もぐらゲームス執筆陣の選ぶ 2022年おすすめフリゲ・インディーゲーム19選
2022年も様々なフリーゲームやインディーゲームが登場した。また同年は新興の展示会が複数立ち上がり、例年に比べて開発中の作品に触れる機会の多い、今後への躍動を感じさせる1年であったように思う。読者の皆様はどのような作品をプレイされただろうか?
本稿では、もぐらゲームスの執筆陣が、2022年にプレイしたゲームの中で特におすすめできるフリーゲーム・インディーゲーム19作品を一挙特集する。
各執筆者が2022年に遊んだ中で心に残った作品の数々を紹介していくので、気になった作品があればぜひ手に取って遊んでみていただきたい。
昨年の記事はこちら。
もぐらゲームス執筆陣の選ぶ 2021年おすすめフリゲ・インディゲーム18選
Patrick’s Parabox
『Patrick’s Parabox』はその名のとおりPatrick Traynor氏が開発した、「再び自分自身を参照する」ことを表す「再帰」をテーマとしたパズルゲーム。日本時間2022年3月30日よりSTEAMならびにitch.ioにて販売が開始されている。日本語表示に対応している。
基本ルールは顔の付いた自キャラクターを操作してブロックを所定の位置に押し込めばクリアとなる『倉庫番』型のパズルだが、本作ではブロックの内部にもパズルが存在しており、自キャラやブロックをブロックの中に潜り込ませることができる入れ子構造になっている。ブロックの入れ子のさせ方によっては合わせ鏡のようなループが出来上がって脳が軽く宇宙へ飛んでいくこと請け合いだ。
パズルの難易度も絶妙の一言。「再帰」という複雑な概念を取り込みつつも見た目以上に解きやすいサクサク具合がやみつきになる。突如として文字表現によるステージが登場したり、比喩表現でなく宇宙に到達してしまうといった遊び心もあり、斬新さと遊びやすさを兼ね備えた作品だ。
(真野 崇)
[基本情報]
タイトル: 『Patrick’s Parabox』
制作者: Patrick Traynor
クリア時間: 16時間~
対応OS: Windows, Linux, MacOS
価格: $20.00
ダウンロードはこちらから
・STEAM
・itch.io
Fashion Police Squad
動くな!ファッション警察だ!クソダサ罪でお前を拘束する!『Fashion Police Squad』はフィンランドのMopeful Gamesが開発し、英国のNo More Robotsが販売を行っているFPS。2022年8月15日よりSTEAMならびににて配信が開始されている。プレイヤーはファッション警察の隊員Des(ダス)となって街にはびこるファッション犯罪者達を取り締まり(コーディネート)していく。
くすんだスーツにはペイントガンで色を塗り、ネオンカラーの蛍光シャツは逆に色を吸収し、サイズの合わない服にはミシン銃で仕立て直し、というように相手に応じて適宜適切に武器を切り替えて対応していくことがプレイの軸になっており、狙って撃つだけに終始しない一味違った感触を楽しめる。敵の種類が入り乱れているシチュエーションに対してどう相手を捌いていくかが腕の見せどころと言えよう。
ズボンのベルトを使ったスイングアクションもスピーディかつ豪快。某蜘蛛男もかくやといった飛び回っての移動はクセになるはずだ。
「ファッション警察」というワードにアメリカンな刑事コメディをかけ合わせた、否が応でも目を奪われるファニーな設定は流血が苦手な人でも楽しめるFPSになっているという点でも非常にユニーク。ムーディッシュでファビュラスに街を染め上げてやろう。
(真野 崇)
[基本情報]
タイトル: 『Fasion Police Squad』
制作者: Mopeful Games
クリア時間: 6時間~
対応OS: Windows
価格: $19.99
ダウンロードはこちらから
・STEAM
・Epic Games Store
https://store.epicgames.com/ja/p/fashion-police-squad
魔迷城のティモッテ姫
『魔迷城のティモッテ姫』は新goo氏の制作したアクションゲーム。2022年6月3日よりふりーむならびにBOOTHにて公開されている。
魔王にさらわれ城に捕われてしまったティモッテ姫。待てども待てども勇者は来ない。退屈した姫はついに、自らの髪の毛を武器に自身の力で城を探索することを決意するのでした。内容としてはオーソドックスなサイドビューの探索型アクションゲームで、プレイヤーは姫を操作し、襲い来る敵を髪の毛攻撃で撃退しつつ城から脱出する道を探す事となる。
途中には水晶玉や鍵を押して鍵を宝箱にぶつけるパズルを解く宝物庫もあり、そこで入手した宝物の能力を活用して探索範囲を広げていく。宝物のうち「リング」はボスの部屋の扉を開くための鍵となっている。
極端に色数を抑えたビジュアルやスクロールせず1画面ごとに切り換わるマップなど、レトロパソコン時代を彷彿とさせるスタイルになっているのが本作の特色。アクション性の部分ではボス戦時にズームインで視野が狭まって見にくくなるなど目をつむれない難点はあるが、一方で宝物庫のパズルやコンパクトな広さながらガッツリと迷わせてくるマップ構成といった頭を悩ませる方面での練り込みが光る。往年の歯ごたえを求めるプレイヤーに触れてみてほしい一本だ。
(真野 崇)
[基本情報]
タイトル: 『魔迷城のティモッテ姫』
