FacebookがOculus VRを20億ドルで買収、OculusとMinecraftの交渉は決裂―週刊もぐらニュース号外―
FacebookがヘッドマウントディスプレイOculus Riftを開発しているOculus VRと買収に関する合意に達したとのこと。
Mark Zackerberg(Facebook CEO)
「モバイルは既に現在のプラットフォームとしての地位を確立した。我々は明日のプラットフォームを目指す準備を進めている。Oculus Riftは最高のソーシャル・プラットフォームを実現し、我々の仕事や遊び、コミュニケーションのあり方を変える可能性を秘めている」
買収総額は20億ドル(約2000億円)にのぼり、内訳は4億ドルの資金とFacebookの株式2310万株(16億ドル相当)。
Oculus Riftは先日もぐらゲームスでも取り上げた仮想現実(VR)用のヘッドマウントディスプレイで、2012年、アメリカのクラウドファンディングKickStarterで、目標額の目標額の25万ドルを大幅に上回る240万ドルを集め、本格的な開発を開始しました。ヘッドトラッキング機能によって現実の頭の動きと仮想空間の視点の動きが連動する、非常に没入感の深いデバイスです。
VRディスプレイOculus Riftの没入感―ちょっと仮想現実 (”あっち”) いってくる – もぐらゲームス
現在、年内の一般発売に向けて、開発者用キットの販売を行っています。
先週のGameDevelopersConfference(GDC)でも性能を大幅に向上させた新たな開発者キット「Development Kit2」の予約開始の発表があり、直後の36時間で1万2000件を超える予約が殺到するなど注目を浴びました。
「この買収を通じて、Facebookはゲームのみならずコミュニケーションや新たなソーシャルな体験におけるOculusの成長を加速させる」
Brendan Iribe(Oculus VR CEO)
「世界に最高のVR体験を提供するためにFacebookと組めることは非常にエキサイティングだ。我々は、仮想現実によって、新たな魔法のような方法で人々がつながることになると考えている。VR技術は、応用性が高く、世界に変革をもたらすテクノロジーだ。不可能だと思われていたことを実現できる。そして、まだ始まりに過ぎない」
Oculus Riftは主にゲーム用のデバイスとしてソフトの開発が進められてきましたが、今回のFacebook買収により、ソーシャルコミュニケーションの分野などVR技術の応用を一層拡大するものと考えられます。
一方、世界で3,000万人を越すユーザーがいるPCゲームソフト「Minecraft」の作者Mark Perssonが、今回のFacebookとの買収によって、Oculusと進めていた、Ouclus対応のバージョンに向けた交渉が決裂したことをTwitterで公表しています。
We were in talks about maybe bringing a version of Minecraft to Oculus. I just cancelled that deal. Facebook creeps me out.
— Markus Persson (@notch) 2014, 3月 25
VRデバイスの開発は現在黎明期です。
ゲーム分野における仮想現実デバイスについては、先日ソニーがPC・PS4向けにOculusと同様にヘッドトラッキング機能のある「Project Morpheus」を発表しており、今後もVRデバイス関連の話題が盛り上がっていくでしょう。
PS4で遊べる仮想現実HMD「Project Morpheus」 SCE、商品化目指す – ITmedia ニュース
Oculus Riftの開発は引き継き進めるとのことですが、これまでゲーム分野を主軸に置いていたOculus Riftに向けたソフト開発が今回の買収によりどうなっていくのか、またゲーム分野におけるVRデバイスの動向に注目したいところです。
もぐらゲームスでは、引き続きOculus Riftを含めたVRデバイス関連の記事を配信していきます。
(参考)
Facebook to Acquire Oculus | Facebook Newsroom
Minecraft Creator Kills Oculus Rift Plans Because Facebook Creeps Him Out – Forbes
VRにまつわるニュース・ソフトの紹介はMoguraVRにて更新中!
http://www.moguravr.com/