「2016年ベストゲーム」に選ばれたおすすめスマホインディゲーム8選

インディーゲーム

Android向けのコンテンツ配信プラットフォーム「Google Play」にて「2016年 ベストゲーム」が発表された。

今回のアワードは、つい夢中になってしまうゲーム、他に例を見ない革新的なゲーム、プレイヤー同士の白熱バトルが楽しめるゲーム、ランキングを賑わせたゲームなどが選出されているとのこと。下記のとおり全8つの部門、各部門5作品の選出となっており、計40作が選ばれている。

・ベスト対戦ゲーム
・ベストイノベーティブゲーム
・ベストインディーゲーム
・ベストトレンドゲーム
・ベストエキサイティングゲーム
・ベストアトラクティブゲーム
・ベストグラフィックゲーム
・ベストファミリー

上記の部門のうち、「ベストインディーゲーム」で選出されている以外の部門にもインディゲームが選出されている。そこで今回は、選出された作品の中からおすすめインディーゲームを8つ選んで紹介しよう。興味ある作品があったらぜひ遊んでみて欲しい。

『Downwell』

『Downwell』は、タイトルのとおり井戸を下っていく下スクロール型のアクションゲームだ。制作者は、現在インディーゲーム制作者として活動しているもっぴん氏。ゲームの特徴としては、「下方向に進むゲームである」という点と「真下にショットを撃つ武器・ガンブーツの存在」という2点だ

操作は、左右ボタンで移動、ジャンプボタンでジャンプ。そして、ジャンプ中に再度ジャンプボタンを押すと、主人公が履いている「ガンブーツ」で、ホバリングしながら真下にショットを撃つことができる。ガンブーツで落下速度を制御しつつ敵を蹴散らし、井戸の中を下へ下へと降りていくゲームだ。

ガンブーツには弾数の概念があり、一回のジャンプで撃てる回数に制限がある。着地することでリロードできるので、残弾数に気をつけつつ、こまめに着地しながら進めていくのが基本となるだろう。

しかし、着地せずに敵を連続で倒すことで報酬が得られる「コンボ」のシステムがある。リロードは敵を踏んだ際にも行われるため、ショットで落下を制御しつつ、敵を次々と踏みながら降りていくことで着地せずに敵を倒していくことが可能だ。非常にテクニカルで最初は難しいが、コンボを上手く決められたときのスピード感と達成感はぜひ体験して頂きたい。

パワーアップアイテムを選んで強化していく要素や、ジェムを集めて買い物をする要素はあるが、ゲームをやり直すたびにリセットされる「ローグライク系」の仕組みとなっている(マップも自動生成だ)。蓄積によってオマケ要素がアンロックされるが、長くプレイしたからといってだんだんゲームが有利になっていく仕組みはない。自分の腕が全ての、純粋なアクションゲームだ。

・iOS

・Android

Android app on Google Play

Steam

(紹介記事)
『Downwell』のアクションに込められた複数のファンクションについて考える
「ガンブーツ」という発明がマリオを超えた。『Downwell』のゲームデザイン

『Lifeline:ホワイトアウト』

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『Lifeline:ホワイトアウト』はスマホを使ったリアルな時間演出が特徴的な『Lifeline』シリーズの新作だ。今回は、まず『Lifeline』の紹介をしよう。

本作のストーリーは、プレイヤーが未知の衛星に不時着した宇宙飛行士 タイラーからの通信を傍受するところから始まる。タイラーは宇宙船ヴァリアに乗っていた学生で、ラットの研究をしていた。しかし、船は目的地に着く前に不調をきたし、未知の衛星に墜落してしまう。

プレイヤーは地球でタイラーとメッセージをやりとりしながら、彼にアドバイスをして導いていく。これだけだと、まるで普通のノベルゲームのようだが、このメッセージがこのゲームのポイントであり、最も特徴的な「リアルタイム性」を演出している。

インターフェースを見ると分かるように、メッセージの流れ方はLINEなどの我々が実際に使っているスマホのメッセージのようになっている。タイラーがその場で文章を打っているように文章が流れていく。そして、タイラーのメッセージは、他のSNSと同じくスマートフォンへの通知としても表示されるのだ。

タイラーが「少し待ってくれ、あたりを探してくるから」と打つとメッセージ欄には「取り込み中」の文字が現れる。そしてメッセージは止まる。それもそのはず、タイラーは物探しをしているのだ。数分すると彼はその結果を報告してくる。

こうしてタイラーとやりとりをしていると、彼と本当にリアルタイムでメッセージを交換しているような感覚になってくる。スマホを放置しておいて、ふと目をやるとタイラーからの次のメッセージが来ている。次第にタイラーの行く末が気になり、早く次の連絡がこないかと心配になるあなたは、まさにゲームの中で求められている役割を演じているのだ。ぜひ、物語の行く末を見届けて欲しい。