制作者: 新goo
クリア時間: 5時間~
対応OS: Windows
価格: フリーウェア
ダウンロードはこちらから
・ふりーむ
https://www.freem.ne.jp/win/game/28392
・BOOTH
https://booth.pm/ja/items/3911181
ヒカリノチハレ
『ヒカリノチハレ』はうぶげのことり氏らの制作による恋愛シミュレーションゲーム。2022年6月27日よりふりーむならびに夢現にて公開されている。プレイヤーは彩光学園に通う高校2年生となり、進級するまでの1年の間に、学業やスポーツで自分を磨きつつ十人十色の女の子達との出会いを重ねていくことになる。
ゲームは1週間の単位でコマンドを選択していく形で進んでいく。体力ややる気に気を付けつつパラメータを上昇させたり、学園内の各所を訪ねて女の子達との交流を進めていこう。1年間という期間はとても短く、気が付けば何の進展の無いまま過ぎ去ってしまう事も多々ある。人の心を射止めるのには「甘い話は無い」のだ。クラスメイトの仁科瑠花からは女の子たちと親しくなるにあたってのアドバイスが聞けるので、意中の子が見つかったらこまめにアドバイスを聞いておくと良いだろう。
本作の特徴は恋愛シミュレーションゲームであること、もっと言うならば、同ジャンルの金字塔であるコナミ『ときめきメモリアル』シリーズを踏襲したどこまでもどこまでもクラシカルでドストレートな恋愛SLGであることだろう。正攻法という名の奇策、突き抜けた王道が無二の域にまで昇華された確かな個性を放つ作品だ。
(真野 崇)
[基本情報]
タイトル: 『ヒカリノチハレ』
制作者: うぶげのことり
クリア時間: 25分~
対応OS: Windows
価格: フリーウェア
ダウンロードはこちらから
・ふりーむ
https://www.freem.ne.jp/win/game/28543
・フリーゲーム夢現
https://freegame-mugen.jp/simulation/game_10339.html
Symbiosis
数あるゲームジャムの中でもビジュアルノベルを中心としたストーリーものを取り扱う「NaNoRenO」は2005年から開催されている長い歴史を持つ。今年の「NaNoRenO 2022」の参加作品のなかでも筆者がとりわけ気に入った作品が、Puchi氏が制作した短編アドベンチャーゲーム『Symbiosis』だ。ジャム期間中の2022年4月2日に公開され、ブラウザ上でプレイする事ができる他、ダウンロード版も用意されている。
暗く深い森の中にある、訪ねたものを何人たりとも返さない魔女の家。プレイヤーはそこに迷い込んだ探訪者として、魔女から逃げながら家を探索する…と見せかけて、操作するのは魔女の側。自身と息子の安寧を守るべく、不埒な侵入者たちに”お引き取り願う”という視点を逆転させた物になっている。悪役になりきって思い切り悪いことをする背徳感の愉しさは本作の持つ魅力、いや魔力と言えるだろう。
ホラーゲームの体裁を取っているものの、魔女が持つ母親としての側面や、日向に影に記された錬金術の研究の数々、魔女が過去に行った実験と確執といったサスペンスドラマ色の強いストーリー展開も見どころ。特に終盤に明かされる息子に隠された秘密には驚嘆の声をとどめることができなかった。その真実はぜひプレイして確かめてみてほしい。
(真野 崇)
[基本情報]
タイトル: 『Symbiosis』
制作者: Puchi
クリア時間: 30分~
対応OS: HTML5, Windows
価格: フリーウェア
プレイはこちらから
Ouroboros: A Dungeon Crawling Adventure
『Ouroboros: A Dungeon Crawling Adventure』はイタリアのデベロッパーMissingSevenの開発による短編RPG。2022年7月29日よりitch.ioにてプレイアブル公開されている。見習い魔法使いのSeliqa(セリカ)とお目付け役の騎士Sir Amber(アンバー卿)が、時間を司り死者をも現世に蘇らせる秘宝「ウロボロスの卵」を求めてダンジョンを探索する物語が繰り広げられる。
ダンジョン内ではウロボロスの呪いによって子供になったり老人になったりと生物の年齢が目まぐるしく入れ替わる。年齢は見た目のみならず、例えば通常であれば単体攻撃の攻撃魔法しか覚えていない魔法使いが老人になった時には攻撃呪文が敵全体攻撃になるというように、キャラクターの能力においても活発さや老練さの形で反映される。そのため、戦闘では年齢の入れ替わりを意識して戦術を立てることがポイントとなる。
マップ上では自パーティや敵などの位置がコインで示され、戦闘シーンではキャラクターがフィギュア風に描かれている点やスキルの効力がダイスロールの値で表記される点、また物語のナレーターが登場しエンディングではパーティの更なる冒険が示唆される事など、テーブルトークRPGのセッションを強く意識した統一感が強い印象を残す。プレイ時間もちょうどセッション1本分くらいの時間で収まりテーブルトークRPGを遊んだかのような後味を楽しめる短編だ。
(真野 崇)
[基本情報]
タイトル: 『Ouroboros: A Dungeon Crawling Adventure』
制作者: MissingSeven
クリア時間: 2時間~
対応OS: Windows
価格: フリーウェア
ダウンロードはこちらから
A.R.E.A.
