フリーホラーゲーム『モノルーム』。自室に迫り来る恐怖から逃げられるか?

フリーゲーム,ホラーゲーム

今回は、探索型ホラーアドベンチャー『モノルーム』を紹介する。このゲームは、自分の部屋から出ようとすると、何故か自分の部屋に戻ってきてしまう……という奇妙な現象から抜け出すのが目的となる作品だ。

本作の特徴は、探索する舞台が「自分の部屋」というたった1つのマップだけでありながら、部屋に何度も戻ってくるうちに、部屋の中身が少しずつ部屋が変容していくというギミック。これによって探索に飽きが来ず、そして不気味に変わりゆく部屋の恐怖感に、プレイヤーもじわじわと追い詰められていくところが魅力だ。

マルチエンディング制となっているが、1プレイ自体は30分でクリアできるため、本格的な恐怖演出を楽しめつつもお手軽に遊べる作品となっている。

次第に恐怖の空間と化す自室の中を探索する

本作の主人公「アユム」は、今年から社会人として働いている新入社員の青年だ。今日もいつも通り会社に出勤するために外に出ようとする。しかし、外に出たつもりが、何故か部屋の中に戻ってきてしまう。アユムは記憶がおぼろげになりながらも、何度も部屋の外に出ることを繰り返す。そのうち、次第に部屋の様子が少しずつ変わっていることに気付く。困惑するアユムの前に、謎の存在が現れ……。

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部屋を出ようとしても何故か戻ってきてしまい、その間の記憶を失っているアユム

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段々と様子が変わっていく部屋……

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そして、変貌していく部屋に現れる謎の存在とは……

本作の特徴は、謎の部屋に閉じ込められた状況から脱出するため、変化し続ける部屋を探索していくというシステムだ。本作の探索場所はたった1マップのみだが、探索を終えて部屋を出ようと扉を開けるたびに、細かい部分が変化していく。そのため、同じ部屋の中を何度も探索することにも飽きないようになっている。

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戻ってくるたび、部屋の内装が変化している

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段々と迫る闇の中、探索の中で見つけたモノにどう対処するか……

探索を一通り終え、入り口のドアから部屋を出てからまた戻ってくるまでには、不穏な効果音が流れるとともに、少し間がある。そこでは、まるで『バイオハザード』シリーズにて次の探索場所へ進むためのドアを開けるときのようなドキドキ感が味わえるものとなっている。「部屋を出て、戻ってきた時には何かが変わっているかもしれない……」そんな恐怖感が、上手く煽られるものとなっているのだ。

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部屋を出て、そして戻ってくる瞬間に、じわりと感じる恐怖

また、部屋の中では、アユム以外の人にも出会うことになる。この脱出できない部屋に迷い込み悲しみにくれる女の子「ルカ」と、謎の事態に巻き込まれながらもどこか飄々としている男の子の「トワ」だ。二人から話を聞きつつ、部屋の中から逃げる方法を模索していくことになる。

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ときには二人から話を聞きつつ、脱出の糸口を見つけよう

今回紹介した『モノルーム』は、1プレイ30分ほどでクリアすることが出来る。またマルチエンディング制を採用しているので、エンディングをコンプリートする楽しみもある。部屋の中が少しずつ変わっていく不気味さを味わうホラーアドベンチャーを、ぜひとも堪能してほしい。

[基本情報]
タイトル『モノルーム』
制作者 まにぬ(制作者様サイトはこちら
クリア時間 30分ほど
対応OS Windows XP/Vista/7/8
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/10250

  • poroLogue(@poroLogue

    もぐらゲームス編集長。大学在学中にフリーゲームをテーマとした論文を執筆。日本デジタルゲーム学会・若手発表会にて「語りとしてのビデオゲーム(Videogame as Narrative)」を発表。NHKのゲーム紹介コーナーへの作品推薦、株式会社KADOKAWA主催のニコニコ自作ゲームフェス協賛企業賞「窓の杜賞」の選考委員として参加、週刊ファミ通誌のインディーゲームコーナーの作品選出、株式会社インプレス・窓の杜「週末ゲーム」にて連載など。

    フリーゲーム作者さんへのインタビュー・レビューなど多数。フリーゲーム歴は10年半ばほど。思い出に残っているゲームは『SeraphicBlue』『Berwick Saga』。