコンテスト」のフリーシナリオ部門銅賞を受賞している。

本作の魅力は、なんといってもアクションが苦手な人でもスマホの簡単操作でFPS(First Person shooter)を遊べるというお手軽さ。そして、銃と魔法を駆使し敵を倒すというファンタジーSF風の世界観を持つFPSでありながら、日本製RPGのような、レベルアップでの能力上昇、アイテムを集めて魔法習得、といった成長要素を盛り込んでおり、異なる2ジャンルのゲームデザインを組み合わせた部分にこだわりを感じるところだ。

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なお、iOS版は2015年6月13日現在(ver1.5)、ダウンロード時の容量が実際のゲーム容量の数倍(3GBほど)になる事象が発生しており、現在対応中とのこと。もぐらゲームスにて該当verをプレイした際には、ゲーム内の動作自体は問題のないものとなっていた。

「銃」と「魔法」を駆使して敵を倒す、RPG風のFPS

このゲームの物語は、主人公「イシュル」の妻「リタカ」が、身体が怪物になってしまう「怪化病」という病に侵されてしまうところから始まる。とつぜん襲い掛かる運命に絶望するイシュル。だが、この世界で「レイド」と呼ばれる怪物の中で、特に強大な存在「リヴァイアサン」の鱗を使えば、怪化病を治すことが出来るかもしれないという。イシュルはリタカの病気を治すことを心に決め、怪化病が進行するまでの一週間以内に「リヴァイアサン」を打倒するため、旅に出ることとなる。

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ゲーム序盤。平穏な時間を過ごしていたイシュルとリタカを悲劇が襲う

本作の特徴は、オープンワールドのFPSでありながらも、RPGのゲームデザインが組み合わされている点だ。現実ベースの作品の多いFPSで使われる「銃」と、幻想的な世界が舞台であることが多いRPGで使われる「魔法」の2つの武器が世界に混在していることからも、そのゲームデザインへのこだわりが伺える。

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銃と魔法を手に、世界を冒険しよう

旅の途中に現れる敵との戦いでは、動き回って敵の攻撃を避けつつ、狙いを定めて銃や魔法での射撃を撃ち込む…というFPSの基本動作を行う。操作の中で特徴となるのは、敵を自動でロックオンするシステム。ボタン一つ押すだけで敵をロックオンしつつ自動攻撃をすることができるため、プレイヤーは移動に専念することが出来る。FPSのアクションが苦手な人にはうれしい要素だ。

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攻撃を避けつつ銃撃を撃ち込む戦闘はまさにFPS。そこに攻撃・補助の魔法要素も加わることで、様々な戦い方が可能となる。自動ロックオン機能のため、アクションの苦手な人も楽しめる

敵を倒すと、イシュルのレベルアップに必要となる経験値が入手できるほか、倒した敵に応じたアイテムを入手することも出来る。一定の経験値を貯めるとレベルアップし、HPなどの能力値が上昇する。またアイテムは、街の中にある店でお金に換えることができ、稼いだお金を元に新しい銃の購入・銃の強化などが行えるようになっている。

武器の種類は、連射力・威力・命中精度ともにバランスの取れたライフルのような「重弾」タイプ、一発の威力は低いが連射力の高いサブマシンガンである「軽弾」タイプ、そして、一度の銃撃で多数の弾を発射し、近距離戦で圧倒的な強さを発揮するショットガンの「散弾」タイプが存在する。敵の特徴やプレイヤーの好みで、銃の種類を使い分けることができるようになっている。

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特徴の分かれた3つの種類の銃を使いこなして旅を進めていこう

イシュルは、銃のほかにも魔法の力である「魔導」を使うことが出来る。魔導は攻撃・補助など様々な効果がある。ゲーム開始直後は炎を撃ち出し敵を炎上させる魔導しか使えないが、世界の各地に存在する「ダンジョン」を攻略することで手に入る「カード」を入手し装備すると、魔導のポイントである「CP」が上昇し、使用できる魔導が増えていく。魔法の中には、イシュルのHPを回復する魔導、移動速度を一時的に急上昇させる魔導などがあり、戦いの幅が広がるものとなっている。

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世界に存在するダンジョンを攻略し、「CP」を増やす「カード」を手に入れよう

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銃だけではなく魔導を組み合わせることで、様々な立ち回りが可能だ

さらに、このゲームの拠点となる「都市セキュリ」に存在する「時と鳥の酒場」では、ゲームの進行に応じたクエストを受注することができる。クエストには、特定の敵を一定数以上倒す「討伐依頼」、指定されたマップ上のアイテムを回収する「収集依頼」、一定時間のあいだ目標を守り続ける「防衛依頼」があり、内容に応じた目的を達成することでクリアとなる。

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討伐、収集、防衛。それぞれ目的の異なるクエストが待つ

イシュルを待ち受ける運命、そして強大なボスキャラクター

世界を旅するイシュルの行く先には、様々な人物、そして強大なボスキャラクターが待ち構える。今回は、その中の一部を紹介しよう。

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イシュルの妻リタカの姉である「ロナ」。どこか間延びした口調が特徴だ

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旅先で訪れる「時と鳥の酒場」のマスターである「メロリア」。酒場ではクエストの受注や情報を集めることもできる

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イシュルの実力を見極めるかのように接する守護者「ロディス」。その思惑とは…

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旅の途中で見かける印象的な風景も目を惹くものとなっている

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旅の途中には巨大なボスと対峙することになる。特徴をおさえて攻略しよう

本作は、アクション要素の強いオープンワールドFPSというジャンルながら、自動ロックオン機能やRPG風のレベル制によって、アクションの苦手な人でもとっつきやすい内容となっている。今後リリースされるver2.0以降も新しい要素を追加する予定との事であるとのことで、銃と魔法を手に、広い世界を冒険したいプレイヤーは是非遊んでみてほしい。

[基本情報]
タイトル 『ディザーテッド2』
制作者 錦の北条(制作者様ページはこちら
対応OS iOS/Android(今後、PCに対応予定)
価格 iOS 240円
   Android 185円

ダウンロードはこちらから
iOS版:

Android版:
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  • poroLogue(@poroLogue

    もぐらゲームス編集長。大学在学中にフリーゲームをテーマとした論文を執筆。日本デジタルゲーム学会・若手発表会にて「語りとしてのビデオゲーム(Videogame as Narrative)」を発表。NHKのゲーム紹介コーナーへの作品推薦、株式会社KADOKAWA主催のニコニコ自作ゲームフェス協賛企業賞「窓の杜賞」の選考委員として参加、週刊ファミ通誌のインディーゲームコーナーの作品選出、株式会社インプレス・窓の杜「週末ゲーム」にて連載など。

    フリーゲーム作者さんへのインタビュー・レビューなど多数。フリーゲーム歴は10年半ばほど。思い出に残っているゲームは『SeraphicBlue』『Berwick Saga』。