ゲームマーケット2015秋で要チェックの『くだものあつめ』

アナログゲーム

いよいよ今週末に迫ったアナログゲームの祭典『ゲームマーケット2015秋』
海外からの輸入ゲームや、多数の新作同人ゲームが出展されるが、今回は筆者の一押し作品『くだものあつめ』を紹介したいと思う。

『くだものあつめ』は、アフリカ・中近東などに伝わる伝統的なゲームである『マンカラ』というゲームを元に、たねを撒き、くだものを集め、役を作るという、見た目からして可愛いアナログゲームだ。アナログゲームに慣れてきたので、簡単過ぎず、かと言って1時間もかかるような難しさでもないゲームを遊びたい。そんな人に是非今作をオススメしたい。

普段は非常に時間のかかるアナログゲームばかりを買っている筆者の友人(ヘビーゲーマー)と遊んだところ、翌日には購入するほど気に入っていた。他にも一緒に遊んだ友人達は次々と購入しており、昨年発売されたばかりのゲームであるが、筆者の周りでは既に定番ゲームとして不動の地位を築いている。

この『くだものあつめ』、前回のゲームマーケット2015春では50部限定で販売し、わずか30分で完売したという人気作だ。ショップ通販でも完売していたが、今回のゲームマーケット2015秋にて再販されるということだ。

『マンカラ』とは?

『くだものあつめ』の話をする前に、まずは元となったゲームの『マンカラ』について簡単に説明したい。『くだものあつめ』は『マンカラ』のルールが分かっていれば理解し易いからだ。

『マンカラ』はアフリカ・中近東・東南アジアなどで古くから遊ばれている伝統的なゲームだ。様々なルールがあるが、「イージー」と呼ばれるルールを例に説明する。

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まずプレイヤーは横向きに置いた上の写真のようなボードに1対1で対面する。このボードには、各自6つの自陣ポケットと、右横にゴールポケットがある。

手番のプレイヤーは自陣のどれかのポケット1つから石を全て手に取り、反時計回りの右隣に1つ、その隣にまた1つ(ゴールや敵陣も含む)・・・と石を置いていく。

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1つのポケットから石を全て取り

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空いたポケットの右隣から順番に1つずつ石を置いていく。

ゴールポケットに入った石は自分の得点となる。
上の写真では4つ目の石を相手の1つ目のポケットへ置いて手番が終了となる。
自陣のゴールポケットで石を置き終われば、続けてもう一度手番を行う。

こうして全ての石が双方のゴールポケットに入れば試合終了。石の多い方が勝ちというシンプルなルールだ。

たねを蒔くのは原始的な楽しさ

さて、いよいよ『くだものあつめ』のルールを説明しよう。
各プレイヤーは18個のたねコマと、”おうちカード”、6枚の”畑カード”を受け取る。
『くだものあつめ』『マンカラ』と違い、個々人がカードを円形に配置した自分の場を持つ。

カードを円形に配置したら、中央のたね置き場から3つたねコマを取り、“おうちカード”の右隣から順に1つずつ置いていく。おうちカードは、マンカラでいうゴールポケットに当たる役割を果たしている。つまり、そこに入ったたねコマは自分の資金になるのだ。

そして市場シートに市場カードを4枚表向きに並べ、残りを伏せて山札とする。
これで準備完了だ。

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たねをまく

まず手番のプレイヤーは『マンカラ』で石とポケットを使ったように、たねコマの置かれている畑カードを1つ選び、そこに置かれているたねコマを全て取り、時計回りに隣のカードへ1つ、さらに隣に1つ・・・という風に、最初に取ったたねコマが全てなくなるまで置いていく。

この時、最後にたねコマの置かれたカードを“ターゲット”と呼ぶ。もしもターゲットがおうちカードだった場合には追加で続けてもう1回手番を行う。この点も「マンカラ」と同じだ。

自分の手で一つ一つたねを蒔いていくのは、ただそれだけで何だか気持ちが良い。
先を考えながら動かさなければならないのだが、ついつい沢山蒔ける所を選んでしまうのは、戦略よりも気持ち良さが勝ってしまうからかもしれない。

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たね(お金)が貯まったらお買い物をしよう

さて、ここからが『マンカラ』と大きく違う動きとなる。
たね蒔きが終わったらターゲットに対して以下2つのうちどちらかの行動がとれる。

1つは水やり。
ターゲットに描かれているくだものの数だけ中央のたね置き場からたねコマをターゲットの上に置き手番を終える。

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たねの数や次の動きを多彩にする為にも重要な行動だ。

そしてもう1つがくだものの購入だ。
おうちカードの上に、ターゲットに描かれているくだものの数+市場の位置による追加費用分のたねコマが置かれていれば、そのターゲットと同じくだものを市場から買うことが出来る。
購入した場合、おうちコマから費用分のたねコマを、ターゲットの上から全てたね置き場に戻す。

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上の写真の場合、さくらんぼでたねコマを置き終えた。
おうちカード上に5つのたねコマが置かれているので、市場の左端にあるさくらんぼを購入するには、描かれているさくらんぼの数【2つ】と、市場の位置による追加費用【3つ】をおうちカード上から支払う。
その後ターゲットの上から全てのたねコマをたね置き場に戻し手番を終える。

市場から購入され空いた場所は、山札からめくられた1枚を含め、1つずつ追加費用の安い右側にカードが詰められる。

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誰かがくだものを購入すると市場の価値はその都度変化していくので、お互いの狙いを見定めながら購入しなければならない。自分の手元だけを見ていてもいけないのだ。

こうして市場からカードを購入していき、4種類あるセットのいずれかをいち早く揃えたプレイヤーの勝利となる。

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見た目とは裏腹に、実際に遊んでみると非常に頭を使うゲームなのだが、その見た目の可愛さと、「たねを撒いてお買い物をする」というシンプルなルール故に、お子さんや女性からもウケが良く、とても受け幅の広いゲームとなっている。

種まきを楽しむだけでも良し、数手先、相手の出方を読みながら真剣勝負するも良し。
一家に1つ。本当にそんなことを言いたくなる作品だ。

今週末は是非ゲームマーケット2015秋に足を運び、『くだものあつめ』をチェックしていただきたい。

なお、販売サイトでは2015年11月19日現在売り切れとなっているが、ゲームマーケット後に通販が再開される見込みなので、遠方で参加が出来ないという方はそちらをお待ちいただきたい。

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[基本情報]
タイトル くだものあつめ
製作者 うずまきスイッチ
プレイ人数 2〜4人用
プレイ時間 15~30分
対象年齢 6才〜
販売サイト すごろくや

  • おこげ(@orokoge

    デジタルゲームで一番プレイしたのは『ワールド・ネバーランド』初期2作。現在はゆるふわボードゲーマーとして僻地高知でマンガをメインに雑多な趣味で広く浅く活動中。