落ちものパズルと陣取りゲームを組み合わせたような作品となっている『A.R.E.A.』はYuto Miyake氏らによるスマートフォン向けのアクションパズルゲーム。2022年5月14日に各アプリストアにてリリースされている。
画面中央から上下左右に向かって進むブロックを操作して、ブロックで中に空間ができるように囲みを作るとその領域が塗りつぶされて「AREA」となる。AREAに十字マークの起爆剤ブロックをくっ付けることでAREAを消すことができ、その際に隣接するAREAがあれば連鎖反応で連続してAREAを消すことができる。配置したブロックと次のブロックの出現位置とが重なってしまうとゲームオーバーとなる。「塗りつぶす」と「消す」で2度の変化を楽しめる事が特徴だ。
作ったAREAの面積が3マス以下だと気泡のような状態になる。この気泡は連鎖に反応せず起爆剤でブロックを割って開放しない限り残り続けるため、いかに小さな隙間を作らないようにできるかがポイントのひとつになる。ブロックが沈み込むように接着するため慣れるまでは隙間を作らないようにするのが大変だが、その分セオリーを編み出していく楽しみがある。普遍的な落ち物パズルに飽き足らない人に勧めたい一本だ。
(真野 崇)
[基本情報]
タイトル: 『A.R.E.A.』
制作者: Yuto Miyake
クリア時間: 5分~
対応OS: iOS, Android
価格: 無料(アプリ内購入あり)
ダウンロードはこちらから
・iOS版(Apple Store)
メトロノームファイト
「マルチタスク・リズム戦闘ゲーム」を呼称する、革新的としか表しようのない作品。決して誇張でもなく、本当に脳内が大混乱になること確実の稀有な戦闘システムを最大の売りとする作品に完成されている。
その特徴を(無理矢理)簡潔にまとめるなら、リズムゲームとRPGのターン制、アクティブタイム、資源管理といった複数の要素を持ったものである。画面上部の譜面、画面下部の戦闘状況を交互に確かめつつ、リズムを取っては敵への攻撃、防御などを実施していく。
これだけなら簡単そうに思うかもしれない。だが、リズムを取れるのは「■」が青の小節に入った時だけ、各種行動には回数制限が設定されているなど、細かな制約やルールが設けられているため、初見時は困惑不可避。何より譜面と戦闘状況の2つを確かめながらが基本なので、非常に慌ただしい。本編も進行こそステージクリア形式と単純で、すべてのステージをクリアする必要はないにせよ、勝利条件が特殊だったり、奇怪な攻撃や妨害を繰り出してくる敵が相手になるなどと起伏が激しい。加えて難易度も力押しはほぼ効かず、常に戦況に応じた戦術を考え続けねばやられかねないバランス。まさにマルチタスクに相応しい体験と、脳味噌がジンジン・ズキズキするほどの強烈な刺激を得られる作りになっている。
ただし、主人公が無敵状態になるモードなど、リズムゲームが苦手な人に対する救済措置もあるので、やろうと思えば力押しも可能。また、逆を言えば癖が強いなりに上手くリズムを取って戦術を駆使できるようになった時の快感は格別だ。個性の強すぎるキャラクターたちが織りなすストーリーなど、システム以外にも見所は多い。人を選ぶ作りであるのは否定しないが、斬新なゲームを探しているなら一度でもいいので体験いただきたい1本だ。脳味噌に猛烈な刺激を加えたいという欲求にも応えてくれる……かも。
(シェループ)
◆紹介記事:この前例なき戦術と脳内処理を問う戦闘で勝利をつかめ!革新的”リズム戦闘”ゲーム『メトロノームファイト』
[基本情報]
タイトル:『メトロノームファイト』
作者:二六千里
クリア時間:10~20時間(※クリア必須ステージのみ:4~10時間)
対応プラットフォーム:Windows
価格:無料
ダウンロードはこちらから
https://www.freem.ne.jp/win/game/28887
FortuneExplorer ~ミリィと不思議なダンジョン~
「SRPG Studio」とは、どんなゲームを作るのに長けた制作ツールか。もはや名が体を表す通りだが、シミュレーションRPG(SRPG)である。
そんなSRPG向けの制作ツールでランダムダンジョンRPG(ローグライク)を作っちゃったのがこちらの作品だ。「ちょっと何言ってるか分からない」と言いたくなるのも無理はない。だが、大事なことなので繰り返そう。本当にローグライクである。
探索のたびに形状が変わるマップ、プレイヤーが1歩動けば敵も1歩動くターン制といったお馴染みの要素、システムの数々がSRPG用のツールを駆使して完全再現されている。
それでいて、独自の試みも満載。特にお金と経験値、2つの意味合いを持たせた「ウェルス」はその象徴。プレイヤーの強化に回すか、あるいは手持ちの武器、アイテムを増やして保険を取るかと、使い道をどうするかで(いい感じに)悩まされる。攻撃に待機(ターン数稼ぎ)などの行動を取る際にはコマンドメニューを開く、武器・アイテムには回数制限があるなど、SRPG由来の要素も独自の戦術性を演出し、他のローグライクでは味わえない面白さを表現している。方向転換、斜めの概念がない、力尽きてもレベルや武器が失われない難易度を用意するなど、ローグライクに苦手意識のある人への配慮も充実。そのため、このジャンルの入門編としても適している。(もちろん、上級者向けの高難易度もある)。