・iOS

・Android

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(紹介記事)
未知の衛星に墜落した宇宙飛行士とのリアルタイムの交信が面白い。スマホ向けノベルゲーム『Lifeline』

『ひとりぼっち惑星』

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リリース以降、大きな話題となったスマホゲーム『ひとりぼっち惑星』は、自分がプレイしていない間でも展開が進み、スコアが加算されるタイプの放置型ゲームとなっている。このゲームは、これまでにも『ひとたがやし』や『ひとほろぼし』など独特のアートワークや設定が光るスマホゲームを送り出してきた、ところにょり氏の新作だ。

本作の舞台は、「ジンコウチノウ」同士が延々と戦争を行なっている惑星。ゲームの進め方としては、惑星に存在する「ジンコウチノウ」たちが戦った残骸である部品を集め、アンテナを立て、そして宇宙のどこかで誰かが発した声を「じゅしん」していく。そして、自分の声を宇宙へと「そうしん」し、ゲームのほかのプレイヤーにメッセージを届けることもできるのが特徴だ。

ゲームプレイ開始当初こそ、目的のわからない世界に放り出されてしまうという感触が強いかもしれない。しかし、初めて惑星にアンテナを立て、宇宙からの声を「じゅしん」したとき、プレイヤーの多くはその世界観に心打たれるだろう。

本作は、練り上げられた世界観設定や、音楽から醸される雰囲気のほか、ジンコウチノウたちのデザインなど、アートワークにも拘りこだわりを感じることが出来る。アンテナで声を受信することで語られるメッセージとは何なのだろうか?独特な感性を感じることが出来る作品を、ぜひ遊んでみてほしい。

・iOS

・Android

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(紹介記事)
放置型スマホゲーム『ひとりぼっち惑星』。ひとりぼっちのいきものは、惑星で誰かの「こえ」を探す。
切ないメッセージで話題のゲーム『ひとりぼっち惑星』情報まとめ
スマホゲーム『ひとりぼっち惑星』のシステムを現実で! 『ひとりぼっち文通』が本日開始

『Never Alone: Ki Edition』

『Never Alone: Ki Edition』は、アメリカのE-Lineがパブリッシングしたゲーム『Never Alone』のスマホ版だ。北極海沿岸に暮らす先住民族イヌピアットとの協力のもと制作されており、世界観・ストーリーを含めゲームを構成する全ての要素はその伝承民話に基づいている。

本作は2014年12月、PCとPS4、Xbox One向けに公開されたパズルアドベンチャーであり、大規模な開発とは違う切り口の発想で制作される尖ったゲームが多いインディゲームの中でも興味深い作品だ。

主人公のヌナは狩りを愛する女の子。ある日ホッキョクグマに襲われたヌナは1匹のホッキョクギツネと出会う。止まなくなった吹雪、そして村を襲う男の姿…。極寒のアラスカを舞台に美しも荒々しい自然とそこでたくましく生きる人間の姿が描かれている。

本作は、実際に現地に足を運んできたという制作チームが作り上げたグラフィック、そしてモーションが非常に美しい。自然の畏怖と美しさ、民話の世界、を見事なバランスでゲームとして昇華させている。

例えば、ゲームをプレイしていると吹雪の中を進むシーンが何度も出てくる。吹雪は数秒おきに吹く設定になっており、吹雪いている間は身を守るコマンドを押さなければ飛ばされてしまう。現実では吹雪が数秒おきに定期的に吹くということはありえないが、吹雪の中で歩こうとすれば、次々と変わる風向に翻弄されるだろうということは用意に想像がつく。そういった吹雪という自然の猛威に翻弄される人間の姿の描写が、イヌピアットにとっての「吹雪」を追体験するゲームとしても成り立つという絶妙なデザインに感じられる。

このゲームは至るところにイヌピアットが感じている自然と人間の関係に関する「意味」が込められ、それをゲームという体験を通して伝えてくる。世界観の構築という面での完成度は高い。ゲームという媒体をつかった民話伝承という試み、ぜひ試してみてはいかがだろうか。

・iOS

・Android

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Steam

(紹介記事)
先住民族と共に制作されたパズルアドベンチャー『Never Alone』の美しさ

『Alto’s Adventure』

『Alto’s Adventure』はカナダの2人組のデベロッパー・Snowmanが2015年2月19日にリリースした作品。スノーボードに乗って滑りながら、逃げたリャマを追いかけるランゲームだ。障害物に当たったり、崖から落ちるといったミスをするとゲームオーバーになり1プレイが終了する。その時点でスタートから何m進んだか、リャマを何匹捕まえたか等の実績に応じてスコアが算出される。

本作でアルトは雪原から、森、村などを次々と滑り抜けていく。そのデザイン一つ一つがデフォルメされており、思わず見とれてしまう。ランゲームは同じような風景が連続して単調になりがちな場合もあるが、このゲームをプレイしていると、夕方、夜、夜明けと刻一刻一刻と背景が変化していくのだ。そのグラデーションは見事。また、ランダムで天候も変化するため、風景に飽きることはない。

