敵をカードにしてかわいいキャラを強化する!フリーゲームRPG『ホシゾラエンボリウム』
今回は、これまで多くの短編RPGを製作してきたサークル「沼から現れた」の新作『ホシゾラエンボリウム』を紹介する。
本作は星座をモチーフにしたキャラクター達の冒険物語が描かれる作品で、1時間ほどでクリアできるコンパクトな短編RPG。とてもかわいらしいイラスト、そして「倒した敵がカードになり、装備することで敵の技が使える」というシステムが特徴的だ。さっそく紹介していきたい。
表情豊かでかわいいキャラたちと、豪華に作りこまれた世界を冒険!
物語は、夜空の管理人であるポーラスターの「ポラコ」が、突然消えてしまった「月」を探すため星空を旅をする、という筋書きだ。このまま月が消えてしまうと、地上や夜空の星々が困ってしまう…そこでポラコは、月を探すためにキグナス、ベガ、アルタイルなど、さまざまな星座に協力してもらい、夜空を渡り歩いていく。
物語の主人公である「ポラコ」。夜空の管理者である彼女が月の捜索に乗り出す。
やまねこ座の「リンクス」は星空の旅に役立つアイテムを売ってくれる猫だ。
とてもかわいい。
プレイしてまず感じるのは、イラストなどのグラフィックの豪華さ、作りこみの丁寧さだろう。本作はRPGツクールVX Aceで作られており、キャラクターの笑い、驚き、怒り…といった、感情を表現する立ち絵の豊富さ、ゲーム内で冒険する世界の美しさ、透明感のある画面など、ほとんどが独自に作りこまれている。
旅の途中でポラコと出会い同行する、こぎつね座の「ウルペクラ」。
戦闘では素早い攻撃で頼りになる。
ポラコが旅の途中で会う「ベガ」。
恋人のアルタイルを熱愛する姿は健気だが、愛が重い…!?
プレイ時間は全体で1時間ほど。ポラコたちが冒険するいくつかの星空も、それぞれ10数分ほどでクリアできる。短い時間で遊べるRPGを探している人にはまさにオススメだ。
オーソドックスなターン性RPGながら、細かい所に芸のあるバトル
敵の攻撃のひとつひとつに名前がついている!
戦闘中のキャラの動きなど細かいところに芸が多く、飽きが来ない。
本作の戦闘はターン性のオーソドックスなRPGとなっている。特徴は戦闘中のキャラクターの様子がコロコロと変わることだろう。攻撃した時、ダメージを受けた時、ピンチの時…など、状況によって立ち絵が様々に変化するため、キャラクターの動きを飽きることなく楽しめる。また仲間だけでなく敵の立ち絵も変化するため、相手の様子から状態を予想し、敵はピンチだから一気に攻めよう!という行動もできるのだ。
ポラコたちの力を試してくる「アクイラ」。
サイクロンは強力なうえにステータスを悪化させる大技だ。
戦闘の難易度は難しくはないといったところだが、それぞれの星空の最深部には手ごわいボスが待ち構えている。ボスを倒し、他の星座に協力を頼みながら、月が消えてしまった謎を追っていこう。
「倒した敵をカードにして装備する」という特徴的なシステム
カードになった敵を装備することで仲間を強化。
二行目に書かれる敵キャラクターの説明には、思わず笑みを浮かべてしまうものも。
戦闘について特筆すべきは、倒した敵をカードにして装備するというシステムだ。
敵を倒すと、敵の名前が書かれたカードを入手することが出来る。カードを装備することでスキルを覚えたり、能力が上昇する。これにより戦術の幅が広がるのだ。
カードになるのはボスキャラクターも例外ではない。たとえば上記でも紹介した強力な技「サイクロン」で苦しめてくるアクイラを倒せば、ポラコたちもその技を使うことが出来る。かつて苦しめられた敵の技を自分たちが存分に使えるという楽しみがあるのだ。カードのさまざまな組み合わせを試しながら、冒険を進めていこう。
今回紹介した『ホシゾラエンボリウム』を製作したサークル「沼から現れた」は、先日開催されたフリゲ展2014秋にて公開された『ボクを月までつれてって!』など、多くの短編RPGをリリースしている。今作のかわいいキャラクターや世界観を楽しんだ人は、ぜひ過去の作品もプレイしてはどうだろうか?
また、短編RPGと言えば、もぐらゲームスでは『Alice mare』の製作者である△○□×氏の連作RPG『LiEat』を紹介してきた。短編好きの人は、こちらもあわせてプレイしてはいかがだろうか。
フリーゲームを「連載する」とは?特集『LiEat』夏休みに遊びたい短篇集
[基本情報]
タイトル ホシゾラエンボリウム
制作者 地獄カバ 氏(制作者様サイトはこちら)
クリア時間 1時間程度
対応OS WinXP / Vista / 7 / 8 (RPGツクールVX Ace RTPのインストールが必要)
価格 無料
ダウンロードはこちらから http://www.freem.ne.jp/win/game/7665