制作ツールからして物珍しさ炸裂しまくりだが、ローグライクとしても侮りがたい作品。2023年現在は、紹介記事にて指摘した処理の重さを軽減させるアップデートが実施され、中断セーブも可能となってより遊びやすくなっている。今からでも決して遅くない。この異色極まりない1本、興味があればお試しを。
なお、やや強烈なお色気演出があるため、プレイ中は周囲と背後にご用心!(?)
(シェループ)
◆紹介記事:SRPGの制作ツールでローグライク作っちゃいました。『FortuneExplorer ~ミリィと不思議なダンジョン~』ここに現る!
[基本情報]
タイトル:『FortuneExplorer ~ミリィと不思議なダンジョン~』
作者:くらいまん
クリア時間:2~3時間
対応プラットフォーム:Windows
価格:無料
ダウンロードはこちらから
https://www.freem.ne.jp/win/game/27736
DRAINUS(ドレイナス)
『Touhou Luna Nights』(紹介記事)を始め、様々な探索型アクションゲームを手がけてきたインディーゲーム開発チーム「team ladybug」(チームレディバグ)開発による横スクロールシューティングゲーム。昨今、原作付き作品を手掛けてきた同チームとしては久しぶりのオリジナルタイトルでもある。
その内容も全6つのステージを順に攻略していくという、シューティングゲームの伝統的スタイルを踏襲。反面、システム全般ではエネルギー系の敵弾を吸収する「リフレクター」を始め、独自の試みが満載。自機「DRAINUS」も「リフレクター」に代表される対抗手段の豊富さから、そう簡単には撃ち落されない程度に強い。
しかも「リフレクター」の敵弾吸収、敵が落とす「クリスタル」を回収するたびに貯まる「エネルギータンク」を消費すれば、自機の性能をさらに高めることも可能。その強化もほぼ好きなタイミングで行えるのに加え、一度クリアしたステージに再訪して「エネルギータンク」を増やす、RPG的な稼ぎプレイも可能。それらの懐の広い仕様などによって実現した、攻略しやすいゲームバランスが本作最大の魅力となっている。
実は2週前提の内容でもあったりするのだが、そこにも秀逸な工夫が凝らされており、是が非でも挑戦してしまうこと確実。もちろん、シューティングゲーム熟練者を対象にした高難易度、独自モードもあるなどやり込み周りも抜かりない。
「シューティングゲームの入門編として最適な作品はないか?」と問われたら、最優秀候補として挙がるほどに優れた取っつきやすさを誇る作品。なので、シューティングゲームを全く遊んだことがない人に強くお薦めしたい1本だ。
2023年2月にはNintendo Switch版も発売予定なので、少しでも興味があれば迷わず突撃を。この”攻略しやすさ”は自信を持って保証する。
(シェループ)
◆紹介記事:探索型アクションを作り続けた開発チームが送る”攻略しやすい”完全新作横STG『DRAINUS』
[基本情報]
タイトル:『DRAINUS』(ドレイナス)
発売・開発元:team ladybug, ワイソーシリアス、PLAYISM
クリア時間:2~3時間
対応プラットフォーム:Windows
価格(税込):¥1,480
購入はこちらから
ぐれいてすとキャッピー
『World Wide Adventure』(WWA)をオマージュしたステージクリア型パズルRPG。主人公のツノの生えた女の子「キャッピー」を操作し、複数のエリアマップから構成されたステージを進み、ゴールへの到達を目指すという内容。
色の付いたカギを用いての扉開錠、「プレイヤー⇒敵」の順序で展開される戦闘、特定アイテムを取得することによるステータス強化を始め、システム周りはほぼ『WWA』。ただ、ステージクリア形式で本編が進んでいく点は本作特有のもの。また、強化したキャッピーのステータスはステージクリアのたびに初期化されるので、レベルを上げて力で押すという攻略は不可能。さらに特殊能力を宿す「スキル」を3つセットでき、その種類に応じて難易度が変化したりと攻略法もひとつとは限らない。そんな細かなアレンジが施されており、さながら仕掛け満載の迷路を解くに等しい面白さが描かれた作りになっている。『WWA』の難点を改修している点もあり、とりわけ隣接しても対応するキー(ボタン)を押さない限りは絶対に始まらない戦闘はその象徴である。
ボリュームもステージ総数は30以上と大きく、その大半に独自のネタやイベントが仕込まれていて(特に最終ステージがものすごいことになっている)、プレイヤーを退屈させない。スコアに乗じて3種の「メダル」が貰えるやり込み要素もあり、全ステージで最高グレードの達成を目指そうとすれば、より長く遊べる。しかも、グレードには熟練のプレイヤーも度肝を抜く秘密が……。
