取捨選択に悩み続けるRPG。フリーゲーム『ロードライト・フェイス』

RPG,フリーゲーム

今回紹介するフリーゲームは『ロードライト・フェイス』。第6回WOLF RPGエディターコンテストで総合部門第3位(総合3位/熱中度部門1位/遊びやすさ部門1位)に入賞したノンフィールドRPG作品だ。

端的に言えば、バランスのとれたゲームシステムに支えられ、プレイヤーが取捨選択に悩む……という、ジレンマのコントロールが非常にうまいと感じたゲームだった。早速ファースト・インプレッションを紹介したい。

特徴ある職業を選び一歩一歩進んでいこう

本作では選択する職業ごとに特殊能力が存在する。筋力系の武器のエキスパート「戦士」、格闘攻撃の残り回数が少なくなるごとにダメージが増加する「拳闘士」、クリティカル・回避率の高い「剣士」、アイテムを盗める「盗賊」など7種類の職業の中から1種類を選び、名前を付けてゲーム開始だ。

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「聖職者」は、後述する重要なステータスFaith(信仰点)を上げることができる。

本作はノンフィールドRPGと銘打たれている通り、プレイヤーの位置はエリアごとの歩数のみで表されている。画面に表示されるのは残り歩数のほか、右下にはステータスが表示される。全体的に非常にシンプルな画面ではある。しかし、後述するように非常に奥深いシステムになっており、プレイヤーは常に取捨選択を迫られるのだ。

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残り歩数50歩がスタート。この先にはエリアのボスが待ち受ける。

フィールドでプレイヤーが選択できるのは、上キーで前に進むことと、アイテムの管理のみ。後ろに戻ることはできない。一歩一歩前に進んでいこう。進んでいくと、ストーリーに関わる人物との会話などがあったり、アイテムが落ちていたり、敵との戦闘に突入したりする。

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戦闘では持っている武器を選択して戦う。武器には残り使用回数があるので注意が必要。

限られたアイテム欄と使用回数による緊張感

アイテムの管理がこのゲームの肝となる。何しろ、アイテムは6個しか持つことができないのだ。武器や防具、強力な補助アイテムなど様々なアイテムがあるが、6個という制約があるためどれを持とうか非常に迷う。『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』などのローグライクゲームでも、大切なモノで持ち物がいっぱいだった時にまた良いアイテムが出てしまい、断腸の思いでアイテムを捨てた経験がある読者もいると思うが、『ロードライト・フェイス』ではアイテム欄6個であるがゆえに、その取捨選択のジレンマが非常に短いスパンで訪れる

しかも、プレイヤーを誘惑するかのごとく、時々現れる商店や「アイテムが落ちている」とのメッセージ。特にアイテムが落ちている場合、拾ってみるまでアイテムが何なのかはわからない。良いアイテムを交換のために処分してしまって後悔することもある。

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落ちているアイテムや商店でのアイテム購入のために泣く泣くアイテムを処分することも

また、秀逸なのが商店システム。このゲームには通貨などは存在しない。商店でアイテムを購入するために要求されるのは、LP、つまりプレイヤーの体力の最大値だ。アイテムを購入するごとに体力の最大値を減らすことになる。

命を削り、しかも手持ちのアイテムと入れ替えてまで商店でアイテムを購入するか……?と考えると躊躇ってしまうが、かなり良いアイテムが有る場合もあるので悩みどころ。また、商店はいつでも存在するわけではなく、ランダムで遭遇するものなので、商店に出会ったらその場での選択を迫られる。よくよく考えていかなければ生き残れない。

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命を奪っていく商店……武器がないと死ぬが、買いすぎても体力がなくなって死ぬ

無駄のないアイテム周りのシステム

このゲームでは、アイテムのほとんどに使用回数が設定されている。この使用回数が0になると、アイテムは壊れて使えなくなってしまうため注意が必要。
しかし、壊すことも重要になるというジレンマを作り出しているのが、Faith(信仰点)システムとファイナルストライクシステムだ。

信仰点は、アイテムを最後まで使って壊すと手に入るポイントで、これを使用してキャラクターの能力値を上昇させることができる。

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どれを上げるかという点でも悩ましい

また、ファイナルストライクシステムもアイテムを処分せずに使用し続けるインセンティブになる。武器アイテムは最後の1回のみ、攻撃力が2倍になるという特典を持っている。

これらのシステムが、取捨選択の「取」――つまり、捨てずに最後まで使うことによるメリットを増加させており、新しい使えそうなアイテムを入手するとき「どれを捨てるか?」という選択のジレンマを生んでいるのだ。

俺の屍を越えてゆけ

本作は、ゲームの難易度はイージーモードでもそれなりに歯ごたえがあり、慣れないうちは何度か死ぬかもしれない。

そこで死んでも、アイテムや武器を次に作成するキャラクターに引き継ぐことができるのもこのゲームの良い所だ。

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もしどうしてもクリアできない場合の一つの『ロードライト・フェイス』の攻略のヒントを一つだけ提示しておこう。
拳闘士で使用する「パンチ」などの武器は、残り回数が少なくなるごとに攻撃力がUPしていく。これを利用して、他のキャラクターでパンチをある程度使い込み、残り回数を少なくしておいたものをいくつかストックしておき、攻略するときに拳闘士でこれらのパンチを継承し、持っていく。
こうすることで、ラスボスにも相当のダメージを与えることができる。全ステータスを戦闘中だけUPしてくれるアイテムもあるので、それを使えばさらに確実に攻略ができるだろう。

そしてイージーモードをクリア(5エリアの最後にはラスボスが出現)するとハードモードがあり、最難関とされる「インポッシブル」まで、難易度は少しずつ上がっていく。

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商店の主、リエルをはじめとしてキャラクターも興味をそそるポイントだ。

ゲームシステムにより、取捨選択のジレンマがより際立っている中毒性の高いゲーム『ロードライト・フェイス』。ぜひ最後の「インポッシブル」までクリアしてみてはいかがだろうか?

また、『ロードライト・フェイス』をプレイしてみた方にオススメしたいスマホゲームが、『利子20階』だ。
『利子20階』も、ローグライク的な選択の悩ましさを前面に出したゲーム。もぐらゲームスでもレビューしているので、興味がある方は読んでみていただきたい。

スマホゲーム『利子20階』で二択の奥深さを体感する

[基本情報]
タイトル ロードライト・フェイス
制作者 ud 氏(制作者様サイトはこちら)
クリア時間 一回30分程度
対応OS Win2000 / XP / Vista / 7 (Direct X9.0以上のインストールが必要)
価格 無料

ダウンロードはこちらから http://www.freem.ne.jp/win/game/7527

  • Noah(@powerofgamesorg

    通称のあP。「もぐらゲームス」エグゼクティブプロデューサー&共同編集長。ゲームをする人。「ゲームのちからで世界を変えよう会議」の中の人。経営戦略(ゲーム産業)と金融が一応専門分野。 MMORPG「リネージュ」の元プレイヤー(8年ぐらい、10,000時間ほどプレイ)。長らく一つのゲームをやりこむ派でしたが、最近は雑食気味にいろんなゲームをプレイしています。思い出に残っているゲームはリネージュ、ティアリングサーガ、勇者のくせになまいきだ。or2など