銃を突きつけ相手を脅せ!交渉と恐喝のカードゲーム『GANGSTER PARADISE』レビュー

アナログゲーム,カードゲーム

11月16日に開催されたゲームマーケット2014秋。年々大きくなるアナログゲームの国内最大級のイベントだ。総入場者数は7,200人と発表され、ますます盛り上がる本イベント内には体験ブースが設置されている。

実際に遊んで、ゲームの面白さを確認してから買うこともできるこの体験ブースで、ひときわ盛り上がっていたカードゲームが『ギャングスターパラダイス』だ。

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『ギャングスターパラダイス』の体験ブースでは、販売メンバーはギャング団風の衣装に身を包み、ゲームの説明をしながら場を盛り上げていた。しかし、盛り上がっていた理由はコスプレだけではない。むしろ、そのゲーム自体の面白さにあるのだ。

今回は、脅しと交渉でギャング団の頂点を目指すカードゲーム『ギャングスターパラダイス』を紹介したい。

勝利条件は複数

まずこのゲームの基本的な勝利条件は3つ。「人徳勝利」「金銭勝利」「偉人勝利」だ。

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人徳勝利:THE BOSSのカードを持ちつつ、後述するGANGSTERカードを5枚集める
金銭勝利:後述するMONEYカードを7枚集める
偉人勝利:後述するSPECIALISTカードのうち、KILLER、HERO、BEAUTYのカードを全て手札に集める

基本的には特定のカードを集めていくことになり、集めた時点で勝ちが決定する。

チームは公開されない!人狼のような疑心暗鬼ゲーム

また、ゲームでの勢力は赤、青、黒、紫、灰が存在し、最初に配られる「LIFE CARD」で決定する。赤と青は2枚ずつ、他は1枚ずつあるので、最大7人までプレイできる(7人未満の場合、勢力分けは説明書に従って調整)。

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赤と青:通常のギャング幹部。同じ色の人が勝利者になれば自分も勝利できる。
:裏切者。ギャング団の壊滅を望んでおり、赤か青を計2名死亡させれば勝利者になる。また、黒はLIFE CARDが公開でき、以降は行動回数を3回にできる。
:臆病者。赤か青が勝利者になれば、自分も勝利者になれる。ただし、手札を確認する効果でこのカードを見られてしまった場合、心臓発作を起こし死亡する。
:共謀者。破滅のため裏切者である黒に協力する。黒が勝利すれば勝利できる。このカードを黒以外に見られた場合、死亡する。

基本的には赤と青チームの対立になるが、黒は上で述べた3つの勝利条件に加えて、赤や青チームが死亡しゲームから脱落することが勝利条件となる。正体を悟られずうまく赤・青チームを壊滅に持っていくことが重要だ。
また、紫は赤が勝っても青が勝っても勝利となる。情勢を見つつうまく日和見主義的にカードを供給して赤もしくは青を勝利に導こう。

なお、このLIFE CARDを自分から公開することは、黒以外は禁止されている。すなわち、相手が敵なのか味方なのかわからない疑心暗鬼状態、いわば人狼ゲームのような形式でゲームが進行することとなる。自分の味方と敵の目星をつけながら勝利へ近づいていくことが重要で、このあたりは絶妙なバランス設計がなされている。

多彩で「不均衡」なカード

さあ、チームにわかれたギャング同士の抗争に必要な物は何か?そう、子分、カネ、そして武器である。ゲーム開始時には、LIFECARD以外に以下のものが配られる。
・GANGSTERカード:武器で攻撃された時に代わりに死んでくれる。また、このカードを捨てて場に出ているMONEYを1枚とってくることもできる。
・MONEYカード:武器や手下など、場に出ている値段付きのカードを取得するために必要。

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GANGSTERカードとMONEYカードは1人1枚ずつ配られ、山札に5枚入れられる。

WEAPONカードは、ゲーム開始時に各人に1つずつランダムで以下のものが配られる(7人の場合)。
・GUN:1行動で1発、弾を相手に撃てる。
・MACHINE GUN:一度にまとめて多数の弾を相手に撃てる。
・KATANA:弾が不要で、1ターンに1度斬ることができる。
・SHOT GUN:隣の人に撃つ場合追加ダメージを与える。

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そして、最後に弾薬(BULLET)カードまたはTHE BOSSカード(1枚のみ)をランダムに受け取り、ゲーム開始である。

初期のカードは必ずしも平等ではない。THE BOSSカードも先述したように、勝利条件としてGANGSTERカードを5枚集める人徳勝利があるため、最初に目指せる勝利条件も自ずと違ってくることになる。だが、この初期カードの差は不均衡状態を生み、ゲームをおもしろくしている要素の一つになっている

ゲームは基本的には、場に出ているカード(初期状態では5枚)を、自分の手番にMONEYで買ってきたり、逆に武器弾薬を場に出して代わりにMONEYを拾ったりしながら、勝利条件を目指していくことになる。金を出すことで拾えるSPECIALISTカードも非常に強力なカードだ。例えば、SPECIALISTカードの一つ「SPY」は、LIFE CARDを含む相手の手札を3枚まで見るか、2枚まで見てそのうち1枚を奪うことができる。その他にも強力なカードが多数存在する。

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中には「KILLER」「HERO」「BEAUTY」のように勝利条件に直結するカードも

交渉と恐喝のカードゲーム

さて、ここで脅しと交渉をうまく使っていくことが重要だ。プレイヤーは自分のターンに、他のプレイヤーに武器を突きつけ脅すことができる。脅して、MONEYカードはもちろん、他のカードを奪ったり、あらゆる行動を指示することができる。弾薬のカードがないと実際に銃を撃つことはできないのだが、弾薬のカードなしで銃だけを見せて脅したり、または銃すら見せず「自分は銃を持っている」といって脅すことすらできてしまう

交渉と恐喝こそが、このゲームの醍醐味の一つでもある。撃ち合いと脅しに興じるあまり、目的を見失ってしまいそうになるのがこのゲームの恐ろしいところだ。相手の勢力を見破って徹底抗戦し、死滅させる戦略ももちろんアリだが、脅しつつ各勝利条件に必要なカードを奪ったり、相手の勢力を見極めつつ味方にうまく協力してあげるのも攻略のポイントとなるだろう。

新装版でより豪華に

なお、今回のゲームマーケット2014秋では、『ギャングスターパラダイス 新装版』が販売された。新装版での変更点は、しっかりとした箱に入ったこと、カードの角が丸くなったこと、勝利条件・勝利チップが封入されたこと等々、色々とリッチになっている。

新装版以前に楽しんでいたという方も是非公式サイトから買い求めてみてはどうだろうか。リアル店舗でも取り扱いがスタートしている。

このゲームは4~7人用と、大人数でもプレイできるのが良い点である。この年末年始に、家族や友人同士で楽しんでみて欲しいラインナップのひとつだ。

[基本情報]

タイトル GANGSTER PARADISE(ギャングスターパラダイス)
制作者 カイシンゲームズ
プレイ人数 4~7人
プレイ時間 15分~45分
価格 2,300円(新装版ギャングスターパラダイス)

  • もぐらゲームス編集部