ゆるふわギャグ全開なストーリーなど、ゲーム以外にも多数の見所を持つ本作。『WWA』が好きだった人に限らず、遊びごたえのあるパズル系のゲームをお探しの人なら要プレイの力作だ。ゆるい世界観に惹かれるがまま遊ぶのも大丈夫。ストーリーだけを楽しみたい人に配慮した”ペシペシしほーだい”の低難易度も用意されています。
(シェループ)
◆紹介記事:遊びやすさ重視の作りとゆるふわギャグストーリーが見所の”WWA”風パズルRPG『ぐれいてすとキャッピー』
[基本情報]
タイトル:『ぐれいてすとキャッピー』
作者:あきろう(Unrecorded Futon Nukunuku)
クリア時間:10~20時間(※完全攻略:20~30時間)
対応プラットフォーム:Windows
価格:無料
ダウンロードはこちらから
https://www.freem.ne.jp/win/game/28310
パズルバトラー!みらい
リズム戦闘ゲームに続いて、今度はパズル戦闘ゲームである。題名通り主人公「みらいちゃん」が「負債十傑」と称されたヒロインたちの救出に挑むというストーリー。酷い肩書きだ、とか言ってはいけない。
戦闘という名のステージを攻略していくという内容で、「3マッチ」形式のパズル、アクティブタイム形式の戦闘が同時に進行する作りを特徴としている。それもあって慌ただしさも相応だが、難易度は”ゆるゆる”で気軽に遊べるのが大きな売り。特にみらいちゃんの成長を始めとするRPG由来の要素が効果的に活かされており、力押しも許容する懐の広いゲームバランスを実現させている。
しかも、みらいちゃんの強化に必要なお金が1つのステージをクリアするだけで”ガッポリ”手に入るので、一気に底上げさせられる。また、強化項目には連鎖を発生しやすくするなど、パズル自体の難易度を下げるものも複数あり、その種のジャンルが苦手な人への打開策も設けている。敵に対して強力な攻撃を繰り出す「スキル」もそのひとつ。例え連鎖が組めなかろうが、そちらの種類と成長具合(※スキルの強化には経験値が必要だが、これもガッポリ手に入る)でどうにかなってしまうので、攻略の幅が広い。
もし、肩の力を抜いて楽しめるパズルゲームを探しているのなら、本作はイチオシもイチオシだ。もちろん、高難易度モードなどのやり込み要素も豊富に用意されているので、熟練者もちゃんと楽しめて確かな手応えが得られる。みらいちゃんを強くしたい欲求が強ければ、一気に1時間以上が溶けてしまうほどに中毒性も抜群だ。
随所に仕込まれた名作ゲームのネタ要素、耳に残る音楽、そして薄すぎるストーリーも色んな意味で印象を残す本作。Nintendo Switchの携帯モード、Steam Deckとの相性も抜群なので、興味があれば手に取って時間を溶かしまくろう。
(シェループ)
◆紹介記事:救え、負債十傑!戦え、みらいちゃん!ゆるく遊べるパズル戦闘ゲーム『パズルバトラー!みらい』
[基本情報]
タイトル:『パズルバトラー!みらい』
開発元:Wandering Wonder Studio(※Nintendo Switch版販売:わくわくゲームズ)
クリア時間:8~10時間
対応プラットフォーム:Windows、Nintendo Switch
価格:¥690(Steam)、¥1,100(Nintendo Switch)
購入はこちらから
・PC(Steam)版
・Nintendo Switch版
https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000056735.html
Freedom Planet 2(フリーダムプラネット2)
2014年にPC(Steam)向けに発売され、後に家庭用ゲーム機版も発売されたアクションゲーム『フリーダムプラネット』(紹介記事)の続編。
前作に引き続き、ライラック、ドラゴンの「ライラック」、ワイルドキャットの「キャロル」、パセットハウンドの「ミラ」、そして前作では中ボスとして登場したパンダの「ニーラ」の4人(匹)が新たな敵に挑むというストーリーが描かれる。
前作から変わったのは前述の通り、二段ジャンプと氷槍による攻撃を特徴とするニーラの追加。さらにアクション面では「ガード」が追加され、戦闘時における回避手段が増えた。そして、ステータス強化と装備アイテムも登場。体力の最大値を増やす、特殊な効果を宿すことが可能になり、ステージ攻略の幅が大きく広がっている。
本編もワールドマップ上に配置されたステージを選んでは攻略していく構成に一新。併せて町、村といった非戦闘ステージも登場。また、ステージは規模も前作から気持ち縮まったが、その分、総数が30以上と倍増している。
他に全ボスに体力ゲージが設定、チェックポイントが増加、画面外攻撃の警告サイン追加など、前作からの改善点も多数。グラフィックも前作のメガドライブからセガサターンになったと言えるほどの進化を遂げている。
