OculusでSAOの世界を体験して感じるアニメとVRの相性の良さ
アニメの世界は現実と別の世界、フィクションだ。お気に入りのキャラクターを嫁と称し、「嫁が画面から出てこない」といった表現があるように、アニメとそれを見る自分の関係はどうしても変えられず、それ以上近づくことができなかった。
これまで、フィギュア、そしてコスプレといった現実側にその世界を引き寄せることはできたし、突き詰めればディズニーランド的に世界観そのものを再現することも、展示会などでは行われてきた。
では、その逆はどうだろうか?「没入感」というその中にいるような感覚を提供するVRが秘めた可能性について考えてみたい。
そうそう、これだよと思わせる体験
10月5日、雨の東京・秋葉原で開催された「電撃文庫 秋の祭典2014」では、ソードアートオンラインの世界をOculus Riftを装着して体験する展示がお目見えした。
今年7月にアメリカで開催されたアニメエキスポで話題になった展示で、国内でも体験できる機会を求める声が上がっていた。
展示は4台体制で、椅子に深く座って行う。イベント会場の入り口のすぐ前にあるので、その異様な雰囲気に混んでいる通路を通る人が「なに、あれ?」とブースを取り囲み、ざわついていた。
常に10人くらいは並んでいたが、1人1分程度のデモ体験なので、回転は早い様子。
最初は「リンク、スタート!」とログインしてVRMMOに飛び込むところから始まる
攻撃されてHPバーが減ってやばいと思ってるところでアスナがトドメの一撃
こちらに近づいてきて手を差し伸べてくるアスナ。その手をとりたい…。
SAOはラノベもアニメも全て制覇している筆者も体験してみたが、ソードアートオンラインの世界に飛び込むところから始まりわずかな時間で、VRMMOであるSAOを少しでも体験した気持ちになれた。
アニメの世界に行くことを可能にするVR
このソードアートオンラインに限らず、アニメの1シーンをOculus Riftを使って体験するコンテンツが徐々に現れてきている。
8,9月にアニメフェスタin所沢で展示されていたシドニアの騎士のコンテンツは登場するロボット「継衛」のコクピットに乗って、母艦から宇宙空間への発進シーンを体験できるというもの。10月11,12日に埼玉・ソニックシティで開催されるアニ玉祭にて再度展示された。また、10月15日から、東京・秋葉原にあるG-Tune Garageにて、1ヶ月間体験が可能だ。
また、来月11月末から上野の森美術館で開催される進撃の巨人展では兵団の一員となって「立体機動装置」の浮遊感が体験できるコンテンツが展示される(有料)。
また、アメリカやヨーロッパではこうした流れがアニメではなく映画の再現が多いのも、日本と欧米のコンテンツに対する想いの違いなのだろう。
海外の例として、既に公開されているものとして、スターウォーズの宇宙船や戦っている場面、ロード・オブ・ザ・リングの雄大な風景やマトリックスの有名なシーンなどの再現で、いずれも映画のシーンを忠実に再現しようとする努力が見られる。
スターウォーズに登場する宇宙船「ミレニアム・ファルコン号」の再現
今回、SAOのデモを体験した身としては、世界に入ったような感覚ゆえに他にも「自分も動きたい」「アスナの手を握りたい(あわよくばそのままずっといたい)」「声を聴きたい」といったさらなる欲がむくむくと沸き上がってくる。
VRは、Oculus Riftの登場によってやっと体験が可能になったところだ。今後一気に様々な周辺機器が登場することで、入力やフィードバックなどがさらに進化していく。
これから先、どんなコンテンツが現れるのか非常に楽しみにしたい。
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