開発10年のフリゲSRPG『インペリアライザー』正式版が公開など ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

インディーゲーム,フリーゲーム,連載

本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間ほどのフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は5件です。

戦略シミュレーションRPG『インペリアライザー』正式版公開

渡鳥之氏は12月21日、戦略シミュレーションRPG『インペリアライザー(IMPERIALIZER)』の正式版をフリーゲームとして公開した。昨年β版として、エンディングまでプレイ可能なバージョンが公開されていたが、それから1年以上にわたり調整が続けられ、今回正式版となった。作者によると2014年から10年にわたり開発が続けられてきたが、これにて開発完了となり、今後、新機能や調整による更新予定はないとのこと。

『インペリアライザー』は大陸の果ての地にして六大国家が争う「ラグメル」を舞台に、その中央を治めるパリシア帝国の第二皇女「ラウフェイ」を主人公として描かれる地域制圧型の戦略シミュレーションRPG。敵味方が順次行動するアクティブターン制で、ヘクスマップや、近接攻撃などは対象ユニットと重なることで行うという射程ゼロの概念などが特徴。また、プログラム・シナリオ・グラフィック・BGMはすべて自作となっている。

ハチャメチャ代筆アドベンチャー『代筆屋ワールドワード』Steam/Switch版発表

マテンロウ計画制作のハチャメチャ代筆アドベンチャー『代筆屋ワールドワード』のSteam版およびNitendo Swtich版が発表された。パブリッシャーはわくわくゲームズ。Steam版は製品ページも公開されている。

代筆屋の店員となって、ラブレターや謝罪文などさまざまな文書を代筆していくという作品。代筆文のうち、肝心な締めの文章がルーレットによる3つの言葉の組み合わせで決まるのが特徴。これにより生成される文字通り「ハチャメチャ」な文章と、それにより巻き起こる展開を楽しむ作品となっている。

オリジナルは今年8月にフリーゲームとして公開された作品で、Steam/Switchではフリーゲーム版の内容を1話とし、全5話へとボリュームアップ。また、2話からは街を散策して手紙に使う言葉を探すパートが追加されている。

ビジュアルノベル『雪子の国』『ハルカの国』半額セール実施

STUDIO・HOMMAGEは、ビジュアルノベル『雪子の国』『ハルカの国』の半額セールを開始した。期間は2025年1月17日まで。DLsiteおよびBOOTHにて購入可能。

天狗や「化け」と呼ばれる獣の様子を残しながら人の姿をした者が存在する、架空の日本を舞台とした「国シリーズ」の第3作および第4作。

雪子の国』は、「青春ハートフルラブコメディ+地方都市ミステリー」を謳う作品。本州最西端にある風光明媚な地方城下町を舞台に、東京から来た少年ハルタと天狗の少女雪子を中心に物語が展開する。町で起こる怪奇現象の謎に挑むハルタ達の冒険、友人達や町の人々との交流、そして変わりゆくハルタと雪子の関係などが描かれてゆく(紹介記事)。

『雪子の国』

ハルカの国』は、のちに賢狼と呼ばれる狼の化けであるハルカと、狐の化けであるユキカゼを主人公に明治から平成までの物語を描いていく作品で、「100年のビジュアルノベル」と謳われている。全六部作予定のうち、「明治越冬編」「明治決別編」「大正星霜編」「大正決戦編」までがリリース済み。BOOTHでは各部ずつ個別に配信されており、DLsiteでは前三部作をまとめたものが配信されている。なお、「明治越冬編」は無料でダウンロード可能。

『ハルカの国』

雪子の国(STUDIO・HOMMAGE)
天狗の少女×東京の少年 地方都市を舞台にしたハートフルラブコメディ!

同人誌、同人ゲーム、同人ソフトのダウンロードショップ - DLsite

ハルカの国・前三部作(STUDIO・HOMMAGE)
明治、大正、昭和、そして平成へ。100年のビジュアルノベル。

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明治浪漫ノベルゲーム『蜉蝣』販売終了迫る

鴨mile制作の明治浪漫ノベルゲーム『蜉蝣』の販売が、12月31日に終了となる。

『蜉蝣』は2014年にリリースされた、明治時代の日本が舞台のノベルゲーム。日清戦争での従軍経験を持つ青年「吉野征治」が、ある依頼により禁足地とされてきた山に存在する“忘れられた村”へ赴くことから物語が展開していく。

伝奇やミステリー、歴史・時代ものといった要素が織り込まれており、社会情勢や風俗の描写、近代的な趣のあるテキストなどから、明治という時代の雰囲気を感じられるのも特徴。またときに美麗に幻想的に、ときに迫力や凄惨さを感じさせるイベントスチルをはじめとしたグラフィックも大きな見どころとなっている。

現在はDLsiteにてダウンロード販売中だが、今年10月、今年中に販売終了となることが発表されていた。販売終了までの間は、終売セールとして価格が従来の1,400円(税込1,540円)から300円(税込330円)へと変更されている。なお、販売終了後も再ダウンロードは可能とのこと。

蜉蝣(鴨mile)
明治三十余年――― 禁足地。忘れられた村。神の住む山。 此れは、変わりゆく時代の中に落ちた一つの出逢いの物語。

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「おすすめ同人紹介による同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2024」ノミネート作品中間発表

同人ゲーム紹介サイトおすすめ同人紹介が主催する同人ゲーム表彰イベント「おすすめ同人紹介による同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2024」のノミネート作品の中間発表が12月22日に行われた。

ノベルゲーム・アドベンチャーゲームを中心に、2024年4月〜2025年3月に発表された作品から同サイトを運営するみなみ氏がさまざまな部門で授賞作品を選考し発表するイベント。2025年5月25日に東京・水道橋で授賞作品発表が行われる予定となっている。

  • 中村友次郎(@finalbeta

    RPGのプレイと紹介がライフワーク。システムに凝ったRPGをとくに好んでプレイします。商業で一番好きなゲームメーカーは日本ファルコム。運営型では原神にハマってます。
    過去に十数年ほど、窓の杜の連載記事「週末ゲーム」の編集と一部執筆を担当していました。