その男、サムライにして、カウボーイ。アクションシューティング『HIGH MOON』

アクション,フリーゲーム

騎士、侍、カウボーイ。洋の東西は違えども、騎馬を駆り波乱へと勇猛果敢に立ち向かう姿は、地域と時代を象徴する戦士達の代名詞的な存在であり、その背中に憧れる人は少なくないだろう。

『HIGH MOON』はAddy Valentine氏の制作による疑似3Dアクションシューティングゲーム。ゲームエンジンの「GameMaker」が2022年3月4日から18日の期間で開催したイベント「#NoticeMe Gamejam」の参加作品として公開され、同ゲームジャム内ではベスト10に選出されている。ゲームはオペラ・ソフトウェアが運営するGameMakerのコミュニティサイト「GX.games」上でプレイすることが可能。また、4月6日からはitch.ioにてスタンドアローンで動作するダウンロード版も公開されている。

撃つ、斬る、駆ける。

『HIGH MOON』は障害物を避けつつ、爆弾で攻撃してくる無法者たちを刀と銃を駆使して倒していく奥スクロール方式のアクションシューティングとなっている。操作にはキーボードを使用し、A・Dキーで左右に移動、Kキーで刀による攻撃、Lキーでダッシュを行う。刀攻撃とダッシュは画面左下のスタミナゲージを消費し、ゲージが無くなると回復するまで刀攻撃とダッシュが行えなくなるので注意が必要だ。

また、SHIFTキーを押しっぱなしにすることで仕込み銃を構え、銃を構えている間は移動ができなくなる代わりにWASDで照準を合わせてKキーで銃を発射することができる。銃には弾数があり無制限に連射することはできない。銃の残弾は敵を刀で倒すごとに補充される。

無法者が投げてくる爆弾や障害物などに当たった場合はハートを1つ失い、全てのハートを失うとゲームオーバーとなる。ゲームオーバーになるまでのスコアを競うエンドレスタイプのゲームであり、ブラウザでプレイする場合にはハイスコアランキングに挑戦することが可能だ。

夜に浮かぶ海”月”の群れを切り抜けろ

本作は馬上での戦いが主題ということもありハイペースで展開するため、スピードに対応できるようになるには慣れが必要になってくる。最初のうちは銃を構えている間はスローになることを活用して銃撃を主体に立ち回り、徐々に慣れてきたところで刀での攻撃も覚えていくと良いだろう。銃でじっくり狙いを定めて撃つ、素早く駆けまわって刀で切りまくる、というふたつのアクションを外連味たっぷりに味わうことができるのが本作の魅力だ。

夜になるとどこからともなく空飛ぶ海月が大量に襲ってくる。なぜ荒野に海月なのかは分からないが、画面を覆うほどの数の多さに加えて変則的な軌道でこちらを惑わせてくる。突っ込んでしまえばハートを削がれることは必至であり、海月ラッシュをうまく捌けるかどうかがひとつの壁となるだろう。夜になる前になるべく刀で敵を倒して銃弾を確保し、海月の群れが現れたら銃撃を駆使して冷静に突破口を作るようにしていくと良いだろう。

ドット絵を拡大縮小することで立体的に見せる疑似3D方式が持つ独特の荒々しさと疾走感に加え、寂しげな笛の音など「これぞウエスタン」と言わんばかりの情緒を詰め込み”格好良い”を凝縮したハイセンスな作品となっている。短時間で充足感をたっぷり味わいたい人にオススメの一本だ。

[基本情報]
タイトル: HIGH MOON
制作者:Addy Valentine
クリア時間:  5分~
対応OS: ブラウザ ,Windows
価格: フリーウェア

↓プレイはこちらから
(GX.games) ※ブラウザ版、要Opera GX
https://gxc.gg/games/a4l7zt/high-moon/

(itch.io) ※ダウンロード版
https://addy-valentine.itch.io/high-moon

  • 真野 崇(@tacashi

    フリーゲームと共に四半世紀を生きるフリゲ馬鹿一代。
    フリーゲームのレビューブログ「自由遊戯黙示録」を経て、自身のフリゲ人生を集約した、フリーゲーム・同人ゲーム・インディーズゲームの年代記「自主制作ゲーム史論」を執筆。