日本で開発されているOculus Rift対応のゲームはこれだ!―BitSummitで注目を集めたゲームたち
Facebookによる買収により一躍話題をさらっている「Oculus Rift」。
その特徴である没入感については既に紹介した。
VRディスプレイOculus Riftの没入感―ちょっと仮想現実 (”あっち”) いってくる – もぐらゲームス
今回は、3月8,9日に京都で開催されたインディゲームの祭典BitSummitで好評を博していたOculus Rift対応ゲームを紹介しよう。
どのゲームもOculus Riftの活かし方が異なっており、新感覚の体験ができる個性派揃いだった。
MODERN ZOMBIE TAXI DRIVER
株式会社Viteiが制作したカーアクションゲーム。
ゾンビだらけになってしまった街で、一人生き残ったプレイヤーが色々な場所に行きたがっているゾンビたちを目的地まで届けてあげることに…。目的地到達までの早さでもらえる報酬が変わってくる。道はあるが、道以外も自由に走り放題。荒い運転をしてしまうと、お客さん=ゾンビが車外へ放り出されてしまうので拾いに戻らないといけない、と設定はかなりコミカルでユーモアがきいている。
Oculusを装着すると運転席に座っている感覚そのもの。カーナビに目的地が表示されるなど、本当に運転しているかのような感覚を味わうことができる。
「MODERN ZONBIE DRIVER」をプレイしている様子。画面はさながら運転席だ。
Perilous Dimension
同人ゲームサークル ハイドレンジャーが制作したシューティングゲーム。
全視界に広がる広大な宇宙空間を見渡しながらカラフルな標的にレーザーを打って破壊していく。
このゲームは10本の指を認識するデバイス「LEAP MOTION」にも対応している。
Oculus Riftは装着すると手元が見えなくなる。キーボードでの操作が難しくなるため、ゲーム用コントローラーを使うと操作しやすくなるが、さらにLEAP MOTIONを使うと直感的に指を動かして操作できる。
10本の指で照準を合わせると、無数のレーザーが宇宙空間を切り裂いていく様は圧巻。映画「スターウォーズ」の宇宙戦の真っ只中にいるような感覚だ。
公式の動画はこちら
Oculus Riftと、LEAPMOTIONのように動きを認識して入力するデバイスの相性の良さを感じさせるゲームだ。
そして、このゲームはオンライン販売を行っており、入手可能だ。Oculus Riftを持っている人にはぜひプレイしてもらいたい。
購入はこちら。
PROJECT LIFE
株式会社ランド・ホーの制作したシューティングゲーム「PROJECT LIFE」のOculus Rift対応版。
元々Unreal Engineを使用した2Dのゲームを社内で試しにOculus対応にしてみたとのこと。
3D空間を自由に動くわけではなく、立体感のある2Dのステージを進んでいく。
Z軸の動きがないので、非常に操作がしやすい。前の敵に集中していたら、不意を突かれて、後ろから突然攻撃を受けることもしばしばあり、キョロキョロと周囲を見渡してしまう。
PROJECT LIFEのプレイ。360度どの方向から攻撃されるか分からないのでキョロキョロする様は傍から見ると不思議だが、プレイヤーは真剣そのもの。
ユーザーに完全な3Dの仮想空間を体験させるわけではなく、2Dを延長してOculus Riftを使った体験を組み合わせることでゲームの面白さを高めることもできる例だ。
木造校舎を歩く
同人サークル哲人ドリルが制作しているPC、iOS向けゲーム。
哲人ドリルのブース。ジオラマを用意して、雰囲気を演出していた。
このゲーム、歩く以外の特別なアクションは存在しない。タイトルのごとく、古びた木造校舎の中を歩くだけのゲームだ。
だが、侮る無かれ。
Oculus Riftのために、群馬県の廃校に足を運びその学校を元に田舎の学校を再構築したとのこと。ヘッドホンをつけると、実際に森で集めてきたというセミの音が聞こえる…。
ふと浮かび上がる疑問。
「あれっ、なつかしい……?」
筆者は実際に木造校舎に通った経験はない。
しかし、なつかしさが胸の奥からこみあげてくる。
GoProなどのカメラを使って撮影し、Oculus Riftで現実世界を再現しているソフトは多くある。
しかし、Oculus Riftの特徴である深い没入感を、「ノスタルジー」という感情を想起させるために活かしている非常にユニークなゲームだという印象を受けた。
今後への期待
今回紹介したOculus対応のゲームが4者4様だった様子が伝わっただろうか。何よりも、仮想現実の世界を構築するという試みに挑もうとしている心意気がひしひしと感じられた。また、各ブースにできていた順番待ちの列は、まだ見ぬ世界へのワクワク感に包まれていた。
まだ開発中のものも多く、Perilous Dimension以外は一般公開もされていないデモの段階だ。しかし、どれもゲームとしてOculus Riftの特徴を活かそうとする工夫が見られ、今後が楽しみになった。
現在は、開発者向けに販売が行われているOculus Riftだが、2014年内の一般販売を目指している。先日Development Kitの第2弾が発表されたことで、Oculus対応のソフトの開発が加速していくはずだ。開発中のソフトの製品化が、そしてさらに様々な体験ができるソフトが増えていくことに期待したい。
次回はDevelopment Kit2についての情報をまとめてみたい。
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