“STGの地上敵の戦車”が自機になるオマージュSTG『雷震』リリースなど ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

インディーゲーム,フリーゲーム,連載

本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間ほどのフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は3件です。

戦車STG『雷震』リリース

Studio 4Dは10月31日、戦車STG『雷震』をDLsiteにてリリースした。ブラウザでプレイできる体験版も公開されている。なお、プレイには基本的にゲームパッドが必須となる。

STG「雷電」シリーズをオマージュしつつ、同シリーズでは地上敵として登場するような戦車が自機となる、ユニークな設定の作品。攻撃は「雷電」同様にメインショットがバルカンやレーザー、サブウェポンがミサイルやホーミングとなっているが、全方位に移動、攻撃できるのが特徴。砲塔を一番近くにいる敵の方へ向けるボタンがあるため、ある程度狙いをつけやすくなっている。

また、戦闘機が自機のSTGでは基本的に背景でしかない建物や自然物などが障害物となるなど、本作の設定ならではのプレイ感も特徴だ。

『冠を持つ神の手』Unityリメイク版クラウドファンディング開始

小麦畑は11月1日、異世界ファンタジー育成系ADV『冠を持つ神の手』のUnityによるリメイク版のクラウドファンディングを開始した。期間は2025年1月19日まで。

『冠を持つ神の手』は、小麦畑が2009年にリリースした作品。主人公の育成を行いながらさまざまなキャラクターと親交を深めていくタイプの育成ADVで、相手から主人公への好感度のほかに主人公から相手への印象度という値があり、またこの印象度を一人の対象に対して一度だけ「反転」させられるシステムが特徴。キャラクターごとに愛情・友情・憎悪・殺害・裏切エンドが用意されるなど、システム面でもシナリオ面でもキャラクターとの交流を深く多彩に描く名作として、長年にわたり高い評価を得ている作品だ。

6月には「Made with Unity」ロゴの入った画像を含む「鋭意製作中」情報が掲載されることでUnityによる移植やリメイクが示唆されていたが、今回正式にUnityでのリメイクが発表された形となる。

公開から15年が経った同作を、「今後もこのゲームを楽しんでいただけるよう、また新たなプレイヤーに出会えるよう」汎用ゲームエンジンであるUnityでリメイクするという企画。支援のリターンの中にはゲーム内へのイベント、エンディングの追加もあるため、リメイクによりゲームの内容も追加されることになる。2025年秋頃にPC版をSteamでリリース予定、2026年以降にマルチプラットフォーム対応予定となっている。

なお、目標金額は100万円とされていたが、これは開始から約30分で達成。執筆時現在は700人近くから400万円以上が集まっている。上述のイベントやエンディングを追加するリターン等はすべて在庫切れとなっており、現在は感謝メッセージのみのプランと、ゲームダウンロード権を得られるプランが選択可能。なお、いずれのプランでもクレジットへの表記が行われる。

ノベルゲームエンジン「Light.vn」バージョン16.7公開

ノベルゲームエンジン「Light.vn(ライト・ヴィエン)」のバージョン16.7が公開された。

ビジュアルノベル系作品を中心としたゲームの制作に適したスクリプト型のゲームエンジン。専用エディターが用意されており、エディター上でのリアルタイムプレビュー機能が大きな特徴となっている(紹介記事)。バージョン16.7では、エディターから確認できる作品情報を大幅に追加、アニメーション機能の大々的な改良などが施されている。

  • 中村友次郎(@finalbeta

    RPGのプレイと紹介がライフワーク。システムに凝ったRPGをとくに好んでプレイします。商業で一番好きなゲームメーカーは日本ファルコム。運営型では原神にハマってます。
    過去に十数年ほど、窓の杜の連載記事「週末ゲーム」の編集と一部執筆を担当していました。