操作は、タップしてジャンプをするか、ジャンプをしたまま長押しをしてバックフリップ(回転)をするかといった操作のみ。道を塞いでいる障害物を避けたり、崖から大ジャンプをしたり。屋根の上を走るなど、簡単なコースの分岐があったりもする。

実際にスキーやスノボをしたことがある人なら、最初は嫌というほどたくさん転んでしまうが、徐々に慣れてきて、気持ちよく滑れるようになる瞬間があるのではないだろうか。まさに、このゲームにおける上達は「コケながら覚える」という、実際にスノボに乗れるようになるプロセスも体感できる。そのうち余裕も出てくるので風景の美しさも楽しみながら、その中を滑り抜ける快感を味わえるプレイ体験を味わえるだろう。

・iOS

・Android

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(紹介記事)
「滑れるようになる」が味わえるゲームデザイン。スノボで滑り抜けるスマホゲーム『Alto’s Adventure』
なぜゲームの夕暮れは綺麗なのか – 『Alto’s adventure』を遊びながらゲームに流れる時間に思いを馳せる

『VOEZ』

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『Cytus』や『Deemo』を開発したRayarkのスマホ向け新作リズムゲーム『VOEZ』。現在iOS、Androidでプレイ可能な本作は、「音ゲー」の快感をどう引き出すかに特化されたデザインとなっている。

『VOEZ』で描かれるのは、少年少女の元気いっぱいな青春模様のストーリー。それを表現するかのような「レーンを動かす」という躍動感あるシステムが特徴だ。レーンが、画面が、右に左に激しく動く。画面タッチ音ゲーの遊び方の基礎ルールを、画面のエフェクトそのものに置き換えている。

本作の特徴である、レーンを動かしている感覚をすぐ味わいたい、という場合は収録楽曲のうち「Aquarius」「Hop Step Adventure☆」「Supamax」がおすすめ。『VOEZ』ならではの「動く難しさ」を味わいたい人は「dynamo」「Tougenkyou」「Eastern Horoscope」に挑戦してはいかがだろうか。

また「現実時間とリンクした物語」も特徴だ。公式サイトには登場キャラのプロフィールが掲載されているほか、「日記」という項目があり、現実の日時とゲーム内の日時が、リアルタイムでリンクした物語を楽しめる。

キャラクターたちのリアルタイムの成長を描く予定とのことで、現在は高校生、2年後にはキャラクターたちも2歳年をとって大学生になるとのこと。Rayarkの前作『Deemo』プレイヤーなら「音ゲーで物語を表現したい」というこだわりは納得なはず。日記は後からでも読めるので、途中から追いつくのは可能となっている。

iOS版

Android版

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(紹介記事)
音で動く画面がめっちゃ気持ちいいスマホ音楽ゲーム『VOEZ』 リアルタイム進行青春物語がすごいぞ!

『アビスリウム – タップで育つ水族館』

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『アビスリウム – タップで育つ水族館』は、アクアリウムをテーマとしたクリッカータイプの放置型ゲームとなっており、自分のアクアリウムを作り上げることができる。

タップするごとにポイントを獲得し、クマノミなどの魚を増やしていくことができる。スクリーンショットの機能をつかうことで、自分の作ったアクアリウムを共有することができる。美しい水の世界に癒されたい方はプレイしてみてはいかがだろうか。

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・Android

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『まんが一本道〆』

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本作は、『ゲーム発展途上国ⅡDX』など数々のシミュレーションタイプのゲームを生み出しているカイロソフトの作品。

『ゲーム発展途上国ⅡDX』はゲーム会社をテーマとした経営シミュレーションだったが、このゲームは「漫画家」の体験をテーマとしたものだ。漫画を描いてさまざまな経験地をため、技術を向上し、売れっ子漫画家を目指すのが目標となっている。

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時間を忘れて遊べる!おすすめシミュレーション系フリーゲーム10選

いかがだっただろうか。気になった作品が見つかった人は、ぜひダウンロードしてみてほしい。

  • poroLogue(@poroLogue

    もぐらゲームス編集長。大学在学中にフリーゲームをテーマとした論文を執筆。日本デジタルゲーム学会・若手発表会にて「語りとしてのビデオゲーム(Videogame as Narrative)」を発表。NHKのゲーム紹介コーナーへの作品推薦、株式会社KADOKAWA主催のニコニコ自作ゲームフェス協賛企業賞「窓の杜賞」の選考委員として参加、週刊ファミ通誌のインディーゲームコーナーの作品選出、株式会社インプレス・窓の杜「週末ゲーム」にて連載など。

    フリーゲーム作者さんへのインタビュー・レビューなど多数。フリーゲーム歴は10年半ばほど。思い出に残っているゲームは『SeraphicBlue』『Berwick Saga』。