「どこでもセーブ」でニャニャニャッと解決。2Dジャンプアクションパズル『Super Puzzled Cat』

2025-2-24アクション,インディーゲーム,パズル

いきなり何を言い出すんだと思われるかもしれないが、筆者はいわゆる「ネコミミ」のキャラクターが大好きである。そこにこんな天真爛漫そうな子を見つけてしまったのならまっしぐら、飛びつかない理由はなかった。しかしそれが長きにわたる苦闘の始まりであることは、いまだ想像だしなかったのである…。

『Super Puzzled Cat』はアメリカ合衆国アリゾナ州を拠点とするPenguin Mug Gamesの開発による、横スクロール型の2Dパズルアクションゲーム。2025年1月13日よりSteamにて配信が開始されている。日本語表示にも対応している。

わずらわしいやり直しとは、もうおさらば。

『Super Puzzled Cat』のルールは単純明瞭で、ネコ（耳少女）を横スクロール型ジャンプアクションゲームの要領で操作して、ゴールである毛糸玉の所まで到達することが目的となる。水や針山に当たったり、穴に落ちたり、壁に挟まれたりするとミスとなり、リトライ地点まで戻ってやり直しとなる。

本作の大きな特徴として、ステージ攻略中にいつでもボタンひとつでリトライ地点をセーブ＆ロードできるという点がある。先に何があるか判らない分かれ道を選ぶとき、崩れる足場に挑む前、際どいジャンプを成功させたとき等にあらかじめセーブをしておけば、その後のミスで最初からやり直しになる事態を防ぐことができる。

…そう、こんな風に行き止まりに進んでしまっても、ロードボタンで一発解決だ。一方で空中などでも容赦なくセーブ可能なので、ミス寸前の箇所で間違えてセーブしてしまった等が無いよう、セーブ＆ロードは気を付けて行おう。

ステージクリア時にはそのステージのリプレイが再生される。セーブ＆ロードを繰り返してクリアしたステージも、まるでひとつながりの動きでクリアしたかのようにリプレイ再生されるのが面白いところだ。また、ミスをした際の動きも一斉に同時再生され、試行錯誤の跡を振り返ることができるようになっている。その光景はさながら幾千もの未来からたったひとつだけの正解を掴み取るような平行宇宙的にも見える不思議な感覚をもたらしてくれることだろう。

ネコちゃんのひみつ道具あれこれ

本作を彩るのが愉快なアイテムの数々だ。急速上昇するが燃料切れまで止まれないジェットパック、体をゴム状に変えてしまうガム、壁をすり抜けられる透明化、色々な物を壊せる爆弾、本物の猫への変身、分身、反重力など、バラエティ豊かなアイテムが登場する。これらのアイテム類を駆使してどのようにゴールへ辿り着くかが本作のパズルを構成する要素となっている。

また、アイテム類はただ単に使うだけでなく、複合して効果を発揮するものも存在する。ジェットパックで例に取ると、透明化で壁をすり抜けつつ上昇したり、ゴム化した状態で飛ぶことで天井に頭をぶつけても跳ね返るといった具合になる。猫に変身した状態でジェットパックを使うと、パックを背負うのではなくブースターにまたがった猫が見られるなどリアクションが細かく、組み合わせ方次第では見た目に楽しいものや凄まじい動きを生み出すものもある。

一方でステージ攻略のためにはアイテムをどの場所でどう使うかの発想と、シビアな使用タイミング・位置合わせが求められる。難易度はかなりのものではあるが、前述したセーブ＆ロード機能のおかげでトライ＆エラーがやりやすくなっているので、根気よく挑むことで乗り越えていこう。

「悟りに至る」とは一体…？

実績形式でアイテムが解放されていき、ステージ中にあるコインを集めることでアイテムが購入できる「ネコショップ」をはじめ、隠しステージやタイムアタック、ノーミスチャレンジといった突き詰めて遊べる要素も充実している。コイン集めに関しては通常クリアとは異なる解法を求められる場合も多く、一段上の難しさを味わえるだろう。

一言で言って、本作はかなり手ごわい。筆者は弊誌での活動を通じてパズルゲームやアクションゲームに対する自信を深めてきたつもりだったが、クリアまでに重ねたミスの回数は2000回余を数え、なけなしの自信は本作によってものの見事に打ち砕かれることとなった。一方で不思議とストレスが溜まらない作りでスルスルとプレイできるようにもなっており、パズルゲームに少しでも関心があるという人には迷わずオススメできる作品だ。