デートの事前練習がしたい?『PockeDate! – ポケットデートシミュレータ』の「アカリ」はいい相手になってくれますよ。

Steam,フリーゲーム

明日は人生初のデート。不安で不安で仕方がない。
なんとか当日前に練習して、気持ちに余裕を持たせたい。
けど、そんなデートの練習に適したシミュレーター的なソフトってあったりするのか?

……あるんです!
それが『PockeDate! – ポケットデートシミュレータ』だ。

このシミュレーターでは、仮想ガールフレンド「アカリ」を相手にしたデートの練習が可能だ。しかも、デートスポットも複数用意しているから、さまざまな状況に応じた対処法も学べるぞ。もちろん、これはシミュレーターだから失敗しても問題はない。

そんなわけで、事前練習したくて不安で仕方がない人はこの『ポケットデートシミュレータ』をお試しあれ。1回のデート時間は3~5分だから、スキマの時間にもできるぞ。

さらに2025年2月24日に日本語への対応も果たした!外国語が苦手な人もご安心を!

仮想ガールフレンド「アカリ」を相手にさまざまなデートを体験していくビジュアルノベル

なんだか微かにうさん臭いプロモーションめいた紹介になったが、本作『ポケットデートシミュレータ』はSteamで2024年11月から無料配信中のWindows PC向け仮想恋愛シミュレーションゲームだ。またの言い方でビジュアルノベルと言う。

その内容は冒頭でだいたい説明してしまった通りである。仮想ガールフレンド「アカリ」を相手にさまざまなスポットやシチュエーションを舞台にしたデートを体験し、彼女の機嫌をよくする術を学んでいくというものだ。

基本的にはアカリとの会話を進めていき、途中で発生する選択肢を選んでその反応に一喜一憂する形である。アカリの機嫌をよくする選択肢を選べれば、彼女が表示されたウィンドウの左側にある「好感度メーター」が上昇。逆の選択肢を選んでしまえば下降する。

そして、いくつかの会話と選択を繰り返していくとデートが終わり、好感度メーターに沿った評価が発表。その後、メインメニュー(タイトル画面)へと戻るというのが主な流れになっている。所要時間は前述の通り3~5分と短め。また、デート終了時の好感度メーターの状態はそのまま維持される仕組みになっている。

最終的には好感度メーターを最大まで引き上げ、アカリと親密な関係になるのが目標となる。また、デート中にはアカリの印象をいっそう深める「思い出」なるイベントも複数発生し、これをすべて発見するのもひとつの目標になっている。

さらにデートのスポットは毎回ランダムで変化。種類は限られているが、プレイするたびに違ったデートとアカリの反応を楽しめるのだ。そうした多彩なデートを経験して、この場面ではどんな対応が適切なのか、何を言うといけないのかを一通り学べる……のが本作をプレイすることによるメリットだ。

まさにタイトル通りの『ポケットデートシミュレータ』。手軽に、かつ短い時間でデートについてのイロハやアレコレを理解できるシミュレーターなのである。

……本当にデートの事前練習のために作られたシミュレーターなのか!?

……などと紹介して、「本当にそれだけのタイトル?」と疑問を抱くかもしれない。
なにか裏があるんじゃないのか、と。

それについてはただひと言。アカリとのデートを繰り返し何度も体験すれば分かる。以上。

本作の魅力は、そんなデートの繰り返しにある。仮想ガールフレンドを相手にデートのイロハを学べる点も一応、魅力と言えば魅力なのだが、本当の所はそれを繰り返すことにある。だが、なぜ繰り返すのが魅力なのかは一切言えない。

言えることはただひとつだ。何度もデートを体験すれば分かる。

さすれば思いもしない“もの”が出てきて、色んな意味でひっくり返ってしまうだろう。同時に本作の配信元たる、Steamのストアページに違和感を抱くタグが付いている理由にも納得するはずだ。

この「裏の顔」……と言ったところか。非常に手の込んだものになっているのも魅力である。どんな具合に手が込んでいるのかは、やっぱり言えない。だが、見ればいろんな意味で声が出てしまうだろう。人によっては肉体的、精神的にも応えたりするかもしれない。プレイする時間帯が夜なら、効果も3割増しである。

特に必見なのは「裏の顔」を何度か経ることでたどり着く、“難関”と“最後”の2つだろう。いずれも二重の意味で驚きと絶望を覚えるものになっている。

とりわけ前者、“難関”はきっと「どうしてそうなる!?」とツッコミたくなるはずである。実際、文字通りの難関となっているので、とにもかくにも“心して”いただきたい。諦めなければ必ず打開できる。