前作を楽しんだ人なら、迷わず推せる出来。アクションゲーム単体としても特にステージの起伏、演出周りの完成度、ボリュームが抜きんでている。本稿執筆時点で日本語未対応という点でハードルの高さはあるが、アクションゲーム好きなら要プレイの1本。よりスピーディで、熱くなった新しい『フリーダムプラネット』がここにある。
ちなみに今後、家庭用ゲーム機版の発売も予定されている。
それと並行して日本語対応アップデートの実施にも期待したいところだ。(欲を言えば、今回は音声も日本語に対応してくれればと思うのだが……果たして。)
(シェループ)
[基本情報]
タイトル:『Freedom Planet 2』(フリーダムプラネット2)
開発元:GalaxyTrail
クリア時間:8~12時間
対応プラットフォーム:Windows
価格:¥2,980
備考:日本語未対応(※2023年1月現在)
購入はこちらから
Sky And Earth
謎の怪物「ゴクマ」の影響で、天空と地上に分断された世界を舞台にした長編RPG。単純にストーリーを終えるだけでも50時間を平気で超える大作である(※寄り道込みなら100時間以上)。おそらく2022年に誕生したフリーゲームのRPGの中では最大規模だろう。
しかも、レベル上げなどの時間を”ほぼ除外しての”50時間以上である。
それもあって、ストーリーの密度は桁違いに濃い。扱う題材もボーイツミーツガールに地上と天空の異なる世界に住まう人間たちの対立、数千年前に滅びた旧世界をめぐる謎と”特盛”。それを中弛み、破綻もなく見事にまとめ上げている。登場人物たちも主人公のリクディオ、ヒロインのソラハリアを始め、魅力的かつちょっぴりクセのある面々が揃っていて、個々の成長が丁寧に描かれているのも見所だ。
RPGとしても戦闘周りに独自の要素が多い。戦闘中に放った術の”カス”を利用した追撃「残留闘技」、敵に弱点属性を付与する「属性ウィーク」、攻撃か防御のいずれかの限定強化を図れる「バウンスブレイク」などがその象徴。また、各種要素は本編進行に応じて段階的に解禁されていくため、進めば進むほど、戦術面の面白さが増していく設計になっている。最大6人に及ぶパーティメンバーもステータス、特技周りの個性付けがハッキリしていて、それを最大限活かすための役割を考える楽しさもバッチリだ。
とにかく全編に渡り、熱気すら感じさせる作り込みがほとばしる出来。「本当に50時間以上?」と疑うかもしれないが、本当にそれぐらいかかる(早くても40~45時間ぐらい)。やり込み要素も詳細は割愛するが「なんでそんなに用意しちゃったの!?」と、唖然とするほどの物量だ。最大規模というのは誇張ではない。興味があればぜひ飛び込んで、大作としての凄味を味わおう。
そして、マジで長いため、時間との相談は計画的に。
(シェループ)
[基本情報]
タイトル:『Sky And Earth』
作者:まむ
クリア時間:50~60時間(※寄り道含む:100~150時間以上)
対応プラットフォーム:Windows
価格:無料
ダウンロードはこちらから
https://www.freem.ne.jp/win/game/27498
屑鉄まとうデモナ
魔導文明の滅亡により、ボロボロになってしまった世界を舞台にした探索型RPG。人類の行く末を担う次期魔王候補の主人公になって、従者の少女「ロダネ」と共に戴冠の儀を執り行う北の都を目指すというストーリーが描かれる。
その設定が匂わす通り、本編は最初から最後まで2人旅。複数のパーティメンバーを編成して戦術を編み出す、という遊びは楽しめない。逆にその分「スキル」と装備品が豊富で、それらの組み合わせから独自の戦術を編み出す遊びに特化している。
特に戦闘はそれが結果を大きく左右する。基本こそ敏捷性の高いキャラクターから順に行動するコマンド選択型だが、火力重視のバランスになっていて、状態異常、必殺攻撃(クリティカル)を早々に決め、敵をあまり行動させないうちに倒すことが求められる。それを前提とするため、戦闘では2人とも常時2回行動が可能。敵も雑魚ですら非常に強く、じっくりターンを費やして攻めようとすれば、あっという間に返り討ちにされる。
なので、最小の手数で確実に仕留められる一撃を編み出すことが大事。ある程度、ターンを費やすボス戦であれば殊更だ。まさに「攻撃は最大の防御」を地で行く設計で、スキルと装備品から戦術を編み出す遊びに特化したなりの緊張感と達成感が詰まった戦闘システムに仕上げられている。
その特徴もあって難易度は高めだが、ストーリーを楽しみたいプレイヤーに配慮したモードも用意。肝心のストーリーも世界観は暗く、重いイベントも多々あるが、キャラクターたちには明るいメンツが多く、とりわけロダネの可愛さには癒されてしまうこと請け合い(ドット絵も大変可愛らしいので必見)。主に戦闘と難易度にクセこそあるが、仕組みが分かれば没頭してしまうほどにやり込み甲斐のある作品。手応えがあり、少し変わった戦闘が楽しめるRPGをお探しなら要プレイの1本だ。
(シェループ)
[基本情報]
タイトル:『屑鉄まとうデモナ』
作者:くろあめ
クリア時間:10~15時間(※メインクエスト)
対応プラットフォーム:Windows
価格:無料
ダウンロードはこちらから
・ふりーむ!