最後にしても、色んな意味で本作とアカリのことが忘れられなくなってしまうものになっている。これも見てのお楽しみだが、「シミュレーターの真理とはこれか」と考えさせられること請け合いだ。

本当に少し語るだけでも深刻なネタバレになるため、抽象的な言い方になってしまったが、それなりにインディーゲームに精通している人であれば多少、察せたと思われる。

逆にそういう人にとっては、本作の裏の顔にはありきたりな印象を持ってしまうだろう。実際、若干の既視感があると同時に、当もぐらゲームスでも紹介済みのあるタイトルのことが脳裏をよぎる部分も存在する(※タイトルについてはネタバレになるため伏せる)。

ただ、前述した“難関”と“最後”のおかげもあって、本作でしか得られない栄養と体験は持ち合わせている。ひとまずは、このタイトルのキモであるデートを繰り返し体験し、裏を暴き出していってみていただきたい。

先の繰り返しになるが、確実にアカリと彼女とのデートで得た思い出を忘れられなくなる。同時にどうしようもない現実に直面……するかは、アカリへの思い次第だ。

繰り返されるデートの果てに、アナタとアカリはどんな思い出を作ることになるのでしょうか

一連の“裏の顔”に関しては、グラフィック全般のこだわりも見所。ここまでのスクリーンショットの通り、昔の携帯ゲーム機……というよりは、小型の電子ゲーム機を意識した色数の少ない粗いドット絵と、アカリの表情豊かなアニメーションが異彩を放つ。

画面レイアウトも電子ゲーム機を意識しつつ、昔のパソコン向けに出たアドベンチャーゲームを思わせるものになっているのがユニーク。一方でそのスタイルを踏まえてか、1枚絵(スチル)を使った演出はない。しかしその分、アカリに豊富な差分が用意されているほか、例の“裏の顔”絡みでは、いろんな意味でタガの外れたものをお披露目してくれる。

実際にゲームをプレイして見てみないと、その凄さが分からないのがもどかしいところだが、色んな意味で「手が込みすぎ」と言いたくなるはず。見所としてピックアップするのにも納得するだろう。

ほかに本作で面白いのがデート中に見せるアカリのリアクションとセリフ、そして節々に仕込まれた小ネタだ。とりわけ小ネタに関しては、所々にギリギリなものがあったりして、人によっては冷や汗をかくこと請け合い。

▲(実は一時期の激安セールでヒッソリ買っていたらしい……)

また、アカリが突如、実在するゲームの名を出してくるのも色んな意味でヒヤッとさせられる。これにも裏にちょっとした仕掛けがあるのだが……ひとまず言えるのは、もし、本作を配信でプレイしようとする場合は要注意、とだけ。なぜならアカリはすべてお見通しだからである。怖くなったら、配信でプレイするのは止すのが賢明です。

そんな小ネタも含めて、いろいろ手の込んだ仕上がりの本作だが、若干、引っかかる箇所も持ち合わせている。中でも厄介なのがスキップ機能。何度かのデートを繰り返すと解禁されるのだが、これが未読のセリフでも容赦なく飛ばしてしまう仕組みになっている。そのため、多用しすぎると重要な会話を見逃す恐れがある。もし、本作を余すことなく堪能したいなら、この機能は使わずにプレイすることを推奨する。

もうひとつが前述した“難関”が人によっては拒絶反応を覚えるものになっていることだ。一応、突破を容易にする救済措置は用意されているのだが、それでも上手くいかず手を焼くかもしれない。とりあえず「動体視力」「集中力」「瞬発力」「根気」「瞬間視」のいずれかに自信がないという方は用心することを強く推奨する。

また、この難関には確率の要素が存在するのだが、これが完全な蛇足になってしまっている。正直、ただのストレス要因でなんの面白さにも繋がっていないため、仕様を丸ごと切ってほしかったところである。

その辺の詰めの甘い部分がもったいなくはあるのだが、総合的な仕上がりに関しては色んな意味で体験したものに思い出を残す、鋭く尖ったシミュレーターとなっている。可愛らしく、多彩な反応を見せてくれる仮想ガールフレンドと共にデートを繰り返し、さまざまな思い出を作っていこう。そして、前提がひっくり返った時は懸命に抗うのです。

さすれば救いは……あるのか?

[基本情報]
タイトル:『PockeDate! – ポケットデートシミュレータ』
作者:TERNOX
クリア時間:3~5分(1周)、2~5時間(完全クリア時)
対応プラットフォーム:Windows
価格(税込):無料

◇ダウンロードはこちら
・Steam

  • シェループ(@shelloop

    様々なゲームに手を伸ばしたがる人。2D、3Dのアクションと手強めの戦略シミュレーションを与えると喜びます。

    Webサイト:box sentence