https://www.freem.ne.jp/win/game/27459
・フリーゲーム夢現
https://freegame-mugen.jp/roleplaying/game_10009.html
Donut Dodo(ドーナツ・ドド)
1980年前半に誕生したアーケードゲームの名作に影響を受けた固定1画面式のアクションゲーム。パン屋の「ビリー・バーンズ」を操作し、怪鳥「ドーナツ・ドド」とその配下たちの妨害を回避しつつ、ステージ内に配置されたすべてのドーナツ回収に挑む。プレイヤーのできることは走ること、飛ぶことの2つだけで攻撃手段はない。
そんな単純の極みな作りだが、それとは裏腹に慌ただしくて手ごわいのが大きな特徴。ドーナツ回収、敵の襲撃を常時こなすのもあってか、一瞬たりとも気が抜けない。また、敵も種類によっては対処法が大きく異なる。
特に警戒すべきが「歩くトイレ」(!)で、ビリーよりも体格が大きいのでジャンプで飛び越えられない。しかも、こちらを追撃してくるため、ルートによっては窮地に追いやられる。他にも「ドーナツ・ドド」を始め厄介な敵はいて、その動きを見極めての行動が基本となるため、割と油断ならない。倒せない敵を振り切る遊び自体は真新しいものではないが、本作はドーナツ集めを始めとする個々の要素を活かし、独特なスリルと緊張感を表現。新しくはないが刺激的という、不思議な手ごたえを表現している。
肝心のドーナツ集めも単にドーナツに触れればいいだけだが、光るドーナツを順番に回収していけばスコアが右肩上がりで上昇し、残機アップの機会に恵まれる特典があって、つい挑戦したくなる面白さがある。
グラフィック、音楽も当時を意識した作風で、特に後者に関しては耳に焼き付くレベルの名曲が満載。この曲を聴くために遊ぶだけでもお釣りがくるほどだ。絵に描いた通りの”あの頃のゲーム”を意識した作品だが、独自の遊び心地を持った仕上がり。80年代のゲームが好きな人もそうでもない人にも推せる1本だ。
なお、1月19日にはNintendo Switch版も発売予定。
日本語未対応だが、それによる支障は一切ない。気になればぜひ!
(シェループ)
[基本情報]
タイトル:『Donut Dodo』(ドーナツ・ドド)
作者:pixel.games、Flynns Arcade
クリア時間:30分~1時間
対応プラットフォーム:Windows、Nintendo Switch(※1/19発売予定)
価格:¥520(Steam)、¥800(Nintendo Switch)
備考:日本語未対応(※プレイにおける支障は皆無)
購入はこちらから
・PC(Steam)
・Nintendo Switch(※2023/1/19より販売開始)
https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000062606.html
因習村祠破壊RTA
その名の通り、因習のある村に置かれた祠の破壊に挑むリアルタイムアタック(RTA)ゲーム。迷惑YouTuberの主人公になり、守り神が祭られた祠の最速破壊を目指す。目標タイムは1時間。「なんとバチ当たりな!」と言いたくなる設定だが、当然ながら祠を壊す行為は立派な犯罪である。絶対に真似してはいけません。
そんなRTA形式で犯罪に挑むという、どこか自然でありながらもムチャクチャ過ぎるゲームデザインを売りとしている。厳密なジャンルとしては時間制限付きの選択肢要素のあるノベルゲームで、ボリューム的にも目標タイムが物語る通りに短編の規模。そこにRTAの要素を導入し、純粋にストーリーを読み進めていくだけに終始しない、独特な展開を確立させている。
またRTAと言えば、時間を縮めるための高等テクニック。本作もそれを駆使する場面が設けられているのだが、総じて突っ込みどころ満載。
どんなテクニックが用意されているかは割愛するが、見れば確実にこれは確かにRTAであると納得すること請け合い。同時にRTAとはあらゆる不可能な状況を覆し、現実にさせるというある種の真理も思い知るはずである。
RTAらしく、画面のレイアウトも非常にそれっぽかったり、主人公のモノローグもRTAらしい解説調になっていたりといった細かなこだわりの数々も見所。エンディングを目指すだけなら割と早く終わってしまうボリュームだが、終始繰り広げられる無茶苦茶な展開と想定外のトラップの数々には、いろんな意味で「この手があったか!」となること確実。この設定に惹かれた人は言うまでもなく、珍しいノベルゲームをお探しの人も要チェックの1本である。
だが、真の意味で要チェックなのは他にある。それが何であるのかは実際に遊んで、最終目標の1時間切りを達成して確かめよう。
そして……呪われてしまうがいい。
(シェループ)
[基本情報]
タイトル:『因習村祠破壊RTA』
作者:HIJIKI
クリア時間:30分~1時間(目標:1時間切り)
対応プラットフォーム:Windows、ブラウザ
価格:無料
ダウンロード・プレイはこちらから
https://novelgame.jp/games/show/7366
『流れ落ちる調べに乗せて』&『闇を奔る刃の煌き』
2008年と2011年にコミックマーケットでリリースされた、同一世界観で展開する同人ノベルゲーム2作品『流れ落ちる調べに乗せて』『闇を奔る刃の煌き』。後者が有志企画の「おすすめ!同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2011 for Novel and ADV」で脚本部門をはじめ4部門で受賞するなど同人ゲームプレイヤーの間で高い評価を得ていた作品が、2022年にフリーソフト化された。1つの町の2つの時代を描く和風伝奇作品となっている。
『流れ落ちる調べに乗せて(通称“流落”)』は、文明開化より数十年経った時代を舞台に、4人の主人公で物語が描かれていく作品。それぞれの主人公の物語が起承転結にあたる4幕あり、特定主人公の物語を一気に読むのも、1幕ずつなど並行で読むのもプレイヤーの自由というザッピング形式が特徴だ。
各主人公は何かしらの形で異能と関わりがあるが、掌から謎の球を出せる以外はごく普通の少女から、異能者を管理する組織に属しある目的で町に訪れた女性まで、その出自も異能との関わり方もさまざま。それぞれの主人公がときに交差し同じ場面が別の視点で描かれたり、主人公と関わる人々が別の主人公の話では異なる一面を見せたりと、物語を多角的に味わえるのが大きな醍醐味となっている。
『闇を奔る刃の煌き(通称“闇奔”)』は、リリース順はこちらが後だが時代としては流落より前、維新の頃が舞台という流落の前日譚。こちらは一本道で、剣術師範の若侍、片倉重蔵とその妻、蛍が激動の世を成り上がっていく様を描いていく。
一目見た蛍に突然求婚するなど破天荒な面がありつつも情に厚く人好きのする重蔵と、そんな重蔵の求婚をその場で受け入れ知略で夫を支える蛍という“最強夫婦”が二人左脚で困難を乗り越えていく痛快な作品。全4話構成だが、各話ごとに物語の傾向が大きく変わり、「こう転換していくのか!」という楽しみもある。
両作品はそれぞれ独立した物語となっておりどちらからプレイしても楽しめるが、流落はマルチ主人公でボリュームもある分、話が動き出すまでに少し時間がかかるスロースターターな所があるため、もしどちらから読むか迷うなら1話から急展開で一気に引き込まれる闇奔をお勧めしたい(制作者のお勧めでもある)。一方、ザッピングノベルという形式に強く惹かれるなら流落からプレイするのもよいだろう。
どちらの作品も異能が登場するが、異能バトル的な要素は見どころでありつつもあくまで数ある魅力のうちの一つであり、町に伝わる伝承を紐解いていく伝奇要素や、折り重なる伏線や謎を回収していくカタルシス、それに恋愛要素ももどかしい両片想いからあてられるくらいの円満夫婦まで見どころは多彩だ。
なお、作品は無償でプレイできるが、設定資料集などを収録した「影法師のよろず箱」が有償配信されている。両作品をプレイして作品世界をさらに深く堪能したくなったならお勧め。とくに両作品にまたがって登場する某キャラクターの辿った人生に胸が締め付けられたような人(筆者もその一人である)には、よろず箱に収録の後日談小説を読むことを強くお勧めしたい。泣きました。
(中村 友次郎)
[基本情報]
タイトル: 『流れ落ちる調べに乗せて』『闇を奔る刃の煌き』
制作者: 影法師
公称プレイ時:20時間前後(流落)、10時間前後(闇奔)
対応OS: Windows
価格:無償
『流れ落ちる調べに乗せて』ダウンロードはこちらから
https://www.freem.ne.jp/win/game/27579
『闇を奔る刃の煌き』ダウンロードはこちらから
https://www.freem.ne.jp/win/game/27580